JRA-VANコラム
ここ2年はクラシックに直結! ホープフルSを分析する
今年はコントレイルが無敗で3歳クラシック三冠を達成したが、そのコントレイルが昨年末にG1初制覇を飾ったのが、今週中山競馬場で行われるホープフルSだ。一昨年の優勝馬・サートゥルナーリアも次走で皐月賞を勝つなど、翌年のクラシックへ向け注目の欠かせないこの一戦を制するのはどの馬か。過去の傾向を分析してみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、集計期間は過去6年とした(2014~16年:G2、2017年以降:G1)。
過去6年のホープフルSでは上位人気馬が非常に安定した走りを見せており、1~3番人気は計【6.3.4.5】複勝率72.2%、単勝オッズでは7倍未満の馬が【5.4.4.4】同76.5%。ここ2年は連続して3番人気以内の馬(すべて単勝7倍未満)が1~3着を独占している。また、5~7番人気馬や2桁人気馬はすべて馬券圏外に敗退しているため、穴を狙うなら8~9番人気、単勝オッズなら20倍以上50倍未満あたりから選びたい。
枠番別では2、4、5、6枠が連対率16%以上。しかし、表1で好成績だった1~3番人気馬計18頭のうち16頭はこの2、4、5、6枠に入っており、枠番別の成績は人気馬がどの枠に多く入ったかに左右されている印象だ。
前走レース別で複数の3着以内馬を出しているのは、東京スポーツ杯2歳Sと萩Sの2競走のみで2頭ずつ。好走馬の前走は多くのレースに分散し、その大半が該当馬5頭以下と少ないため、この表からは優劣がつけづらい印象だ。平場戦では新馬戦組が複勝率40.0%を記録する点には注意したい。
表4は前走着順(着差)、前走人気別成績で、こちらは表3と違って大きな偏りが見られた。まず前走着順は1着だった馬が【5.6.6.35】で好走馬18頭中17頭。中でも2着に0.6秒以上の差をつけて勝ってきた馬は【2.1.1.1】複勝率80.0%を記録する。対して2着と同タイムの辛勝だった馬は【0.1.1.9】同18.2%止まりだ。また前走2着以下からの好走馬は、2017年の優勝馬・タイムフライヤー1頭のみ。前走の京都2歳Sでは勝ち馬と同タイム(アタマ差)の2着だった。
前走人気別では、1番人気に推されていた馬が【5.5.3.14】で連対馬12頭中10頭を占め、連対率37.0%、複勝率48.1%。前走2番人気以下の【1.1.3.54】連対率3.4%、複勝率8.5%とは大差がついている。なお、前走1番人気で1着だった馬は計【4.5.3.10】複勝率54.5%となる。
前走コース・距離別では、3着以内馬18頭中16頭が芝1800~2000m戦に出走していた。芝1600m組の好走馬2頭は、新潟2歳S1着のロードクエスト(2015年2着)とデイリー杯2歳S1着のジャンダルム(2017年2着)だが、今年の登録馬には前走でマイル重賞を勝ってきた馬は不在。1800m組と2000m組の争いとみていいだろう。好走時に勝ち切る可能性がやや高いのは2000m組(3着以内馬8頭中4頭が1着)だ。
以上、ホープフルS過去6年の傾向をまとめてみた。まず表1にあったように、当日の1~3番人気馬、単勝7倍未満の支持を受けた馬への注目は欠かせない。その他の要素で好走馬が多いのは、3着以内馬18頭中17頭を占める前走1着馬、同13頭(連対馬12頭中10頭)の前走1番人気馬、そして同16頭の前走芝1800~2000m出走馬だ。
今年の登録馬で前走芝1800m~2000m戦を1番人気で勝ってきた馬は、ダノンザキッド、ヨーホーレイク、ランドオブリバティの3頭。このうち、2着馬を離して勝ってきたのは芙蓉Sで0.6秒差をつけたランドオブリバティだが(表4)、それから中11週(優勝馬6頭はすべて中8週以下)と間隔が開いているのは気になるところ。ダノンザキッドには特に加点や減点材料はなく、前走が2着と同タイムだったヨーホーレイク(表4)は前記2頭には一歩譲る印象だ。その他では、前走で芝2000mの新馬戦を勝ってきたアオイショー(表3、5)を穴候補として挙げたい。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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