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JRA-VANコラム

夏の新潟開催終盤の芝コースで「買い」の種牡馬は?

2020年8月31日 13:10配信
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アデイインザライフ

今年は2回新潟3週+3回新潟4週の計7週、14日間の開催となった夏の新潟競馬(例年は2回新潟6週12日)。わずか1週とはいえ開催が延びたことで、例年にも増して「開催終盤の馬場(芝)が向く種牡馬」の産駒が活躍する可能性もありそうだ。そこで今回は、夏の新潟開催終盤戦で好成績を残している種牡馬を調べてみた。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、集計期間は2015年~19年の2回新潟開催(夏の新潟)とした。

■表1 夏の新潟開催・芝コース種牡馬成績(着別度数順)

まず表1は夏の新潟競馬(芝)全体における種牡馬成績(着別度数順)で、トップはディープインパクト。2位以下を大きく引き離す54勝を挙げ、勝率、連対率、3着内率はいずれもトップ10の中で1位か2位と好走確率も高い。また、単複の回収率も100%こそ超えないものの84%、97%と上々だ。

そのディープインパクトも含めサンデーサイレンス直仔の種牡馬(競走馬からみれば父の父サンデーサイレンス)が多くの勝ち鞍を挙げており、ハーツクライ、ダイワメジャー、そしてステイゴールドと4位までを独占。ほかにマンハッタンカフェ、マツリダゴッホもランクインを果たしている。

■表2 夏の新潟開催(芝)におけるディープインパクト産駒の開催週・コース別成績

表1で断トツだったディープインパクトについて、開催週とコース(内回り・外回り)別の成績を調べると、なかなか興味深い結果が出てきた。まず、3~4コーナーの内外を問わない芝コース全体の成績をみると、開催が進むに従って連対率や3着内率が低下していることがわかる。抜群の切れを武器とする産駒が多いという印象が強いだけに、馬場が荒れてくる開催後半の成績が悪化することは予想の範囲内と言える。ただ、それでも5週目以降の3着内率は31.1%と高く、新潟記念で2勝(2015年パッションダンス、16年アデイインザライフ)を挙げるなど、決して「悪い成績」ではないことには注意したい。

注目したいのはコース別成績だ。開催1~2週目は外回りコースの3着内率が50.7%、内回りコースでは同29.6%と、序盤戦は圧倒的に外回りコースの好走確率が高かった。それが3~4週目になると内外の差がほぼなくなり、5週目以降は内外が逆転。外回りコースで3着内率28.6%にとどまるのに対し、内回りコースでは同40.0%を記録している。夏の新潟序盤戦とは違うタイプの馬、別の言い方をすれば「長い直線で切れる」といった一般的なディープインパクト産駒の印象には当てはまらない馬が、より高確率で好走していると言ってもいいだろうか。いずれにしても、最終週のディープインパクト産駒は特に芝・内回りのレースで注目したい。

■表3 夏の新潟開催(芝)における種牡馬開催週別成績(表1の2~4位)

表3は、表1で2~4位だったサンデーサイレンス直仔、ハーツクライ、ダイワメジャー、そしてステイゴールドの成績を開催週別に調べたものである。表2のディープインパクトは5週目以降の3着内率が1~2週目との比較で12.7ポイントも低下していたが、こちらはもっとも低下したステイゴールドでも5.2ポイント。ハーツクライやダイワメジャーは2ポイント程度の低下にとどまっており、開催終盤の馬場でも大きな減点は必要なさそうだ。ただハーツクライの勝率を除き、5週目以降の好走確率が1~2週目を上回ることはなかった。

■表4 夏の新潟開催5週目以降・芝コース種牡馬成績(3着内率順、出走15回以上)

では、夏の新潟開催終盤戦に「強い」、あるいは終盤戦の馬場が「向いている」種牡馬は果たしているのか。表4は夏の新潟5週目以降(芝)の種牡馬成績を、3着内率順に並べたものである(出走15回以上)。3着内率トップのヴィクトワールピサや、3位のルーラーシップは、表の右に記した全週の3着内率と大差なく、「引き続き注目」と言えるタイプだ。

一方、2位に入ったディープブリランテは、夏の新潟(芝)全体の3着内率は19.0%止まりだったが、5週目以降は同37.0%と、明らかに終盤戦の成績が良い。細かくみると、1~2週目は【1.2.1.22】3着内率15.4%、3~4週目【1.0.1.29】同6.5%、そして5週目以降【2.5.3.17】同37.0%となる。ディープブリランテ自身は良馬場で日本ダービーを制したが、稍重~不良馬場でも【1.1.1.0】(国内)。代表産駒のモズベッロは、パワーを要する馬場で行われた今年の宝塚記念で12番人気ながら3着に好走しており、この成績も納得のいくところだ。

もう1頭、該当馬は少ないがグラスワンダーも開催全週に比べ5週目以降の3着内率が高い種牡馬として挙げられる。こちらは1~2週目が【2.0.1.11】3着内率21.4%、3~4週目は【0.0.1.14】同6.7%、そして5週目以降は【1.2.2.13】同27.8%となる。グラスワンダーといえば、ラスト1ハロン12秒7を要しながらもスペシャルウィークをねじ伏せた宝塚記念(1999年)の走りが印象的。代表産駒のアーネストリー(宝塚記念)やスクリーンヒーロー(ジャパンC)、サクラメガワンダー(宝塚記念2着)も切れよりは持続力、先行力で勝負するタイプだった。また、今回の集計期間外にはなるが、夏の新潟終盤戦では2008年にセイウンワンダーが新潟2歳Sを制している。

以上、夏の新潟開催の種牡馬成績を調べてみた。最終週の開催に向けては、表4で5週目以降の好走確率が高かったディープブリランテ、グラスワンダーの産駒がいれば注目。ディープインパクト産駒なら、内回りコースのレースで適性がありそうな馬が見つかればおもしろい。ほかに、表3~4で5週目以降の落ち込みが少なかったり、わずかでも良化したりしている種牡馬の産駒も引き続き狙っていいだろう。また、表4本文で何度か「宝塚記念」が出てきたことから、種牡馬を問わず「宝塚記念のようなレースが向きそうなタイプ」を探す手もありそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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