展望
朝日杯FS覇者グレナディアガーズ中心、ニュージーランド組の注目馬は?
2021年9月7日 09:40配信
朝日杯フューチュリティステークスの覇者・グレナディアガーズが2つめのタイトルを目指す。ファルコンステークスでは2着に敗れたが、勝ち馬より1キロ重い57キロを背負いアタマ差まで追い詰めた内容は前哨戦としては上々。本番では状態面での上積みもあるだろう。左回りの不安を払拭したうえで距離が1600mに戻ることもプラス要素だし、強調材料が多い。
ニュージーランドトロフィーを勝って臨むのがバスラットレオン。朝日杯4着の身ながら1勝クラスからの出直しとなったが、むしろそこでの勝利が勢いに繋がり、G2での5馬身差完勝となった。東京芝1600mのG1を逃げ切るのは簡単なことではないが、あれだけの着差をつけてきた馬なら可能かもしれない。
一方、例年のパターンとしてニュージーランド組は勝ってきた馬より惜敗組が本番で結果を出すことが多い。同レース2着のタイムトゥヘヴンは母が2006年の桜花賞馬キストゥヘヴン。繁殖入り後なかなか産駒が走らなかったが、ついにオープン級を出してきた。1着は未勝利戦だけという身なので簡単な戦いではないが、展開次第では浮上もある。
シュネルマイスターは弥生賞2着で皐月賞の出走権を得ていたが、そちらには向かわずNHKマイルカップに向かってきた。母は距離をこなしていた馬だが父が欧州のチャンピオンマイラー・キングマン。G1レベルで戦うとなるとやはり1600mのほうが心強い。まだ良馬場しか走ったことのない馬だが、血統的には道悪になったときの浮上もありそうだ。
ホウオウアマゾンも道悪は歓迎のタイプ。未勝利戦と前走のアーリントンカップがともに重馬場だった。朝日杯は9着で当時先着された馬が今回3頭登録していることを考えるとなかなか厳しい面もあるが、自身もデビュー前は牧場で高い評価を得ていた馬。崩れたのは朝日杯だけだし、侮ってよい馬ではない。鋭い差し脚を使えるタイプではないので、まずは好位を取りたいところだ。
ピクシーナイトはこの世代が初年度となるモーリスの産駒。デビューから2戦は差し、そのあと2戦は逃げと対照的な戦法で戦ってきた。アーリントンカップで4着と敗れたために人気は落としそうだが、重馬場が敗因だとすれば巻き返しのチャンスはある。シンザン記念ではバスラットレオンに先着している馬ということを忘れてはならない。
アナザーリリックはアネモネ賞1着で桜花賞の出走権を取ったが、そちらへは向かわずNHKマイルカップへ。新潟でのデビュー戦で新馬らしからぬ差し脚を見せた馬だし、はじめての東京コースはむしろプラス要素となりそう。今回は逃げ・先行タイプの有力馬が多く、互いに負荷をかけあって前崩れの形になればこの馬の出番がある。
text by 須田鷹雄