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JRA-VANコラム

秋に向けての新星は現れるか? クイーンSを展望する

2020年7月30日 14:15配信
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フェアリーポルカ

今回は札幌で行なわれるクイーンSを取り上げる。過去3年、このレースではアエロリット、ディアドラ、ミッキーチャームとG1連対歴を持つ強豪が勝ってきた。今年の登録18頭に同等の実績を持つ馬は見当たらないが、ここでいいレースをして秋のG1戦線に名乗りを上げたいところだろう。そんな牝馬G3を過去10年のデータから展望してみたい。ただし、函館開催の13年は除くため、実際の集計対象は9年分となる。データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

表1は人気別成績。集計対象の9年で1番人気が4勝、2番人気が3勝と、上位人気馬が勝つことが多い。特に1番人気は好走率、回収率ともに良好で、期待に十分応えている様子が見てとれる。一方、3番人気以下に関しては、10、11番人気あたりまで明確な好走率の差は見られない。オッズでいえば、単勝30.0~49.9倍で【1.2.2.8】、複勝率38.5%、複勝回収率249%というのはかなりの好成績。単勝50.0倍以上になると【0.0.0.27】と苦しいが、単勝50倍未満に収まっていればチャンスありと言えそうだ。

■表2 馬番別成績

表2は馬番別成績。明確な内外の有利不利は見られないが、局地的に好成績を残している馬番はある。たとえば、2番枠は集計対象の9年で3勝を挙げ、回収率も抜群。あるいは、大外14番枠も複勝率60.0%としばしば好走し、3着以内3頭の内訳が9番人気1頭、10番人気2頭と穴馬ばかりだったため複勝回収率は356%にも達している。

■表3 年齢別成績

表3は年齢別成績。4勝、勝率25.0%の3歳が目立つものの、今年登録がある18頭に3歳馬は見当たらない。中心となるのは4歳と5歳で、好走率としては4歳のほうが優位に立っている。6歳の好走率は高いとは言えないが、7番人気と9番人気で計2勝と激走傾向がある点には気をつけたい。

■表4 前走クラス別成績

表4は前走クラス別成績で、集計対象は中央のレースのみとなる。好走率が高いのは前走G1だが、回収率はそれほどでもなく、人気になりやすい傾向が見受けられる。前走G3は単勝回収率が高く、穴馬の勝ち切りに要注意。重賞以外では、前走オープン特別が複勝回収率163%、前走3勝クラスも同90%と、これらは2、3着に突っ込んでくるパターンに注意したい。なお、前走2勝クラスから馬券圏内に入った馬はいなかった。

■表5 前走ヴィクトリアマイル出走馬 前走4角通過順別成績

前走G3出走の好走は計8頭で、そのうち5頭はマーメイドS組だった。そこでこの組のデータをあたったところ、興味深い傾向が見られたのが「前走人気」と「斤量の増減」のふたつ。まず、前走人気に関しては1~5番人気に収まっておきたい。15年に7番人気1着のメイショウスザンナ(前走マーメイドSは13番人気10着)の例があり、前走6番人気以下も無視できないとはいえ、好走率としては大きな差がついている。また、マーメイドSからの斤量の増減を見ると、好走した5頭中4頭が今回増だった。

表7は、同年の古馬牝馬重賞における「1~3着馬」と「4着以下馬」が、クイーンSに出走した場合にどのような成績を収めているのかを示したもの。なお、同一の馬が複数のレースに出走した場合は、それぞれ別個で集計している。

1~3着馬が好成績を収めているレース、すなわちクイーンSと着順が直結しやすい重賞として挙げたいのが中山牝馬Sと福島牝馬Sのふたつ。いずれも1~3着馬の複勝率は40%を超え、回収率も高い。両レースともに「芝1800m」「右回り」「最後の直線が短い」といった条件がクイーンSと共通しており、直結するのも大いに納得できる。逆に着順が直結しないのは京都牝馬Sとヴィクトリアマイル。この両レースで1~3着に入った馬はクイーンSですべて馬券圏外に終わっており、むしろ4着以下に敗れていた馬のほうが狙いやすい。

そのほか、阪神牝馬Sは1~3着馬も4着以下馬もどちらも高い好走率を記録しており、ここに出走していた馬がクイーンSに出てきたら要注意。また、愛知杯も着順を問わずなかなかの好走率を記録しており、回収率の高さも見逃せない。

【結論】

上記のデータ傾向を元に、今年のクイーンSで有望と思われる馬を挙げていきたい。

まずはフェアリーポルカだ。なんといってもクイーンSと着順が直結しやすい中山牝馬Sと福島牝馬Sを連勝中。このレースで勝ち味に遅い4歳馬ではあるが、3歳馬がいない今年は勝機も十分ありそうだ。また、福島牝馬Sで2着だったリープフラウミルヒもマークしておきたい。

今年のヴィクトリアマイルを使った馬は4頭おり、いずれも掲示板外に敗れているが、このレースは着順が直結しないため気にしなくていいだろう。むしろ注目すべきファクターは4角通過順で、連対例の多い4角4番手以内に該当するコントラチェックは要注意の存在と言える。なお、そのほかのヴィクトリアマイル出走馬であるビーチサンバ、シャドウディーヴァ、スカーレットカラーはいずれも阪神牝馬Sを使っている。そして、このレースを走っていた馬は着順を問わずクイーンSとの相性がいいため、この3頭も軽視はしづらい。

前走マーメイドS組は、そこで「1~5番人気」かつ「斤量が今回増」となる馬の好走率が高く、この両方を満たすのがナルハヤ。激走傾向のある6歳馬であり、藤田菜七子騎手が騎乗予定という点でも楽しみな1頭だ。そのほか、同じく6歳のカリビアンゴールド、タガノアスワドにも警戒は必要だろう。

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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