展望
前走重賞勝ち馬のガストリック、グリューネグリーンに注目
2022年12月26日 09:44配信
今年のホープフルSは前走重賞勝ち馬が2頭いるが、そのうちの1頭、ガストリックは特に注目を集めそうだ。新馬戦、東京スポーツ杯2歳Sではともに後方から強烈な差し脚を披露。中山競馬場に舞台がかわっても同じパフォーマンスを披露できるかだけが課題だが、能力の高さは間違いのないところだ。
もう1頭の前走重賞勝ち馬グリューネグリーンは5番人気での優勝、しかも展開を味方につけての逃げ切り勝ちだったことで今回の下馬評はあまり高くないようだ。ただ、前に行ける脚質というのは常に有効な武器。自分のペースを作れれば再度の好走も可能になる。
ミッキーカプチーノは新馬戦と1勝クラスの葉牡丹賞を連勝。新馬戦ではグリューネグリーンを負かしている。葉牡丹賞は今回と同じ中山芝2000mだけに他馬よりも経験値の面で有利。スタミナに余裕はありそうなので、前半からずっとペースが落ちずにスタミナと持続力の勝負になると有利な立場に立てる。
ハーツコンチェルトは中京の新派戦で8馬身差の圧勝劇を演じ、1戦でダービー候補とまで呼ばれるようになった。道中積極的に位置を押し上げながらも、上がり3ハロンのタイムで次位の馬に1.6秒差をつけたほど、決め手に優れている。圧倒的な人気を集めた東京スポーツ杯2歳Sではスタートで出遅れ3着に終わったが、上がり最速はマーク。スタートさえ五分以上なら、一気にGIタイトルにも手が届きうる。
ファントムシーフは新馬戦とオープン特別の野路菊Sを連勝してきた。ともに道中2~3番手につけながら上がり最速をマークする余裕のある内容。血統的には瞬発力というよりは持続力型でスタミナタイプに見えるのだが、この馬自身はスローベースからの上がり勝負にも対応できそうだ。
キングズレインは母が2015年のローズS勝ち馬タッチングスピーチ。新馬戦は取りこぼしたがそのあと連勝でここに駒を進めてきた。この馬はどちらかというと持続力タイプなので、なるべく良い位置を取ってしぶとく粘り込みたい。
セレンディピティは2戦1勝でここを走ってみないと真価は分からないのだが、活躍馬の多いバレークイーン~グレースアドマイヤの母系が魅力。近親には2007年の皐月賞で逃げ切り勝ちを収めたヴィクトリーもいる。この馬は逃げ馬ではないが、同じコースということで一発を期待するファンも少なくないようだ。
フェイトは春の牧場取材でかなり高い評価を与えられていた馬。新馬戦を勝ったあと東京スポーツ杯で5着と敗れており今回勝ち負けに絡むのは厳しいかもしれないが、来年に繋がる内容の競馬を期待したい。
text by 須田 鷹雄