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昨年の覇者ラッキーライラックが連覇を狙う。大阪杯で牡馬のトップクラス相手でも戦えるところを示したあとは連敗となってしまったが、宝塚記念のほうはあまりに馬場が合わなかった印象。良馬場ならば結果は違っただろう。昨年は4角8番手から上がり最速の競馬で勝利したが、最近は好位からの競馬をしている。それが可能となる自在性を持っているのは強みだ。阪神芝2200mで行われることも大きなマイナスになるとは思えず、やはりこの馬が主役であることは間違いない。

昨年3着のラヴズオンリーユーは巻き返しを狙う。デビューからオークスまで4連勝だった馬だけに、その後の成績は物足りない。ただヴィクトリアマイルはドバイシーマクラシックが中止になった末に出走したもので明らかに距離不足だったし、府中牝馬Sもやや距離不足のうえに馬場状態にも泣かされた。もともとスタミナに優れたタイプだけに、本番での距離延長はもちろんプラス材料。あとは他の馬がバテてしまうような厳しい流れが欲しいところだ。

ノームコアは札幌記念でラッキーライラックを負かしての参戦。エリザベス女王杯は一昨年出走して2番人気5着。成績だけを見ると時計・上がりタイムのマイル戦がベストのようにも思えるが、能力の絶対値が高いことは間違いない。この馬の末脚が生きる展開になれば上位争いも可能だ。

3歳馬の存在も軽視できない。リアアメリアは秋華賞で13着と大敗。しかしもともとは阪神JFで1番人気になったような馬だし、ローズS勝ち馬でもあって世代上位の存在であることは間違いない。秋華賞というレースはもともと差し競馬になりやすい傾向があるが、今年は時に先行した馬には厳しいレースだった。おそらく今回も前に行くとは思うので、内回りコースを生かせれば古馬を脅かす存在にもなりうる。同じことはオークス2着馬のウインマリリンにも言えることだ。

センテリュオではオールカマーでカレンブーケドールを下してきた。昨年のエリザベス女王杯では3着ラヴズオンリーユーからクビ差の4着。臨戦過程については今年のほうが圧倒的に良いので、ラヴズオンリーユーとの立場逆転や、あるいはそれ以上の結果も望みうる。ただ、内回りコースゆえの差し遅れがないかは少し気になるところだ。

サラキアは小倉日経オープン→府中牝馬Sを連勝しての参戦。ただ府中牝馬Sは道悪かつ大波乱のレースであり、どこまで参考にしてよいものか判断に苦しむ。血統的なポテンシャルは高い馬だし脚質に自在性もあるが、Ｇ1レべルで戦えるかどうかはまだ微妙なところなのではないかと思う。

text by 須田 鷹雄