JRA-VANコラム
前走阪神JF組が優位!? 桜花賞分析
今週は日曜に阪神競馬場で牝馬三冠の一冠目となる桜花賞が行われる。昨年は前走阪神JF以来だったリバティアイランドが優勝、その後さらに牝馬三冠を達成する活躍を見せた。桜咲く季節の阪神芝1600mで頂点に立つのはどの馬か、2014年以降過去10年のデータから桜花賞のレース傾向ならびに今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は前走距離別成績。出走数が多い1600m組が9勝をあげ、3着以内馬の大半を占めている。他では1400mから17年レーヌミノルが勝利しているが、連対率・複勝率ともに低い。1400m組の好走馬3頭はいずれも前走フィリーズRで2着だった。前走1800m以上からは好走馬が出ておらず、前走1600mが中心といえる。
前走1600m組の前走からの間隔別成績では、中4~8週と中9~24週から好走馬が出ているが、中9~24週の方が勝率・連対率・複勝率いずれも上回っている。2~3月の前哨戦を使った組よりも、前走が1月もしくはそれ以前で長く間隔を空けた馬が好成績をあげている。
表2はキャリア別成績。3戦の馬が昨年のリバティアイランドら最多の4勝をあげ、連対率30.3%・複勝率36.4%はトップ。これら3戦の馬の前走競馬場別成績では、前走阪神組が3勝・9連対しており、連対率は50.0%、複勝率は55.6%と非常に高い。昨年6番人気2着と好走したコナコースト(前走チューリップ賞2着)も該当しており、このパターンは注目しておきたい。
他では4・5戦の馬が2勝ずつ。3着以内馬はすべて2~6戦の馬だった。
表3は前走着順別成績。前走1着馬は18年アーモンドアイら最多の5勝をあげているものの、複勝率は17.5%。それに比べ、前走2着馬は複勝率21.4%、前走3着馬は同27.3%で前走1着馬を上回っている点はチェックしておきたい。
前走1着馬の前走レースを見ていくと、阪神JF組は21年ソダシ、昨年のリバティアイランドが勝利し、14年レッドリヴェール2着で連対率100%。これら阪神JF1着からの直行組は信頼度が高い。他ではチューリップ賞組がG3時は複勝率75.0%と高かったものの、G2に昇格した18年以降は2着1回のみ。クイーンC・フェアリーS勝ち馬はそれぞれ3着1回のみ。フィリーズR勝ち馬に至っては11頭すべて4着以下に敗れている。
表4は前走から騎手が継続騎乗か乗り替わりかによる成績比較。継続騎乗の馬が20年デアリングタクトら7勝をあげており、勝率・連対率・複勝率ともに乗り替わりの馬を上回っている。継続騎乗の馬の前走クラス別成績では、前走G1組が昨年のリバティアイランドら3勝をあげ、連対率・複勝率とも62.5%と非常に高い。この組の連対馬5頭はいずれも前走G1で3着以内に入っていた。
前走G3組の3勝はいずれもG3時のチューリップ賞組、オープン特別組は20年デアリングタクト(前走エルフィンS)が勝利している。
【結論】
(表5は4/3時点)
桜花賞の注目馬は表5のとおり。
阪神JFから直行となるアスコリピチェーノを素直に信頼したい。阪神JFの勝ち時計は過去10年で最速、レベルが高いレースだった。表3で示したように阪神JF勝ちからの直行は連対率100%と崩れていない。キャリア3戦で前走阪神も強調材料で、前走から継続で北村宏司騎手が騎乗予定。死角らしい死角は見当たらず、最も勝利に近い存在とみる。
相手筆頭は阪神JFでアスコリピチェーノにクビ差まで迫ったステレンボッシュだが、今回はルメール騎手からの乗り替わりが不安材料。能力的には阪神JF上位2頭による再度のワンツーがあっておかしくない。
穴候補としては前走チューリップ賞組のセキトバイーストとハワイアンティアレの2頭を挙げておきたい。セキトバイーストの前走は前半1000m57秒7のハイペースで逃げて2着。逃げ馬有利の馬場状態ならばチャンスだ。ハワイアンティアレはキャリア3戦で前走阪神組と表2で示した好走パターンに合っており、狙って面白い一頭だ。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
関連記事
注意事項
結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
本サイトのページ上に掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社NTTドコモおよび情報提供者は一切の責任を負いかねます。