JRA-VANコラム
【皐月賞×過去データ分析】過去の出走レース数から有力馬をあぶり出す!

近年の皐月賞では、わずかなキャリアしか持たない馬が好走を果たすケースが当たり前になってきた。そこで今回は、皐月賞までに消化したレース数に着目し、過去10年のデータから有力と思われる馬をあぶり出していきたい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年の皐月賞馬はキャリア2~5戦のいずれかに当てはまり、2~3着馬もこの範囲が大半を占める。勝率・連対率はキャリア2戦、複勝率はキャリア3戦がトップで、好走率ではキャリア2~3戦が優位に立つ。とはいえ、キャリア4~5戦も計5勝、1~3着17回をマークしており、数としては負けていない。やはり、キャリアに応じた好走パターンを見出す必要がありそうだ。

キャリア2戦で皐月賞に出走した13頭のうち、前走を0秒2差以上で勝っていた6頭は【2.1.0.3】と半分が連対を果たしている。さらに「前走を0秒2差以上で勝ち、騎手が継続騎乗」したキャリア2戦の3頭は【2.1.0.0】とオール連対を記録。具体的には、22年2着のイクイノックス、23年1着のソールオリエンス、24年1着のジャスティンミラノの3頭である。

キャリア3戦の場合、前走G1で1着だった馬【2.2.0.1】と連対率は8割に達する。また、前走G2・G3で1着だった馬も【1.2.2.6】となかなか有力だ。一方、前走G1、前走G2・G3のどちらも2着以下に敗れていた馬が皐月賞で好走した例はない。また、前走が重賞以外だった馬の好走例もない。つまり、キャリア3戦馬は前走重賞1着が好走条件ということになる。

キャリア4~5戦の場合は馬体重に着目したい。当日馬体重が459キロ以下だった馬は【0.0.0.11】と好走例がなく、最低でも460キロ、できれば480キロは欲しい。ただし、馬格はあったほうがいいが、当日の馬体重が前走よりプラスだと【0.0.1.28】と苦戦しており、当日は増減なしかマイナスで出走したい。
当日人気の傾向も興味深い。当日1~2番人気に推されると【0.0.2.6】、10番人気以下も【0.0.1.43】と連対例がない。その中間にあたる3~9番人気の数字は良好で、キャリア4~5戦で皐月賞を勝った5頭もすべて含まれる。

最後に、距離実績に関するデータを見ておきたい。注目したいのが「芝1600mで1着」の実績を持つ馬が好成績を収めていること。複勝率や複勝回収値を見ても、マイラーだと思って軽視すると痛い目に遭いかねないようだ。
距離経験に関しては、「芝2000m以上未出走」でも極端に成績が落ちることはない。「芝1800m以上未出走」は3頭のみだが、20年に朝日杯FS1着以来だったサリオスが2着に入った例がある。このデータを見る限り、皐月賞までに距離経験がなくても、過剰に不安視する必要はないのではないか。むしろ、「芝1800m以下未出走」だと好走例がなく、芝2000m以上ばかりを走ってきた馬は皐月賞に向かないという様子が見て取れる。
【結論】
距離経験がなくてもカヴァレリッツォ
今年の皐月賞でキャリア2戦馬の登録はアスクイキゴミのみ。この場合、前走を0秒2差以上で勝っておきたいが、前走チャーチルダウンズC1着時のタイム差が0秒1で条件を満たせなかった。ただし、同馬は出走回避のようだ。
キャリア3戦馬のうち、前走G1で1着のカヴァレリッツォは複勝率8割のデータに合致。芝1600mまでしか距離経験がないことも大きな減点材料とはならない。そのほか、前走G2・G3で1着だったパントルナイーフ、バステール、グリーンエナジー、アルトラムスも有力。この4頭では、芝1600mで1着の実績を持つアルトラムスには特に注目したい。
キャリア4~5戦馬は8頭いる。そのうち、前走時の馬体重が480キロ以上あったアドマイヤクワッズ、マテンロウゲイル、リアライズシリウスの3頭をここでは挙げておこう。もちろん、当日の馬体重が前走よりプラスでないことや、3~9番人気に収まっていることのチェックは欠かせない。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。
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