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JRA-VANコラム

連覇もしくは連勝か!? アイビスサマーダッシュを占う!

2020年7月24日 18:15配信
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ダイメイプリンセス

今週は日曜日にアイビスサマーダッシュ(以下、アイビスSD)が行われる。本競走連覇を狙うライオンボスや、前走CBC賞で復活し、重賞連覇を目指すラブカンプーらが注目されそうだ。いつものように過去10年のデータから傾向を分析し、今年のレースを展望してみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 アイビスサマーダッシュ出走馬の前走クラス別成績(過去10年)

表1は過去10年のアイビスSD出走馬の前走クラス別成績。前走G1やG2といった格上の重賞を使っていた馬は出走数が少ない影響もあるせいか、好走馬が出ていない。しかし、前走G3組は【6.2.2.38】と優勝馬を6頭出しており、勝率は12.5%だった。出走馬が一番多いのはオープン特別組で【3.7.4.58】という成績だった。前走3勝(1600万)クラスの成績は【1.1.1.19】。連対率・複勝率はG3やオープン特別組より劣るが、好走馬が3頭いる。前走2勝(1000万)クラス以下は出走頭数そのものが少ないが、3着馬が2頭出ている。

■表2 前走G3組の前走レース別成績

最も優勝馬を出している前走G3組について、前走レース別成績(表2参照)を調べた。前走CBC賞組が【4.1.0.16】、函館スプリントS組が【2.1.2.15】だった。アイビスSDはサマースプリントシリーズ3戦目であり、同シリーズの1戦目や2戦目を経て来るケースが多くなっており、好走馬もよく出している。シルクロードSやオーシャンSといった他の芝短距離重賞を使っていた馬の好走はない。

■表3 前走G3組の前走入線順位別成績

さらに前走G3組の前走入線順位別成績(表3参照)を調べてみることにした。基本的には前走で好走している馬が有力。前走1着馬は【0.0.0.2】で結果は出ていないが、前走2着・3着・4着の成績はいい。前走6~9着は【1.1.1.8】なので、5着以下だった馬が巻き返すケースも十分ある。しかし、前走10着以下は【0.0.0.17】と不振だ。

■表4 前走オープン特別組の前走レース別成績

続いて前走オープン特別組の前走レース別成績(表4参照)を調べた。前走韋駄天S組が【2.3.1.16】で6頭も好走馬を出している。ルミエールS(2016年からルミエールオータムダッシュに改称され、10月に移動)組も1頭勝ち馬が出ており、新潟芝1000mのレースを使われていた馬が好成績を残している。バーデンバーデンC組も【0.3.2.24】と勝ち馬こそ出ていないが、出走頭数・好走馬数ともに多い。

■表5 前走韋駄天S組の前走入線順位別成績

前走韋駄天S組の前走入線順位別成績(表5参照)も調べた。前走1着馬の成績が【1.1.1.0】で複勝率は100%だった。16年3着プリンセスムーン(3番人気)、17年2着フィドゥーシア(1番人気)、19年1着ライオンボス(1番人気)が好走馬として該当する。アイビスSDで上位人気に支持される可能性は高いが、信頼できる中心馬になりうるタイプだ。

前走韋駄天S2着馬も【0.2.0.1】と好調。一方、前走5着以下に敗れた馬の巻き返しはない。同じ新潟芝1000mのレースだけに、韋駄天Sの結果はアイビスSDに直結するとみてよさそうだ。

■表6 前走3勝(1600万)クラス組の前走脚質別成績

最後に前走3勝(1600万)クラス組もチェックしておこう。昇級戦になるので前走1着の馬でないと厳しいと思われそうだが、意外な結果が出た。18年のアイビスSDで3着に入ったナインテイルズ(8番人気)は前走水無月S1着だったが、15年のアイビスSDで2着だったシンボリディスコ(9番人気)は前走テレビユー福島賞で3着に敗れていた。また、10年のアイビスSDで優勝したケイティラブ(8番人気)も前走テレビユー福島賞は3着だった。つまり、前走3勝クラスで負けていた馬も、格上挑戦して好走しているのだ。前走着順だけでは判断しにくい面がある。

そこで前走3勝(1600万)クラス組は前走脚質別成績(表6参照)に注目した。前走で逃げた馬が【1.0.1.1】という成績だった。今回は芝1000mのレースなので、相当なダッシュ力や極限のスピードが問われる。アイビスSDで実際に逃げるかどうかはわからないが、前々で競馬ができる馬でないとチャンスは生まれにくいだろう。

■表7 今年のアイビスサマーダッシュ出走予定馬

それでは今年のアイビスSDを占っていくことにする。出走予定馬は表7の通りだ。

まずはサマースプリントシリーズに挑戦している前走函館スプリントS組とCBC賞組をみていく。函館スプリントS組はミキノドラマー1頭しかおらず、同馬は前走16着と惨敗している。前走CBC賞組は優勝馬ラブカンプーら3頭の登録があった。今年のCBC賞は例年の中京ではなく阪神で行われたが、着順が最も良かったラブカンプーが有力とみたい。

続いてオープン特別の中で最有力である前走韋駄天S組をみていく。登録の段階では6頭いて上位1~3着馬が揃って出てきそうだ。韋駄天S1着だったライオンボスは昨年のアイビスSDの覇者。今年も満を持しての参戦で連覇がかかる。現役屈指の新潟芝1000m巧者というべき存在で、この条件では大崩れは考えにくい。

韋駄天S2着だったのがジョーカナチャン。今回重賞初挑戦だが、新潟芝1000mは【2.1.0.1】で得意としており侮れない。韋駄天S3着ダイメイプリンセスは、18年にアイビスSDを制している。成績にはムラがあるが、夏場が得意なだけに今回も要注意だろう。

前走3勝クラス組の馬ではアユツリオヤジを警戒したい。前走テレビユー福島賞を逃げて5馬身差で圧勝した。デビューから一貫してダートを使われていたが、初めて走った芝のレースで一変した。未知な面はあるものの、非常に不気味な存在だ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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