JRA-VANコラム
JRA今年最初の2歳重賞・函館2歳Sを分析する
今週は函館競馬場で土曜に函館2歳S、日曜に函館記念と連日重賞が組まれている。今回のデータde出~たでは、JRA今年最初の2歳重賞となる函館2歳Sをピックアップ。2015年以降・近5年のデータから馬券的な狙いどころを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1は函館2歳S近5年の3着以内馬一覧。勝ちタイムは良馬場で行われた近4年は1分9秒2~10秒0の間におさまっている。前半のペースは年によって違うものの、上がりは35秒前後でまとめている馬が好走していることがわかる。
一昨年1着アスターペガサスや昨年2着のタイセイビジョンなど4コーナー10番手以下から追い込む馬はいるものの、5番手以内からなだれ込む逃げ・先行馬が多いのも特徴だ。
そして3着以内馬の人気を見ると、1・2番人気馬はともに【2.1.0.2】で、どちらかは毎年連対している。また、一昨年を除いて10番人気以下の人気薄が激走している点にも注目。近4年はいずれも3連単6万円以上と小波乱が続いている。キャリアの浅い2歳馬が集まる重賞で不確定要素も多く、馬券的にも妙味がある一戦といえそうだ。
表2は出走馬の所属別成績。黄色で強調したように栗東所属の関西馬が全5勝をあげており、連対率・複勝率でも群を抜いている。昨年は上位3着までを占めており、近4年は3着以内に2頭以上入っている。
美浦所属の関東馬は複勝率13.9%と関西馬に差をつけられているものの、3着以内馬5頭中3頭は10番人気以下の人気薄だった。なお、地方所属馬は11頭すべて4着以下に敗れている。
表3は枠番別成績。黄色で強調したように好走馬は真ん中付近の3~6枠に集中している。なかでも3枠は複勝率60%と非常に高い。外の7・8枠は3着以内馬なし。逆に内の1・2枠も昨年1枠から逃げて勝利したビアンフェしか好走馬が出ていない。ここまで極端な傾向が出るのも珍しいが、内外ではなく、中枠の3~6枠が好相性といえる。
表4は前走距離別成績。勝ち馬はすべて前走1200m戦を使われており、今回と同じ前走函館芝1200mだった馬はのべ【5.3.4.28】。連対率20.0%・複勝率30.0%と1200m全体よりも高く、複勝回収率も113%と優秀だ。昨年3着のプリンスリターンなど10番人気以下も3頭激走している。
また、距離短縮馬は【0.2.0.2】で連対率・複勝率50%と高い。前走1400m組は昨年2着タイセイビジョン、前走1800m組は一昨年2着ラブミーファインがそれぞれ好走している。なお、前走1000m組を含む距離延長組はすべて着外に敗れている。
表5は前走からの間隔別成績。黄色で強調したように勝ち馬は中2週もしくは中3週の馬から出ている。開催日でいうと、優勝馬5頭は1回函館3日~6日の芝1200m戦を勝利した馬だった。また、中1週の馬は複勝率23.5%で、近3年続けて7番人気以下の伏兵が好走している。
なお、連闘の馬はいずれも着外に敗れており、中4週以上で連対した2頭はともに今回2番人気以内に支持されていた。
最後に表6は騎手別成績。複数回好走しているのが黄色で示した騎手で、三浦騎手は16年レヴァンテライオン、藤岡佑介騎手は昨年のビアンフェでそれぞれ勝利している。三浦騎手は2・3番人気馬で2度連対、藤岡佑騎手は3・4番人気馬を馬券圏内にもってきていた。
また、丸山元気騎手は勝ち星こそないものの、複勝率75.0%と非常に高い。3着以内馬の人気も13、4、7番人気と伏兵で馬券に絡んでいた。これら3騎手が騎乗してくれば、ぜひチェックしておきたい。
<函館2歳Sの狙いまとめ>
・基本的に4コーナーで5番手以内につけられる馬。
・人気傾向としては人気薄が激走するチャンスあり。
・関西馬優勢。関東馬は穴に注意。
・真ん中の3~6枠の馬が好成績。
・勝ち馬は前走函館芝1200m組。距離短縮馬もチェック。
・中2~3週の馬から優勝馬が出ている。
・三浦騎手、藤岡佑騎手、丸山騎手に注目
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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