JRA-VANコラム
【アルゼンチン共和国杯×過去データ分析】ハンデと前走を入念に確認!
今週末の中央競馬は秋のG1シリーズの中休み。とはいえ、土日で計4つの重賞が組まれ、G1ウィークより忙しいくらいかもしれない。その4レースの中から日曜東京のアルゼンチン共和国杯をピックアップし、過去10年のデータ分析を行なっていく。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
年齢別成績では、若い馬ほど有利という傾向が明らかだ。特に3歳は有望だが、今年は登録がなかった。となると、過去10年で6勝を挙げ、好走率も優秀な4歳に目がいくところだろう。
前走に比べて斤量が減った馬、増減なしの馬、斤量が増えた馬のいずれを狙うべきなのだろうか。表2を見ると、斤量「今回減」の馬が、過去10年の1~3着馬延べ31頭(※23年が3着同着だったため)のうち21頭を占める。好走率でも「増減なし」や「今回増」より高い数値を記録し、基本的には「今回減」が有利とみてよさそうだ。
斤量「今回減」に限ったデータを掘り下げていきたい。表3は前走クラス別の成績。「前走G1で今回減」は有望だが、今年は前走G1出走の登録馬がいない。となると、複勝率40%を超える「前走3勝クラスで今回減」が視野に入ってくる。そして、ほかのパターンだと複勝率20%に満たない。好走例の多い「今回減」でも、前走クラスによって好走率に大きな差があることを押さえておきたい。
斤量「今回減」と前走クラスに関するデータを、もう一歩踏み込んでいきたい。前項で優秀な成績を残していることを確認した「前走3勝クラスで今回減」の場合、好走例は「前走1~3着」に限られる。一方、表3ではあまり有利に見えない「前走オープン特別(リステッドを含む)で今回減」も「前走1~3番人気」に絞れば【0.2.1.2】と、だいぶ景色が変わってくる。また、「前走G2で今回減」の好走例が「前走1~9着」に限られることもチェックしておきたい。
表2の通り、斤量「増減なし」は複勝率15.1%にとどまる。とはいえ、1~3着馬8頭は少ない数ではなく、無視はできない。このケースでも前走がひとつの基準となり、「前走G2で増減なし」かつ「前走1~9着」なら複勝率36.4%と侮れない。また、「前走オープン特別(リステッドを含む)・G3で増減なし」の場合は「前走1~5着」に好走例が限られる。それでも複勝率20%に満たないが、狙うとすればここだろう。
【結論】
前走3勝クラスで好走し、斤量減の4歳馬タイセイフェリーク
今年の登録馬16頭のうち、好走例の多い斤量「今回減」は5頭。表4の好走条件に合致するのは「前走3勝クラスで1~3着」のタイセイフェリーク、「前走オープン特別(リステッドを含む)で1~3番人気」のアドマイヤハレー、「前走G2で1~9着」のメイショウブレゲ。この3頭の中でも、好走率の高い4歳馬でもあるタイセイフェリークは注目の存在だ。
斤量「増減なし」も5頭が登録。表5の好走条件に合致するのは、「前走G2で1~9着」のマイネルウィルトス。また、「前走オープン特別(リステッドを含む)で1~5着」にも好走例があり、該当するのはハヤヤッコとマイネルメモリーである。ただし、この3頭のうちマイネルウィルトスとハヤヤッコは8歳の年齢が気がかりで、今回のデータ分析からは4歳のマイネルメモリーを重視したい。
最後に斤量「今回増」だが、複勝率10%に満たないのは表2のとおり。ただ、「今回減」と「増減なし」の好データ馬が少ないことから、チェックはしておきたい。過去10年、斤量「今回増」で好走した2頭はいずれも「前走G2で1~5番人気」で、これに該当する登録馬はクロミナンス、サヴォーナ、ミクソロジーの3頭である。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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