JRA-VANコラム
中穴狙いがベスト!? ダービー卿チャレンジトロフィーを分析
今週土曜日に中山競馬場でダービー卿チャレンジトロフィー(以下、ダービー卿CT)が行われる。古馬によるマイル重賞で、ヴィクトリアマイルや安田記念につながる一戦だ。同時にハンデ戦でもあるので上がり馬にも十分チャンスが巡ってきそうだ。いつものように過去10年のデータからレースを分析していくことにする。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まずは過去10年(阪神で行われた2011年を除く。以下同様)のダービー卿CT出走馬の脚質別成績を調べた。逃げが2勝、先行と中団がそれぞれ3勝、後方が1勝。比較的バランスが取れた分布になっている。脚質による有利・不利はあまり気にしなくてもよさそうだ。上がり3F(ハロン)1位馬の成績は【3.1.1.5】で勝率30.0%、連対率40.0%、複勝率50.0%。回収率は単・複ともに100%を超えている。上がり3ハロン1位をマークできそうな瞬発力に長けた馬には注目したい。ただ、勝率や連対率の数字そのものは良くも悪くもない印象。瞬発力が鋭い馬だけが勝ちやすいわけではなく、早めに仕掛けて押し切りたい馬にも勝機はある。
続いて過去10年の人気別成績を調べた。1~3番人気で区切ると【3.3.3.18】という成績。若干物足りない数字だろうか。上位人気馬はやや苦戦している。しかし、1~5番人気で区切った場合は【8.6.4.27】という成績。一気に好走馬が増え、勝ち馬は3頭から8頭になった。つまり、4番~5番人気馬がよく好走しているという傾向だ。
6番人気以下は【1.3.5.90】という成績。勝ち馬は1頭と少なく、2着馬も3頭と控えめ。しかし、3着馬が5頭出ている。また、10番人気以下は【0.1.0.62】という成績。意外なことに二けた人気馬の好走がほとんどない。伏兵馬は6~9番人気までに留まっており、大穴馬が突っ込んでくるケースはかなり少ない。
それに伴い配当もやや控えめになっている(表3参照)。過去10年、馬連の最高配当は2014年の9170円。万馬券が一度も出ていないのだ。3連複や3連単はそれなりに高配当が出ているものの、それでも驚くような超高配当は出ていない。かといって人気サイドで決まるわけでもない。中穴馬券が見込みやすい傾向だ。
では具体的に本命馬を探すためにはどうすればいいか。前述した1~5番人気馬の好成績に注目し、ヒントを得たいところだ。表4では前走クラス別成績を調べることにした。前走3勝(1600万)クラス成績が【4.1.0.5】と非常に優秀だった。2019年にはフィアーノロマーノ(前走ファイナルS1着)が優勝を果たすなど、4頭もの優勝馬が出ている。前走3勝クラスを勝ち上がったばかりの昇級馬はかなり有力だ。ダービー卿CTで昇級馬が5番人気以内に支持された場合、非常に期待できる本命候補になる。
その他では前走オープン特別組や前走G3組が有力。いずれも連対率は約30%ある。G2組やG1組は出走頭数そのものが少ないものの、好走率は芳しくない。全重賞でひとくくりにすると、前走条件クラスやオープン特別組よりも成績が悪くなる。
続いてダービー卿CTを6番人気以下で好走した馬たちを見ていく(表5参照)。中穴馬券を取るためには、伏兵馬を見つける際のポイントも押さえておく必要がある。19年3着(7番人気)だったマイスタイルは、同じ年の京都金杯で2着と好走していた。ところが前走小倉大賞典で10着と敗れてしまったことで、人気を落としたと考えられる。18年2着キャンベルジュニア(6番人気)は前年のダービー卿CTで2着と好走していたが、前走阪神Cで11着と敗れていた。このように近年は、過去に芝1600mの重賞で連対実績があった馬が巻き返すというパターンが定番だ。3歳限定のアーリントンCやニュージーランドT、NHKマイルCで連対実績がある馬もチェックしておきたい。
10年は7番人気のショウワモダンが優勝。同馬はその後安田記念を優勝するに至った実力馬だが、ダービー卿CT以前にはマイル重賞で好走した実績はなかった。ただ、2走前に中山記念で3着と好走していた。12年2着のオセアニアボス(10番人気)も過去の目ぼしい実績は、11年のスワンS3着ぐらいだった。このように以前はG2で善戦実績がある馬が穴を開けていた。場合によってはこの手のタイプも穴になることを覚えておきたい。
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