展望
2頭のダービー馬など豪華メンバーが集結!スワーヴリチャードは得意の距離で勝利なるか
2018年10月23日 10:55配信
今年の天皇賞秋は豪華メンバーとなった。それだけに戴冠のチャンスがある馬の数も多く、競馬ファンにとっては難解ながら楽しみな一戦になりそうだ。
春に同距離のG1・大阪杯を制したスワーヴリチャードはステップレースを使わず、ぶっつけでここに使う形を選んできた。ただ昨年もダービー→アルゼンチン共和国杯という形で使って後者を圧勝しており、休み明けのリスクはあまり感じられない。阪神で初G1を奪取する形にはなったが、もともと東京コースがベストと思われていた馬。安田記念の1600mはさすがに少し短かったが、2000mなら十分。ここだけでなく、3週間後のジャパンカップでも有力になってきそうな馬だ。
ダービー馬が3頭出走するというのが今年の大きな話題になるはずだったのだが、ワグネリアンが回避となったのは残念。それでもまだ2頭のダービー馬がいるのだから贅沢だ。
4歳世代のダービー馬レイデオロは持続力勝負を得意とするタイプ。差しに回って一瞬の脚を問われると分が悪いので、ある程度積極的な位置取りをするか、早めにレースの流れが動くように仕掛けるか。ジョッキーの戦略が楽しみだ。東京コースは3回走って1,1,2着。展開さえ向いてくれば勝ち負けに絡むはずの実力馬である。
5歳世代のダービー馬マカヒキは、一時の不振や怪我を乗り越えて復調してきた。3歳時にはレイデオロと対照的な瞬発力タイプで、上がりの速いレースを得意としていた。しかし前走の札幌記念では前半が速くて持続力・持久力を問われる競馬で2着と好走している。もし以前の長所が失われないまま適性の幅が広がっているのだとしたら、ここでは展開にかかわらず良いレースを見せてくれるはずだ。
サングレーザーはデビュー5戦目以降ずっと1600m以下のレースを使われていたが、前走札幌記念で2000mを使うと見事にこれを克服した。古馬になって道中の折り合いにも進歩が見られ、こちらも対応力の幅が広がった印象だ。東京芝2000mはもともと内枠有利のコースだが、この馬は馬群に入れて折り合いをつけるためにも内枠が欲しい。
昨年の皐月賞馬アルアインは、タイプとしてはレイデオロに近い持続力型。今回は積極的な逃げ馬がいないのでこの馬に有利な流れにはなりづらいかもしれないが、ひとたび展開が向けば激走の可能性は十分。同じ距離のG1を勝っているわりには注目度が下がっているので、ここで存在感を示してほしいところだ。
G1ホースということでは、宝塚記念で穴をあけたミッキーロケットも参戦。昨年の天皇賞秋は12着だったが、当時は不良馬場だったしこの馬自身も地力強化している。豪華メンバーでも上位を狙いたい一戦だ。
text by 須田 鷹雄