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JRA-VANコラム

きさらぎ賞が行われる中京芝2000mを分析する

2021年2月2日 10:35配信
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今週日曜の3歳重賞は、きさらぎ賞。今年は京都芝1800mではなく、中京芝2000mを舞台に行われる。距離も200m延びて、過去とは違ったレース傾向になると思われる。今回は中京芝2000mに注目し、2018年以降・2勝クラス以上の条件でどういったレース傾向が表れているのかを分析していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 中京芝2000m戦の枠番別成績(18年~21年1月24日)

表1は中京芝2000mの枠番別成績。黄色で強調したように最内の1枠に入った馬が最多タイの6勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えており、注目だ。また、2枠の勝率・連対率は1枠に次いで高い。直線は412.5mと長いとはいえ、コーナー4つのコースだけに内枠の有利さが表れているといえそうだ。

複勝率では4枠・5枠も30%を超えているが、3着が多い。大外の8枠は最多タイの6勝をあげ、勝率は10%を超えているものの、複勝率は15.5%と低い。

■表2 中京芝2000m戦の脚質別成績と上がり順位別成績(18年~21年1月24日)

表2は脚質別成績と上がり順位別成績。脚質別成績は先行馬が勝率・連対率トップ。逃げ馬は2勝と勝ち星こそ少ないものの、2・3着に粘るケースが多く、複勝率は最も高い。逃げて3着以内に入った14頭中8頭は6番人気以下と人気薄の激走が多く、複勝回収率は200%と非常に高い。逃げ・先行馬の活躍が目立つコースだ。

上がり3ハロンの順位別成績は、黄色で強調した1位・2位が好成績。上がり最速馬が13勝と勝ち切る傾向が強い。複勝率では上がり2位の馬が上で、やはり速い上がりを使える馬が好走しやすい。逃げ馬には上がり2位以内の馬はいなかったが、先行馬で上がり3位以内の脚を使った馬は【9.8.2.1】と20頭中19頭が3着以内に入っている。

■表3 中京芝2000m戦の前走上がり順位別成績(18年~21年1月24日)

表3は前走上がり順位別成績。前走上がり3位以内だった馬の連対率・複勝率が高い。ただし、表2で示した今回の上がり順位別成績と違い、前走上がり順位1位だった馬よりも2位・3位だった馬の方が勝率は高い点に注目しておきたい。

複勝率では前走上がり1位だった馬がトップで、3位の馬が続いている。前走上がり3位以内の馬はまずチェックしておきたい。

■表4 中京芝2000m戦の種牡馬別成績(18年~21年1月24日)

表4は種牡馬別成績(上位のみ掲載)。ディープインパクト産駒が最多の8勝をあげ、複勝率も34.0%と高い。これら8勝の中には今年1月16日の愛知杯を勝利したマジックキャッスルら重賞5勝が含まれている。重賞5勝はそれぞれ違う馬で記録しており、マジックキャッスルら3頭はこの中京芝2000mで重賞初制覇を決めていた。

出走数10頭以上でディープインパクト産駒を連対率・複勝率で上回るのがダイワメジャー産駒。複勝回収率も140%と優秀だ。他ではステイゴールド産駒・オルフェーヴル産駒のラインも複勝率30%以上をマークしている。

出走数が多いハービンジャー産駒は勝ち星がなく、好走しても2・3着止まり。エピファネイア産駒も、勝利こそないものの、昨秋のローズSでムジカが14番人気で2着と激走するなど適性が高く、要注目の存在だ。

■表5 中京芝2000m戦の調教師別成績(18年~21年1月24日)

表5は調教師別成績。上位はすべて栗東の厩舎が占めており、藤原英昭厩舎が最多の4勝をあげている。連対した7頭がすべて1・2番人気だったため、単勝回収率・複勝回収率とも低めに留まっている。

黄色で強調した中内田充正厩舎は一昨年の金鯱賞をダノンプレミアムで、昨秋のローズSはリアアメリアと、重賞を2勝。連対率50%・複勝率62.5%と非常に高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。当コースで川田騎手とのコンビでは【2.0.1.0】と抜群の安定感を誇っている。

また、杉山晴紀厩舎は出走数が少ないが、3戦2勝と相性が良い。8番人気と4番人気による勝利で、今後も注目。単勝回収率が非常に高い本田優厩舎は今年の3勝クラス・寿Sでの14番人気1着ツーエムアロンソ(単勝114.8倍)の一発が大きかった。

■表6 中京芝2000m戦の騎手別成績(18年~21年1月24日)

最後に表6は騎手別成績。川田将雅騎手が最多タイの3勝をあげ、複勝率53.8%と優秀だ。昨年リーディングトップのルメール騎手も昨年の金鯱賞でのサートゥルナーリアら2勝をあげ、連対率44.4%・複勝率55.6%と非常に高い。

複勝回収率で注目したいのが和田竜二騎手。今年の若駒Sでのウインアグライアら2勝をあげ、昨年のローズS3着オーマイダーリン(11番人気)、中日新聞杯2着シゲルピンクダイヤ(9番人気)など重賞でも穴をあけている。3着以内馬5頭中3頭が5番人気以下の伏兵で、人気薄でも注意しておきたい騎手だ。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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