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今年のマイルCSは登録時点で17頭とフルゲートを割れているのだが、メンバーとしては一線級が揃った。

注目はやはりグランアレグリアだろう。前走のスプリンターズＳは差し馬に有利な競馬だったとはいえ、圧巻の強さ。それを見たうえで振り返ってみると、安田記念でアーモンドアイを負かしたことは、単にこの馬が強かったからだという可能性もある。とにかく終いの脚がキレる馬で、どの競馬場でもそれは変わらないし、阪神コースも成績が示す通り不安材料にはならない。

サリオスはこれまでコントレイルにしか負けていないということで、これも人気を集めそう。やはりマイル戦がベストなのだろうし、古馬相手に毎日王冠を勝ってきたのは評価できる。ただ、その毎日王冠に比べると今回は相手関係がぐっと強化される。グランアレグリアに比べると、まだクリアしなければいけない課題が残っているようにも思える。

インディチャンプはディフェンディングチャンビオンであるにも関わらず、前述2頭の陰に隠れる感じになってしまった。ただマイルでは底を見せていないし、使ってくる以上はデキの不安もないはず。ひとつだけマイナスなのは阪神施行で、阪神がダメというよりは京都が向く馬だけに、今年の条件変更はやや痛い。

アドマイヤマーズはスワンＳで3着と好走。昨年は富士Ｓで1番人気9着と人気を裏切ったあと、香港マイルで優勝した。今年は向かうレースが異なるが、プレップレースから走るというよりは目標レースでこそ真価を発揮するタイプ。今年は他に強い馬がいるので楽な競馬にはならないだろうが、この馬もタイトルホースだけに善戦は可能。好位で競馬をするタイプでグランアレグリアとは位置取りが違うだけに、展開次第ではきわどい勝負になってもおかしくない。

今年はＮＨＫマイルＣの1，2着馬もこのレースに駒を進めてきた。ラウダシオンは富士Ｓで2着し人気薄で勝ったＮＨＫマイルＣがフロックではなかったことを示した。ただ、ＮＨＫマイルＣの優勝馬は秋初戦あたりまではよいのだが、そのあと苦労することも多い。朝日杯ＦＳの結果を考えると、サリオスに先着するのはなかなか大変でもある。となると、ＮＨＫマイルＣで2着だったレシステンシアも、ここでは楽な競馬をさせてもらえない可能性が高い。

サウンドキアラはスワンＳで1番人気を10着と大きく裏切った。ただ1400mより1600mのほうがよさそうだし、着差は0.5秒。本番では強い相手がいるので勝ち負けに絡むのは大変だが、スワンＳよりは内容を良化させてきそうだ。

text by 須田 鷹雄