JRA-VANコラム
古馬マイル女王に輝く馬は? ヴィクトリアマイル分析

今週のG1は4歳以上の牝馬限定戦・ヴィクトリアマイル。その名の通り1600mで争われる一戦だ。以前はブエナビスタやアパパネといった実力馬が多く優勝していたが、ここ3年はアドマイヤリード、ジュールポレール、ノームコアと、このレースまでG1連対実績のなかった馬がタイトルを手にしている。今年はどんなタイプの馬が勝利を収めるのか。過去の傾向を見てみたい。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

過去10年、1番人気は【2.3.0.5】で連対率50.0%はまずまずだが、3着がなく複勝率も50.0%にとどまる。2~4番人気も【2.2.3.23】複勝率23.3%と今ひとつ。5~8番人気が【5.2.4.29】複勝率27.5%と上々の成績を残しており、特に近6年は【5.0.3.16】と優勝馬6頭中5頭を占めている。また、11番人気以下からも過去10年で3着以内に7頭が好走。2015年には3連単2070万馬券が飛び出すなど、なかなか平穏には収まらないレースだ。なお、単勝オッズでは13~19倍台の馬が近6年【4.0.2.4】複勝率60.0%と好成績を残しているのが目立つ。

年齢別では、4歳馬が【6.7.3.68】と3着以内馬30頭中16頭を占め、複勝率でも5歳以上の馬をややリードしている。ただ、好走馬16頭中11頭は5番人気以内と上位人気に推された馬が中心で、11番人気以下で馬券に絡んだ4歳馬はデンコウアンジュ(2017年11番人気2着)1頭しかいない。対して、5歳以上の馬は昨年3着のクロコスミア(11番人気)など、3着以内馬14頭のうち6頭が11番人気以下。大穴を狙うなら、5歳以上の馬から候補を探したい。

続いて枠番別(表3)と脚質別(表4)の成績を見てみたい。枠番別の複勝率は1、2枠がやや高くなっているが、連対率は1枠だけがひと桁と、内枠が好材料になるとは言い切れない。注目したいのは脚質別成績のほうで、まず「中団」で運んだ馬が3着以内馬30頭中15頭。加えて「後方」からも5頭が2~3着に入っており、差し・追込型の好走が多い。ただ、その「後方」は1~4枠が【0.0.1.17】、5~8枠が【0.2.2.31】と、内めの枠を引いた馬が後手にまわると苦戦が予想される。

前走別で該当馬が多いのは阪神牝馬S組で69頭。同レースが芝1400mで行われていた2015年までの6年間は【1.2.1.32】複勝率11.1%と今ひとつだったが、ヴィクトリアマイルと同距離の芝1600mになった2016年以降は【3.2.3.25】同24.2%と、明らかに成績が上向いている。その一方で、距離もコース形態も異なる中山牝馬S(中山芝1800m)組も過去10年【2.1.2.11】複勝率31.3%の好成績だ。
なお、3着以内馬の中でレース間隔がもっとも開いていた馬は、ケイアイエレガントの中15週(2015年2着、京都牝馬S以来)。中16週以上の馬は第1回(2006年)までさかのぼっても好走がなく、2007年には前年のエリザベス女王杯(1位入線12着降着)以来だったカワカミプリンセスが単勝2.1倍で10着に敗退している。

阪神牝馬S(芝1600m)組の好走馬は表6の8頭で、うち6頭は6番人気以下と穴馬の好走が多い。好走馬の前走着順は、既に本競走を制していたストレイトガール以外は2~5着。同レース1着馬は芝1400m時代も含めた過去10年【0.0.0.9】に終わっている。また、好走馬8頭中7頭は既にG1で5着以内の経験があった。残る1頭、2017年3着のジュールポレールは前走が重賞初出走で、ここがG1初挑戦。何度も重賞に出走している馬なら、G1で上位に入るくらいの実績は欲しい。

中山牝馬S組の好走馬は表7の5頭で、うち4頭は4歳馬。同レースでの着順はまちまちだが、優勝してきた2頭はその中山牝馬Sが重賞初制覇。残る3頭は前々走以前に重賞を制していた。いずれにしても、G3くらいは勝っていないと苦しいのが中山牝馬S組だ。

最後に表8は、上記2レース以外からの好走馬である。以前はこの組から多くの好走馬が出ていたが、阪神牝馬Sの距離延長後4年では好走3頭と劣勢になっている。その3頭はいずれも前走で重賞に出走して掲示板を確保。そして東京でG1を制するか、左回りの芝1600mで重賞を勝った実績があった。

【結論】
表5にあったように、近年は前走で阪神牝馬Sに出走していた馬の好走が多く、好走確率も高い。今年の同レース2~5着馬のうちG1好走実績を持つ馬(表6)は、4着・ビーチサンバと、5着・ダノンファンタジーの2頭だ。昨秋のローズSではダノンファンタジーが優勝し、2着にはビーチサンバが入ったが、ともにその後は馬券圏内好走がない。近年の本競走全体の傾向(表1)、そして前走阪神牝馬S組の傾向(表6)から、人気を落としそうな今回はちょうど良い買い時と言えるだろう。
前走で中山牝馬S(表5、7)に出走した馬はコントラチェック1頭のみ。この組の好走馬5頭中4頭を占める4歳馬だ。同レースでは控える競馬でしんがり負けを喫したものの、先手を奪えば一変があるタイプ。2走前のターコイズSなどを制し、この組の好走条件はクリアしている。その他の組(表8)では昨年の本競走2着馬で、2走前には東京新聞杯優勝とコース実績十分のプリモシーン(前走ダービー卿チャレンジT5着)がおもしろい存在だ。
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