展望
絶対的な存在がいない分、多くの馬にチャンスあり!
2024年2月13日 12:38配信
サウジやドバイに影響を受けて、出走メンバーの層は正直薄くなってしまった感がある今年のフェブラリーS。絶対的な存在がいないので、そのぶん多くの馬に優勝や好走のチャンスはありそうだ。
東海ステークスからは勝ったウィリアムバローズが回避し、2着オメガギネスが当時の最先着馬として出走してくる。明け4歳でパーフェクト連対を維持している馬なので、その安定味に期待しているファンも多いだろう。東京ダート1600mで勝っている点も魅力。好位に行く脚がある一方で終いもしっかりしているし、相手関係が楽なここで一気にG1のタイトルを獲得したいところだ。
ウィルソンテソーロはチャンピオンズカップ、東京大賞典と大レースで連続2着。前者では後ろから、後者では逃げての好走を果たしており、地力に加えて自在性の魅力も出てきている。東京ダート1600mは条件馬時代以来だし正直なところ距離不足だろうが、1500mのかきつばた賞でも勝っているし能力で克服できる可能性も高い。
ドゥラエレーデもチャンピオンズカップ→東京大賞典からの参戦。こちらは3着→3着だったのでウィルソンテソーロより一枚下に見えてしまうが、この距離だとどちらが先着するかはやってみないと分からない。芝にもダートにも使われている馬だがダートではここまですべて3着以内。ホープフルS以来のタイトルも夢ではない。
キングズソードは昨年のJBCクラシック勝ち馬。マイル以下の経験はキャリア中1回のみでしかも大敗。通常の年だと不利になるところだが、今年は有力馬が揃って1800~2000mタイプなので、不利にはならない可能性がある。前半置かれすぎないように付いていき、直線に賭けたいところ。
レッドルゼルはかつて1200mの印象が強く1600mはやや長かったのだが、昨年のこのレースでは2着。逆に1200mでは以前ほどの末脚が使えなくなっていて、年齢とともに距離適性がやや長めにシフトしている可能性がある。明け8歳になってG1制覇というのは難しいかもしれないが、定年を迎える安田隆行調教師の花道を飾ってほしいという思いもある。
地方競馬からの参戦があるのも今年のフェブラリーSでは話題になっている。JBCスプリントで悲願のJpn1タイトルを手にしたイグナイター、ジャパンダートダービーで中央馬を撃破したミックファイア、牝馬戦線で活躍を続けるスピーディキックの3頭。今年の中央馬なら負かせない相手ではない。スタート直後の芝の部分が課題になるが、そこをこなして流れに乗れれば見せ場を作ってくれるだろう。
text by 須田 鷹雄