JRA-VANコラム
【阪神JF × 過去データ分析】前走1番人気の重賞組に注目!
今週は2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ(以下阪神JF)。このレースが京都で代替されるのは「阪神3歳S」として行われていた1990年(優勝馬イブキマイカグラ)以来となる。34年ぶりに京都で行われるこの一戦を制するのはどの馬か。JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して過去の傾向から分析してみよう。
過去10年の人気別では、1番人気が【5.0.0.5】と勝率は50.0%と高い一方で、勝てなければ馬券圏外という両極端。2~4番人気は複勝率が60.0~50.0%と優秀で、3連複の軸なら1番人気よりこちらに妙味がある。優勝馬はすべて5番人気以内。また、6番人気以下で好走した6頭中5頭は近5年から出ているため、近年の傾向を重視するならこの表から受ける印象よりも穴っぽい馬を狙ったほうが良さそうだ。
表2はキャリア別の成績で、便宜上取消・除外も1戦にカウントしている。優勝馬全10頭を含む好走馬30頭中27頭はキャリア2~3戦。新馬戦を勝ち上がったばかりの馬が苦しい一方で、多くのレースに出走してきた馬がG1の大舞台でその経験を生かすというようなパターンも期待できないので注意したい。
前走クラス別では中央のG3に出走していた馬が【8.3.7.61】と非常に多く好走しており、複勝率も22.8%と上々。そして前走中央G2組は好走3頭ながら複勝率33.3%で、この前走JRA重賞組だけで好走馬30頭中21頭を占める。前走1勝クラス(500万条件)からの優勝馬は10年前のショウナンアデラ、オープン特別からの優勝馬は8年前のソウルスターリングで、ここ7年は重賞組からしか勝ち馬は出ていない。
好走馬が多かった前走重賞組について、前走人気と前走着順別の成績を調べたのが表4である。前走1番人気馬、前走1着馬の優勝・好走が多いが、前走1番人気馬は複勝率47.6%、前走1着馬は同37.0%と、前走1番人気馬のほうがより安定している。
また、前走4着以下だった馬は2頭しか好走がないため目安は3着以内。レース別にみると、京王杯2歳S3着以内馬が複勝率100%だが今年は不在で、その他ではアルテミスS連対馬が【5.2.2.7】複勝率56.3%と好相性。前走人気はひと桁でさえあれば問題ない。
前走が中央のオープン特別以下だった馬は、好走した9頭すべてが前走1着だった。ただ、この条件に合致する馬を合計すると【2.6.1.58】と凡走馬も多い。連対率100%(9頭すべて)、2連勝中(9頭中7頭)といったあたりでさらに絞り込む必要がありそうだ。
なお、表は割愛したが重賞組も含め前走の3コーナーを先頭で通過した馬は【1.0.0.21】で、2015年に1番人気で優勝したメジャーエンブレム以外はすべて馬券圏外に敗退している。よほどの馬でなければ「前走逃げ」は減点材料と考えたい。
【結論】
コートアリシアンとブラウンラチェットに注目!
今年の阪神JFにはアメリカ馬・メイデイレディの参戦もあるが、本競走どころかJRAの2歳戦に外国馬が出走することすら初めてで、データ以外の要素から取捨を決めたほうが良さそうだ。日本馬と同じデータに当てはめるならば、キャリア4戦という点は大きなマイナス材料になる。
日本馬のうち、前走が重賞で1番人気(表3、4)だったのはカワキタマナレア、コートアリシアン、ランフォーヴァウの3頭で、カワキタマナレアは前走5着が難点。ランフォーヴァウは前走デイリー杯2歳S組が【0.0.0.3】という点にやや不安が残り、この3頭ではコートアリシアンが最有力。勝ち馬が出ていて複勝率も高い4番人気以内の支持を受ける可能性も高そうだ。
表4本文で記したアルテミスS連対馬では、同レースで逃げて2着のミストレスよりも好位から差し切ったブラウンラチェットに注目。その他では前記のランフォーヴァウのほか、重賞組ならアルマヴェローチェやダンツエラン、オープン特別以下ならジャルディニエやビップデイジーを挙げたい。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
関連記事
注意事項
結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
本サイトのページ上に掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社NTTドコモおよび情報提供者は一切の責任を負いかねます。