JRA-VANコラム
前走距離と前走馬体重がカギ! フィリーズR分析!
今週は土曜に中山でハンデ重賞の中山牝馬S、日曜に中京で金鯱賞、阪神で桜花賞トライアルのフィリーズRと3鞍の平地重賞が組まれている。今回はそのなかで日曜阪神メインのフィリーズRをピックアップ。2014年には3連単175万馬券が飛び出すなど波乱傾向が強い一戦を14年以降・過去10年のデータから分析し、今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
注:2019年は1着同着のため、1着馬11頭
表1は出走馬の所属別成績と関西馬における人気別成績。関東馬で好走したのは14年3着エスメラルディーナのみで苦戦傾向にある。関西馬が19年ノーワンとプールヴィルの1着同着を含めてすべて勝利しており、3着以内数でも圧倒している。
これら関西馬の人気別成績では1番人気馬は15年クイーンズリングの1勝のみで、複勝率も44.4%と低め。一方、2番人気馬が昨年のシングザットソングら最多の4勝をあげており、複勝率は90.0%と非常に高い。8番人気馬は21年シゲルピンクルビーら3勝と勝ち星で2番人気馬に続いている。また、19年ノーワンが12番人気で勝利するなど、10番人気以下が5頭激走している。14年には2→13→7番人気の順で3連単175万馬券、昨年を含めて10年中5年で3連単10万円以上の配当となっており、波乱傾向が強い一戦だ。
※エルフィンSはリステッド時を掲載
前走距離別成績では、前走1600m組が7勝をあげ、複勝率でも28.6%でトップ。昨年のシングザットソングら近5年続けて勝ち馬が出ている。前走1600m組のレース別成績は、現在のリステッドになってからのエルフィンSが20年エーポスら2勝で最多。出走数最多の前走阪神JF組は21年シゲルピンクルビーの1勝のみで、意外に勝ち切れていない。
前走1400m組は19年プールヴィルら4勝。この組の3着以内馬8頭中7頭は前走で連対を果たしていた。前走1200m組は連対がなく、3着2回のみ。前走1800m以上は3着以内馬が出ていない。
表3は前走馬体重別成績。前走460kg以上の馬が過半数の7勝と勝ち切る傾向が強い。ただし前走500kg以上となると好走馬はおらず、前走460~499kgの複勝率が高い。前走460kg以上の馬の中で前走1600m組は一昨年のサブライムアンセムら5勝をあげており、連対率36.4%・複勝率45.5%と優秀だ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。
勝ち馬11頭はすべて前走420kg以上で、420kg未満の馬からは連対馬が出ておらず、3着止まりとなっている。
表4は前走上がり順位別成績。前走上がり1位だった馬が18年リバティハイツら過半数の6勝をあげている。この組の勝ち馬6頭はすべて前走で3着以内に入っていた。
前走上がり2位だった馬は17年カラクレナイが勝利。前走上がり3~5位の馬からは勝ち馬が出ておらず、6位以下の馬が4勝をあげている。
【結論】
(表5は3/6時点)
今回のフィリーズRで1番人気に推されるのは前走阪神JFで3着のコラソンビートだろう。阪神JFでは1・2着とは0秒2差、また4着馬を3馬身離していた。2走前には京王杯2歳Sを勝利して格上の存在だが、劣勢の関東馬に加えて、過去10年で1勝のみの1番人気、前走阪神JF組、前走馬体重438kgとレース傾向に合っていない。あくまで1着は別の馬で馬券作戦は考えてみたい。
1着候補としてまずはジューンブレアを推奨したい。前走1600mのデイリー杯2歳Sで7着、当時の馬体重は476kg。前走は2走前1200mの新馬戦1着からの距離延長で厳しかった。それでも勝ち馬とは0秒7差、3着とは0秒2差。牝馬限定となる今回は休み明けでもいきなり走っておかしくない。
上がり1位を重視するならバウンシーステップ。前走つわぶき賞は上がり1位で1着。2着に2馬身半差をつける快勝だった。時計の速い良馬場で追い比べになれば勝ち切る力は十分にある。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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