JRA-VANコラム
【根岸S × 過去データ分析】前走上位人気で連対した馬に注目!

1年のうちでもっとも寒い時期を迎えているが、中央競馬では早くもG1へ向けたステップレースがスタート。今週は東京競馬場でフェブラリーSの前哨戦・根岸S、京都競馬場では高松宮記念の前哨戦・シルクロードSが行われる。今回は2月末の「本番」に近い根岸Sについて、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して分析したい。

過去10年、1番人気が【6.2.0.2】で勝率60.0%、連対率・複勝率80.0%をマーク。2番人気も複勝率70.0%の好成績だ。3、4、6番人気は同30.0~40.0%で、3着以内の好走馬30頭中26頭は6番人気以内に収まっている。7番人気以下の馬が同一年に複数好走したことはない。

年齢別では4歳が複勝率38.9%でトップ。5歳が最多の4勝、6歳も複勝率は22.5%と上々で、優勝馬はすべて6歳以下。この4~6歳馬が中心になる。ただ勝ち馬不在とはいえ、7番人気以下の好走馬4頭はすべて8歳から出ているため、穴を狙うなら8歳馬への注目は欠かせない。

表3は前走からのレース間隔別の成績である(便宜上、表3以降は競走除外も前走扱いとする)。中3週以下だった馬は計【0.0.2.35】と連対がなく、3着馬も2頭のみ。前走から中4週以上半年未満だった馬に好走馬が集中している。根岸Sは1月末から2月初旬に行われているため、年明け初戦の馬が狙いだ。

前走はJRAのオープン・重賞だった馬が計【8.9.10.97】と好走馬の大半を占め複勝率21.8%。対してダートグレード競走を中心とした地方競馬のレースに出走していた馬は【1.1.0.24】同7.7%にとどまる。この組で好走した2頭は前走で1番人気に支持されて連対していた。なお、今年は前走3勝クラス出走馬の登録はなかった。

表4で好走馬の多かった前走JRAのオープン・重賞組について、前走がダート戦だった馬にかぎって前走人気・前走着順別成績を調べたのが表5である。前走1~2番人気馬や前走1~2着馬の成績が良く、そのどちらも満たす「1~2番人気で連対」してきた馬は【4.5.3.3】複勝率80.0%と信頼性は抜群だ。
なお、2022年以降にかぎると好走馬9頭中8頭が前走2番人気以内で、同じく8頭が前走で連対していた。前走がJRAダートのオープン・重賞ではなかったとしても、前走「1~2番人気で連対」は重要なチェックポイントになっている。
【結論】
前走霜月S1番人気1着のロードフォンスが最有力!
表5本文で記したように、根岸Sは前走でJRAダートのオープン・重賞に出走し「1~2番人気で連対」してきた馬の信頼性が高い。今年の登録馬ではバトゥーキ、フリームファクシ、そしてロードフォンスの3頭が該当する。しかしバトゥーキは本稿執筆時点では除外対象で、フリームファクシは年明けのすばるSから中2週と間隔が詰まっている(表3)。よって、前走の霜月S(11月)を1番人気で勝ってきたロードフォンスが最有力だ。2022年には本馬と同じく前走霜月S1番人気1着のヘリオスが4番人気で2着に入っている。フリームファクシはレース間隔こそ不安だが、単に「前走1~2番人気で連対」というだけでもプラス評価は可能で(表5本文)、2番人気以内に推される可能性がかなり高そうな点も好材料になる(表1)。
その他では年明け初戦馬のうち、前走が中央で1~2着だったアルファマムやアームズレイン、クロジシジョー、前走中央で2番人気だったサンライズフレイムあたりが候補。穴狙いなら8歳のメイショウテンスイ(ベルダーイメルは除外対象、タガノビューティーは6番人気以内か)や、前走が芝ではあるが「1~2番人気で連対」は満たすバルサムノートがおもしろそうだ。なお、前走が海外(BCスプリント)だったドンフランキーはデータ以外の要素から取捨を考えたい。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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