JRA-VANコラム
【エルムS×過去データ分析】マリーンSかG1/Jpn1の好走馬に注目
今週は札幌競馬場でエルムS、新潟競馬場でレパードSが行われる。JRAでは毎週重賞が組まれているが、年間で唯一、ダートの重賞だけが行われる週となっている。今回はエルムSに注目してデータを分析。いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
函館ダート1700mで行われた2021年を除く、過去10年のエルムSの年齢別成績を調べたところ、4歳と5歳の成績がほぼ互角かつ優秀だった。それぞれ勝率は約15%、連対率は約25%、複勝率は約30%。単勝・複勝の回収値は100を超えていた。6歳は好走率がガクンと下がり、7歳以上は未勝利かつ複勝率はわずか8.3%だった。
続いて前走レース別成績を調べたところ、マリーンS【6.2.2.32】が出走頭数・好走馬数ともに最も多かった。さらに同レースの着順別成績を調べると、1着【2.1.0.4】、2着【2.1.0.3】、3着【2.0.0.3】、4着以下【0.0.2.22】だった。つまりマリーンSで3着以内だと【6.2.0.10】、勝率33.3%、連対率・複勝率44.4%とさらに成績が良くなった。
その他では平安S【1.2.1.4】やプロキオンS【0.2.0.7】、アンタレスS【0.1.1.7】といった比較的近い時期に行われたJRAダート重賞組の成績が良かった。また、前走3勝クラス【1.1.0.5】も好成績。16年にリッカルドが7番人気1着、23年にワールドタキオンが4番人気2着と好走している。
表3ではダートG1/Jpn1(2歳・3歳限定戦除く)好走実績に注目し、過去だけでなく未来の実績も記載して好走馬をまとめた。14年1着ローマンレジェンドは12年東京大賞典1着、15年2着グレープブランデーは13年フェブラリーS1着の実績があった格上馬だった。一方、14年3着インカンテーションは15年のフェブラリーSで2着、23年1着セキフウは24年のフェブラリーSで3着と、本競走を経て後のG1で好走した。このように本競走を境にし、過去や未来のG1/Jpn1で好走した馬が多かった。本競走は夏のローカルのG3という位置づけのレースだが、出走馬のレベルが高く、秋の大きなレースにもつながると言える。
【結論】
まずはマリーンS好走馬
今年のエルムSはフルゲート14頭に対して18頭の登録(7/29時点)があり、いいメンバーが揃うレースとなりそうだ。まず何はともあれ前走マリーンS組に注目。同レースで3着以内に入ったナチュラルハイ、サンテックス、テーオードレフォンが有力。ナチュラルハイとサンテックスは今回が重賞初挑戦だが、ともに4歳と若く、これから活躍が期待される馬だ。
今年のフェブラリーS上位人気馬が巻き返している
過去にダートG1/Jpn1(2歳・3歳限定戦除く)で好走実績があるのは、ドゥラエレーデ(23年チャンピオンズC3着など)とペイシャエス(22年JBCクラシック3着)。未来のG1/Jpn1好走馬の予測は難しいので、今回はこの2頭が有力と見たい。中でもドゥラエレーデにはさらに後押しできる材料がある。
表4は24年のフェブラリーSで5番人気以内に支持された馬の結果と、その後の主な成績を記したもの。今年のフェブラリーSは11番人気ペプチドナイルが勝利した一方で、上位人気勢は1番人気オメガギネスが14着に敗れるなど散々な結果だったが、次走か2走後にしっかりと巻き返している。例えば、オメガギネスは先日の三宮Sを7馬身差で圧勝。キングスソードとウィルソンテソーロは帝王賞でワン・ツー決着を果たした。したがって、ドゥラエレーデもG3のここでは負けられず、巻き返し濃厚とみたい。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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