JRA-VANコラム
前走馬体重がカギ!? フェアリーSを分析する
今週末は土曜~月曜の3日間開催で、日曜中京ではシンザン記念、月曜中山ではフェアリーSと、2鞍の3歳重賞が組まれている。今回は3歳牝馬限定の重賞・フェアリーSに注目し、2016年以降・近5年のレース傾向から今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1はフェアリーS・近5年の3着以内馬一覧。過去5年すべて良馬場で行われ、一昨年を除いて1分34秒台の勝ちタイムとなっている。ただし、今年に関しては、昨年末の中山芝が時計の掛かる状態だったこと、また火曜に行われた中山金杯もスローペースとはいえ2分0秒9と時計を要していたことから、1分35秒台~36秒台の決着になるのではないか。例年よりもタフな馬場状態と見た方が良いだろう。
4角通過順を見ると、さまざまな脚質の馬が好走しているが、近4年は4コーナー9番手以下の馬が1頭は3着以内に入っている。
人気順では、1番人気馬は【0.1.0.4】で3着以内に入ったのは17年2着アエロリットのみ、2番人気馬は【1.0.0.4】で18年プリモシーンの1勝のみと、1・2番人気が思ったほど走れていない。対して、3番人気馬は昨年のスマイルカナら最多の3勝。他では7番人気馬が【0.1.3.1】で複勝率は80%とトップ、10番人気馬も【1.1.0.3】で連対率40%と健闘している。11番人気以下の激走こそないものの、中位人気馬の好走が目立ち、3連単4万円台~27万円台の配当が出ている。
表2はキャリア別成績。2戦の馬が一昨年のフィリアプーラら最多の3勝をあげている。5戦の馬は16年ビービーバーレルが勝利し、連対率25.0%・複勝率37.5%でトップだ。なお、1戦の馬からは連対馬が出ておらず、6戦以上の馬からは3着以内馬が出ていない。
表3は前走クラス別成績。前走同クラスのオープン・重賞組からは17年1着ライジングリーズンしか3着以内に入っていない。出走数最多の1勝クラス組は連対率20.6%でトップ。未勝利戦組も18年プリモシーンら2勝をあげている。新馬戦組は連対馬こそいないものの、複勝率27.3%と優秀だ。
表4は前走着順別成績。前走1着馬が昨年のスマイルカナら近3年続けて勝利し、複勝率24.3%。昨年は1・3着馬が該当しており、近3年の3着以内馬9頭中7頭を占めている。
前走2着馬は連対率・複勝率50%と高く、前走3着馬も16年ビービーバーレルが勝利している。これら前走3着以内馬を中心に狙っていきたい。
表5は前走馬体重別成績。黄色で強調した前走460kg以上の馬の複勝率が高い。460~479kgの馬は18年プリモシーンら3勝をあげており、毎年1頭は連対馬を出している。480~499kgの馬は勝ち星こそないが、複勝率66.7%と非常に高い。500kg以上の馬は【0.0.0.3】だが、そのうちの一頭ジャストザマリンは17年に11番人気で僅差の4着だった。
パワーで勝る大型馬には、時計が掛かりやすい冬の中山芝に合う馬が多いのだろう。今年の中山芝は例年よりタフな馬場状態となっており、馬体重の重いタイプがより走れる傾向となるのではないか。前走460kg以上の馬を中心に狙っていきたい。
<結論>
今年の出走予定馬は表6のとおり。
2勝馬がラストリージョ1頭のみで混戦ムードが漂うが、人気を集めるのは前走アルテミスSで3着だったテンハッピーローズだろう。2走前のサフラン賞では次走阪神JF2着のサトノレイナスから0秒2差の2着、アルテミスSでも阪神JFを勝つソダシの3着だけに実績では一枚上の存在だ。ただし、前走不振の重賞組、前走馬体重438kgと比較的小柄で、絶対視は危険と考える。
前走馬体重から狙ってみたいのがファインルージュとネクストストーリーの2頭。ファインルージュは前走未勝利戦ながら2馬身差の快勝。近5年中3勝をあげているキャリア2戦馬、前走1着馬、前走馬体重480~499kgと条件が揃っており、アタマから狙ってみたい。
ネクストストーリーは2走前の福島芝1200mで勝ち上がり。前走のつわぶき賞は距離延長で臨んだが、好位から伸びて2着と好走した。人気はないかもしれないが、穴で狙って面白い一頭だ。
他では前走馬体重で500kgを超えるタイニーロマンス、クールキャットも初の中山コースをこなせば、好走する可能性は十分にある。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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