JRA-VANコラム
関連度合いが高い前走コースは? 朝日杯FS分析
先週の阪神JFと同じ阪神芝1600mで今週は朝日杯FSが行われる。一昨年は後に日本ダービーを制するドウデュースが優勝。マイル路線のみならず、来年のクラシック戦線を見据えても注目の一戦だ。今回は阪神開催となった2014年以降・過去9回のレース傾向から今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
※脚質はTarget frontier JVによる分類
表1は朝日杯FS過去9年の人気別成績。1番人気馬が昨年のドルチェモアら最多の4勝をあげており、連対率66.7%・複勝率88.9%と高い。2番人気馬は18年アドマイヤマーズら2勝をあげ、複勝率66.7%。3番人気馬は一昨年のドウデュースが勝利し、複勝率44.4%。上位3番人気以内の好走馬が多いことが大きな特徴といえる。
これら上位3番人気以内の前走距離別成績では、出走数が多い前走1600m組が連対率52.6%・複勝率73.7%と高い。前走2000m組は15年リオンディーズが優勝している。
なお、4番人気以下では6・7番人気馬が1勝ずつ。近2年の3着以内馬はいずれも4番人気以内と堅めだが、過去9年中6年は6番人気以下の伏兵が1頭は好走している。
表2はキャリア別成績。勝ち馬を含めて3着以内馬はすべて4戦以内の馬だった。新馬戦を勝ったばかりの1戦の馬は出走数が少ないものの、複勝率40.0%。以下、キャリアが多くなるにつれて、勝率・連対率・複種率いずれも下降傾向にある。
これら4戦以内の馬の前走距離別成績でも前走1600m組が過半数の6勝をあげ、複勝率31.5%でトップ。ここでも前走1600m組の優位性が見てとれる。
表3は出走馬の半数以上を占める前走1着馬の前走コース別成績。前走1着馬は【9.5.7.58】で、すべての勝ち馬を含め3着以内数は21頭と多い。この中で前走東京芝1600m組は昨年のドルチェモアら過半数の5勝をあげ、該当馬9頭すべてが3着以内に入っている。左回りから右回りの変化はあっても、同じ直線が長い1600mということで非常に関連性が高く、成績が直結している。ちなみに先週の阪神JFでも前走東京芝1600mの赤松賞を勝利していたステレンボッシュが2着と好走している。
東京芝1600m以外では京都・阪神・東京で前走1着だった馬が上位を占めており、中山や中京、ローカルからは好走馬が出ていない。
表4は朝日杯FSにおける6番人気以下【2.3.3.94】の前走上がり順位別成績。前走上がり1位の馬が20年グレナディアガーズら2勝をあげ、複勝率15.4%。好走した4頭はすべて前走上がり最速で勝利しており、該当馬は複勝率18.2%で単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。穴なら前走のクラスに関係なく、上がり最速で1着だった馬を狙っていきたい。
(表5は12/13時点)
上位3番人気以内に支持されるのは前走デイリー杯2歳S勝ちのジャンタルマンタル、前走東京スポーツ杯2歳S1着のシュトラウス、そして前走1勝クラスの秋明菊賞を勝利して2戦2勝のダノンマッキンリーの3頭だろう。
この3頭の比較では好成績の前走1600m組(表1)であるジャンタルマンタルを筆頭としたい。前走デイリー杯2歳Sは内ラチ沿いから抜け出して2馬身差の快勝。無傷の3連勝でのG1制覇の可能性も十分だ。
オーサムストロークは今回の出走馬中唯一の前走東京芝1600m1着馬(表3)。前走の1勝クラス・ベゴニア賞は勝ちタイムが1分37秒0と遅かったが、少頭数で超がつくスローペースだった。2走前の未勝利戦では緩みのない流れで逃げて5馬身差の完勝を決めている。前走の勝ち時計の遅さが嫌われるようなら逆に妙味がありそうだ。
表4で示した穴候補ではタガノエルピーダ。前走京都芝1600mの新馬戦では上がり最速の脚で差し切って、デビュー勝ち。牝馬でもレースセンスが高く、好走の可能性を秘めている。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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