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JRA-VANコラム

今年は末脚勝負か!? 阪神ジュベナイルフィリーズを展望する

2020年12月10日 11:30配信
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今週日曜日に阪神ジュベナイルフィリーズが行われる。昨年はレシステンシアが先手を奪うとそのまま後続を寄せ付けず5馬身差の圧勝を飾った。勝ち時計の1分32秒7(良)は当時の2歳コースレコードという衝撃のパフォーマンスだった。15年の勝ち馬メジャーエンブレムも4コーナーは先頭で回りそのまま押し切ったが、基本的に阪神ジュベナイルフィリーズは逃げ馬にとって難しいレース。逆に末脚を生かす馬にとっては走りやすい舞台だ。そのあたりの観点から、いつものようにレースを展望していきたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 阪神ジュベナイルフィリーズの脚質・上がり別成績(過去10年)

まずは過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズの脚質・上がり別成績(表1参照)をみていこう。逃げの成績は【1.0.0.9】で好走したのは冒頭で述べたレシステンシアだけだ。先行【2.3.2.31】、中団【6.4.7.60】と好走馬の数は中団の方がかなり多い。勝率や複勝率も中団が上だ。ただし、連対率は先行もほぼ互角だ。そして後方【1.3.1.48】で、好走率は低いが好走数は逃げよりも多い。また、レースで上がり3ハロン1位だった馬の成績は【5.3.0.4】。さらに同2位と同3位の成績を合算すると【9.6.5.13】となる。つまり、残り600mで速い脚を使えた馬が勝ちやすいレースということが言える。

さらに今年は京都競馬場の改修工事の影響で、阪神は11月からの連続開催となり、例年よりも芝が使い込まれている。その分、差しが決まりやすい状況になる可能性がある。

■表2 阪神ジュベナイルフィリーズの前走脚質・上がり別成績(過去10年)

表2は阪神ジュベナイルフィリーズの前走脚質・上がり別成績。実際に今回、どのあたりの位置でレースをするかはゲートが開いてみないとわからないので、前走の位置取りや上がり順位をチェックしてみることにする。

前走逃げ【1.1.0.18】、後方【0.2.0.26】、マクリ【0.1.0.1】は好走馬が少なく、やはり先行【5.2.6.51】と中団【4.4.4.52】が多くの頭数を占める。ただし、好走馬の数は先行13、中団12とほぼ互角。阪神ジュベナイルフィリーズでは中団から好走する馬の数が多いことを考えると、前走で先行していた馬が今回は中団に下がってレースをする、というケースも十分考えられるわけだ。

前走上がり3ハロンの順位別成績は1位【5.4.3.40】、2位【2.3.1.20】、3位【2.1.2.17】。1~3位の成績を合算すると【9.8.6.77】で、好走馬の80%近くを占める。前走で速い上がりを使っていた馬が、今回も有力となる。

■表3 阪神ジュベナイルフィリーズの好走馬 前走が逃げ・先行

表3では過去10年の阪神ジュベナイルフィリーズ好走馬のうち、前走が逃げ・先行の馬をまとめた。昨年の勝ち馬レシステンシアを筆頭に前走重賞もしくは1勝(500万)クラスの勝ち馬が多い。また前走上がり3ハロンがメンバー中3位以内の馬には色(黄色1位、水色2位、緑3位)を付けて分けたところ、15頭中9頭は3位以内の上がりをマークしていた。残る6頭のうち逃げて好走したメジャーエンブレムとクロフネサプライズ以外の4頭(レーヌミノル、ブランボヌール、ココロノアイ、ライステラス)は、すべて阪神ジュベナイルフィリーズでは3着だった。つまり前走逃げ・先行だった馬も、メンバー中3位以内の脚を使っていることが望ましいというわけだ。4位以下だった馬が、阪神ジュベナイルフィリーズを勝ち切るのは大変かもしれない。

■表4 阪神ジュベナイルフィリーズの好走馬 前走が中団・後方・マクリ

表4は阪神ジュベナイルフィリーズ好走馬のうち、前走が中団・後方・マクリの馬をまとめた。15頭のうち14頭が前走上がり3ハロン3位以内だった。さらに言うと、1位が7頭で2位が6頭という結果だった。前走レースはアルテミスSやファンタジーSといった重賞組が最も多いが、新馬組も2頭(レッドセシリア、ジョワドヴィーヴル)いる。キャリアが浅くても鋭い瞬発力を持っている馬にはチャンスがある。また、ハープスターとホエールキャプチャは前走後方で、マルターズディオサは前走マクリで好走していた。この3頭は阪神ジュベナイルフィリーズで2着だった。基本的には前走中団馬が有力かつ勝機があり、後方に位置していた馬は勝ちにくいかもしれない。

■表5 今年の阪神ジュベナイルフィリーズ出走予定馬

それでは今年の阪神ジュベナイルフィリーズを占っていこう。出走予定馬は表5の通りだ。

TARGET frontier JV区分による前走脚質をもとに、今年のレースを考えていくことにする。なお、「差し」と「中団」の差は前走レースで好走しているかどうかによるもの。「追込」と「後方」の違いも同様だ。

前走「逃げ」のなかではエイシンヒテンに注目。前走白菊賞ではメンバー中3位となる上がり3ハロン33秒9をマークして勝利した。過去10年、前走「逃げ」で好走できた馬はメジャーエンブレムとクロフネサプライズしかいないが、本馬は今回も逃げるとは限らない。先行して抜け出してくる可能性もあるのでマークしておきたい。

前走「先行」のなかでは重賞で好走しているインフィナイト、ソダシ、メイケイエールが上位評価になるだろう。インフィナイトは上がり3ハロン37秒7と時計はかかったが、不良馬場だったしメンバー中2位の脚だった。一方ソダシは上がり3ハロン33秒9と速い数字でまとめたが、メンバー中3位以内ではなかった。メイケイエールはメンバー中3位の上がりをマークしていた。おそらく人気ではソダシが1番手だが、勝ち切れるかどうかはわからない。メイケイエールやインフィナイトが先着する可能性も十分ありそうだ。

前走「差し」の馬は抽選対象となっており、実績的にも劣る。もし出走できても、実績馬を負かすだけの瞬発力・ポテンシャルがあるかどうかを見極める必要がありそうだ。

前走「追込」の馬は4頭いるが、前走ファンタジーS2着のオパールムーンと前走サフラン賞を制したサトノレイナスに注目が集まりそうだ。ただし、前走「追込」はハープスターやホエールキャプチャほどの実力馬でも2着だったので、勝ち切るのは大変になるだろう。馬場や展開の恩恵がほしいところだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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