JRA-VANコラム
キャリアと連勝実績から斬る! オークス分析
東京競馬場で牝馬クラシック第2弾のオークスが行われる。桜花賞から距離が800m延長され、牝馬限定戦では最長の芝2400mが舞台となる。昨年はデビューから3連勝で挑んだラヴズオンリーユーが無敗でのG1制覇を達成。2010年のアパパネとサンテミリオンの1着同着など名勝負も多く生まれている。今回は2010年以降のデータから特にキャリアと連勝をキーワードに馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1はオークス過去10年の人気別成績。1番人気馬が昨年のラヴズオンリーユーら近4年続けて勝利し、連対率70%・複勝率80%と高い。14年以降の近6年は連続で連対を果たしている。2番人気馬は14年ヌーヴォレコルトの1勝のみだが、複勝率は1番人気馬に次ぐ70%。以下、3番人気馬が2勝、5・7・9番人気馬が1勝ずつ。9番人気馬は13年メイショウマンボが勝利している。
2・3着馬もほぼ9番人気以内におさまっているが、昨年は2着に12番人気カレンブーケドールが激走。馬連で2万5140円の波乱となった。1番人気馬の好走は多いが、伏兵の激走も目立っており、波乱となるケースもある。
表2は単勝オッズ別成績。黄色で強調したように1~4倍台の馬がのべ【5.4.5.2】で、勝率31.3%・連対率56.3%・複勝率87.5%と非常に高い。1番人気だけでなく、2番人気も含まれており、このゾーンはレース直前まで注意しておきたい。
なお、単勝100倍以上の馬は42頭すべて馬券圏外に敗れていた。
表3はキャリア別成績。4戦の馬が一昨年のアーモンドアイら最多の4勝をあげており、勝率トップ。5戦の馬は17年ソウルスターリングら3勝をあげ、連対率・複勝率が最も高い。これら4・5戦の馬で全3着以内馬30頭中21頭を占めている。
なお、2戦の馬は3頭すべて着外に敗れており、9戦以上の馬もすべて4着以下に敗退している。
表4は前走レース別成績。出走数最多の桜花賞組が一昨年のアーモンドアイら過半数の7勝をあげている。昨年は3着クロノジェネシスが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。
忘れな草賞組は11年エリンコート、15年ミッキークイーン、昨年のラヴズオンリーユーと3勝。エリンコートは500万下・忘れな草賞と連勝、ミッキークイーンは2走前のクイーンC僅差2着で忘れな草賞勝利、ラヴズオンリーユーは忘れな草賞を含めて3連勝。優勝馬にはオークスへ向けて勢いがあった。
フローラS組は10年サンテミリオンの1勝のみで、近2年は馬券に絡んでいない。スイートピーS組は昨年カレンブーケドールが2着に好走している。
表5は桜花賞組のキャリア別成績。例年オークスでは、まず毎年3着以内馬を出している桜花賞組が中心となるのだが、今年の桜花賞組は重馬場で道悪の巧拙が成績に表れた印象がある。前走の成績よりもキャリア別成績で検討することとする。
黄色で強調した5戦の馬が一昨年のソウルスターリングら3勝をあげ、連対率31.6%・複勝率47.4%と非常に高い。近3年で5頭も3着以内に入っており、注目だ。他では4戦・6戦の馬が2勝ずつしており、桜花賞組は4~6戦の馬から勝ち馬が出ていたことになる。なお、3戦の馬、7戦以上の馬からは連対馬も出ていない。
表6は近4年の優勝馬についてオークス以前の連勝をまとめたもの。4頭すべて初勝利から3連勝以上をマークしていた。16年シンハライトと17年ソウルスターリングは前走桜花賞で敗れていたが、オークスの舞台で巻き返した。
「3連勝以上できる完成度と能力の高さ」が近年のオークスを勝つ条件といえるだろう。また、近4年の3着以内馬12頭中11頭は、初勝利の後、次のレースでも勝利をおさめていた。
表7は近5年における桜花賞組以外の前走着順別成績。2014年以前は前走2・3着からも好走馬が出ていたが、15年以降の近5年ではほぼ前走1着馬しか好走していない。桜花賞以外から進んでくる組は、前走オープン・重賞の1着馬に注目だ。
例外は16年3着ビッシュ。前走フローラSは5着に敗れていたが、その前は新馬・500万下と連勝を果たしていた。
最後に表8はオークス出走時の馬体重別成績。勝ち馬11頭はいずれも420~479キロの間におさまっていた。なかでも460~479キロの馬は13年メイショウマンボら過半数の6勝をあげ、連対率26.8%・複勝率31.7%と一際高い。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えており、馬体重発表はぜひチェックしていただきたい。
<結論>
オークスの出走予定馬は表9のとおり。
1番人気は桜花賞を制して3戦3勝のデアリングタクトだろう。デビューから3連勝でオークスに臨むのは昨年のラヴズオンリーユーと同じ。表6で示した近4年優勝馬の共通項である「3連勝以上」に該当するのもデアリングタクトだけ。勝ち切る公算は高いと見る。
スイートピーSを制して2戦2勝のデゼルが2番人気だろうが、キャリア2戦馬の好走がないのは減点材料。中2週で再度の東京遠征がどうなるかも不安が残る。
桜花賞組からはウーマンズハートとリアアメリア、2頭の巻き返しに期待したい。ともに新馬戦、マイル重賞と連勝。表6で述べた近年の好走馬の大半が初勝利から連勝という条件に当てはまる。前走は重馬場の中2ケタ着順に敗れたものの、良馬場なら一変がある。特にウーマンズハートは左回りで2戦2勝。桜花賞組のキャリア5戦馬で注目だ。
桜花賞組以外ではフローラS1着のウインマリリン、忘れな草賞1着のウインマイティー。ともに2連勝でオークスへと向かっており、好走できる条件は揃っている。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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