JRA-VANコラム
オーシャンSが行われる中山芝1200mを分析する
今週は土曜に中山でオーシャンS、阪神でチューリップ賞、日曜に中山で弥生賞ディープインパクト記念と3鞍の重賞が組まれている。今回はオーシャンSが施行される中山芝1200mに注目。2018年以降の古馬オープン・重賞におけるレース傾向ならびに2016年以降・近5年のオーシャンSにおける好走馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1は2018年以降に中山芝1200mで行われた古馬オープン・重賞での人気別成績。該当するのは16レースで、1番人気馬が昨秋のスプリンターズSにおけるグランアレグリアら過半数の9勝をあげている。16頭中15頭が馬券圏内に入っており、複勝率93.8%と非常に高い。唯一馬券対象外に敗れたのが今年1月のカーバンクルSでのケープコッドで、それでも僅差4着だった。1番人気馬が安定して走れており、馬券からは外せない。
また、8~10番人気が計5勝をあげており、人気薄の一発がある。1番人気と人気薄の組み合わせも多く、伏兵を狙っても面白いコースといえる。
表2は枠番別成績。真ん中から外の4~8枠が16勝中14勝をあげており、各枠の複勝率も軒並み20%を超えている。特に大外の8枠に入った馬は連対率21.9%・複勝率28.1%でともにトップだ。短距離戦でコースロスの少ない内枠が優勢と思われがちだが、実際はそうではなく、中~外枠の馬が好走しやすい傾向にある。
表3は脚質別成績。逃げ馬が一昨年のオーシャンSにおけるモズスーパーフレアら4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれも抜けて高い率を残している。今年1月のカーバンクルSでも15番人気エレナアヴァンティが3着に逃げ粘って、大波乱を演出している。テンのスピードがある馬には注意が必要だ。
また先行馬が最多の5勝をあげ、連対率・複勝率は逃げ馬に次いで高い。先行馬で3着以内に好走した16頭中6頭は7番人気以下の伏兵で、複勝回収率でも先行馬は100%超えと穴を開けるケースも多い。
表4は種牡馬別成績。ダイワメジャー産駒が最多の5勝をあげており、連対率39.1%・複勝率43.5%と高い。同産駒の中ではナックビーナスが期間中【2.4.0.1】、7走中6連対と好相性を示していた。
ナックビーナスのように同じ馬が何度も好走する傾向があるコースで、Speightstown産駒モズスーパーフレアは【2.2.0.1】、ハーツクライ産駒ペイシャフェリシタは【1.2.0.2】、アグネスデジタル産駒ダイメイフジは【1.1.2.1】、ロードカナロア産駒ダノンスマッシュが【1.1.1.0】など、中山芝1200mを得意とする馬が存在する。過去に中山芝1200mで好走経験がある馬は必ずチェックしておきたい。
ここからはオーシャンS近5年のレース傾向から好走馬の特徴を探っていく。表5は年齢別成績。5歳馬が昨年のダノンスマッシュら大半の4勝をあげており、連対率29.4%・複勝率41.2%と優秀だ。昨年は1・3着馬が該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。
4歳馬は一昨年のモズスーパーフレアが勝利し、連対率・複勝率は5歳馬に次いで高い。勝ち馬はすべて4・5歳馬から出ている。なお、勝ち馬5頭のうち、16年エイシンブルズアイ、17年メラグラーナ、一昨年モズスーパーフレアの3頭はマル外の馬だった。
最後に表6は出走時の馬体重別成績。黄色で強調したように馬体重500kg以上の馬が好成績をあげている。500~519kgの馬は18年キングハートら2勝をあげ、複勝率31.6%と高い。500kg~519kgの範囲の3着以内馬6頭のうち、18年1着キングハート(10番人気)ら3頭は7番人気以下の伏兵だった。
また、520~539kgの馬はナックビーナスが2着3回、タワーオブロンドンが3着1回で、複勝率100%と崩れていない。開幕週だった先週の芝レースはかなり高速決着となっており、今週もその傾向が続くだろう。オーシャンSは、過去に中山芝1200mで好走経験があり、馬体重500kg以上で前に行ける馬を積極的に 狙っていきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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