JRA-VANコラム
「2強」が不在のフェブラリーSを制する馬は?
今週日曜日は東京競馬場でフェブラリーSが行われる。2024年も中央競馬のG1がいよいよ始まる。出走予定メンバーを見渡すと、昨年JRAのダートG1を2勝し、JRA賞最優秀ダートホースに輝いたレモンポップと、ドバイワールドカップと東京大賞典を制したウシュバテソーロが不在な点は残念だ。ただ、その分多くの馬に勝つチャンスがありそうだ。いつものように過去10年をJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して振り返り、レース傾向を分析してみたい。
過去10年(以下、同様)のフェブラリーSの年齢別成績を調べたところ、4歳と5歳の成績が良かった。6歳は5歳に比べると好走率が半分近くに下がってしまった。7歳以上になるとさらに厳しくなるが、8歳で好走した馬が3頭もいた。ベテランの馬も軽視はできない。
種牡馬成績を調べたところ、ゴールドアリュールが【3.2.1.11】の好成績で、ゴールドドリームとコパノリッキーが複数回好走した。勝ち馬を出している種牡馬の中で、現役時代にJRA所属だったのは意外にもこの馬だけだった。その他はAmerican Pharoah、トワイニング、Henny Hughes、ケイムホーム、Lomon Drop Kidと現役時代はアメリカのダートで活躍した馬ばかりだ。2着馬を出した種牡馬にもMajestic Warriorやシニスターミニスターといったアメリカのダート血統がいる。こうした上位勢の顔ぶれを見ると、明らかにJRAの芝とは異なり、ダートらしい特徴が出ていると言える。
前走レース別成績を調べたところ、根岸S【4.2.3.49】組が最も多く、その内前走2着以内だと【4.2.3.6】という好成績だった。逆に前走根岸S3着以下だと【0.0.0.42】であり、同レース組は連対馬のみをマークすればいい。そして東海S【2.1.1.16】組の出走が2番目に多い。現在、JRAのG1出走馬は本番までのレース間隔が短くなるので前哨戦を避ける傾向にあるが、本競走においては前哨戦を使うことがマイナス材料にはならない。前走G1/Jpn1組においては、川崎記念や東京大賞典組からは勝ち馬が出ていないが、チャンピオンズC【3.3.2.9】組は好成績だ。
さらに前走距離別成績を調べてみると、今回距離延長よりも短縮の方が成績は良かった。ただし、前走1800m【6.4.4.32】が好走馬の大半を占めており、前走2000m以上からは勝ち馬が出ていなかった。前走1400~1800m組は【10.6.8.97】で、その内前走2着以内だと【6.4.5.32】という成績だった。つまり今回の1600mと近い距離のレースで好走している馬が狙いの一つになる。
【結論】
前走東海S2着のオメガギネスに注目
前走東海Sで2着と敗れてしまい危うく除外になりそうだったオメガギネスだが、ローテーション自体は好ましい。まだキャリアが浅く、G1経験もない新興勢力的な存在だが、本競走においてはそのようなタイプ(モーニンやインティなど)が良く好走しており、プラス材料だと考えたい。
前走成績が良く、1600~1800mのダートG1/Jpn1で好走実績があるのはイグナイター、ドゥラエレーデ、レッドルゼル、ウィルソンテソーロ。前走東京大賞典は敗れたが、シニスターミニスター産駒のキングズソード、ミックファイアあたりまで有力とみたい。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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