JRA-VANコラム
オークスへの出走権を手にする馬は? フローラS分析
春のG1が中休みとなる今週は、そのG1へ向けたステップレースが3競走組まれている。このうち福島牝馬Sは新潟、マイラーズCは阪神での代替開催。例年と同じコースで行われるのは東京のフローラSのみのため、今回はそのオークストライアル・フローラSを取り上げたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
過去10年の人気別では、1番人気が3勝、3、4番人気が各2勝。そして1勝止まりの2番人気も複勝率は70.0%と高く、この1~4番人気はまずまずの成績といっていいだろう。単勝オッズでみれば7倍未満の連対率・複勝率が上々だ。一方、中位人気勢は5~8番人気が【0.1.2.37】と苦しんでおり、単勝オッズでは15倍以上25倍未満が【0.0.0.23】と好走なし。穴なら9番人気以下・単勝25倍以上の人気薄を拾っていくのがおもしろい。
枠番・馬番別では内~中を引いた馬の好走確率が高く、馬番で9番以内なら【8.6.6.70】複勝率22.2%、10番より外は【2.4.4.75】同11.8%。特に表1で触れた単勝25倍以上の馬は、馬券に絡んだ10頭中8頭が馬番9番以内だった。
前走着順別の成績を見ると、優勝馬は10頭中9頭が前走1着。2、3着には前走馬券圏外から巻き返した馬も多く見られるが、前走10着以下に敗れていた18頭はすべてこのレースでも4着以下に敗退している。
前走クラス別で注意したい点は、重賞に出走していた馬が【0.4.4.46】と勝利がないことだ。オープン特別からは2016年にチェッキーノが優勝しているが、2~3着も含め好走したのはこの馬1頭のみ。G1・G2組が計【0.0.0.8】に終わっているように、前走の格はまったくアテにならない。
好走馬が多く、好走確率も高いのは1勝クラス(旧500万条件)組で【7.5.4.55】複勝率22.5%。また、未勝利戦組も5頭が馬券に絡んで複勝率16.7%と、重賞組にもまったく見劣らない結果を出している。
前走1勝クラスからの好走馬は表5の16頭で、そのすべてに共通するのは前走で芝1800m以上のレースに出走していたこと。また、半数の8頭は前走1着だった。この「前走芝1800m以上で1着」を満たす馬は【6.2.0.10】で勝率33.3%、連対率44.4%、単複の回収率368%、128%の好成績を残している。「前走芝1800m以上で2着」なら【0.2.2.9】複勝率30.8%、「前走芝1800m以上で3着以下」は【1.1.2.26】同13.3%となる。この前走3着以下から好走した4頭のうち3頭は前走が牡馬相手。残る1頭・マイネソルシエールはこのレースがキャリア8戦目で初の重馬場だった。
表6は前走未勝利戦からの好走馬5頭である。こちらは5頭とも前走で芝1800~2000mのレースに出走し、2着に0.2秒以上のタイム差(着差では1馬身1/4以上)をつけて勝利をあげていた。この条件をクリアする馬は【2.1.2.10】複勝率33.3%、単複の回収率204%、196%となる。
最後に表7は前走オープン・重賞組。ここで注目したいのは、好走した9頭がすべて関東馬だったことだ。このレース全体では関東馬【5.7.6.85】複勝率17.5%、関西馬【5.3.4.60】同16.7%と関東馬の好走がやや多い程度で、好走確率に大差はない。しかし前走でオープン・重賞に出走していた関西馬は【0.0.0.28】に終わっている。
また、好走した9頭はすべて前走で中山か東京のレースに出走し6着以内に入っていた。この「関東馬、前走中山か東京、前走6着以内」の3項目に合致する馬は【1.4.4.16】で複勝率36.0%になる。加えて、格上挑戦馬の好走はシャドウディーヴァ1頭のみで、残る8頭には1勝クラス(500万条件)1着か重賞連対の実績があった。
【結論】
前走1勝クラス組が好成績を残しているフローラS。今年は芝1800mのアルメリア賞を勝ち上がってきたオヌールがその筆頭格だ。しっかりした末脚を武器にここまで2戦2勝。前走412キロと小柄な点は気にかかるが、このレースで前走420キロ未満の馬は【2.1.0.8】連対率27.3%(うち関西馬【1.0.0.3】)を記録しており問題視する必要はないだろう。
また、該当馬こそ少ないが前走2400m戦からも2頭が好走しているため、ゆりかもめ賞を勝ってきたパープルレディーにもチャンスがある。キャリア2戦(オヌール)【1.0.1.25】に対し、4戦(本馬)【3.0.2.19】という優位点もあるだけに、こちらを上位にとる手もありそうだ。
前走未勝利戦組では、芝2000m戦で2着に0.2秒差(1馬身1/4)をつけて勝利したララサンスフル。3着はさらに6馬身離れており、いきなりの重賞挑戦でも勝負になって不思議はない。恐らく人気はないだろうが、9番人気以下・単勝25倍以上(表1)になるようなら最大の惑星になる。重賞組では、前走フラワーC3着の関東馬・ユーバーレーベン(4走前に札幌2歳S2着)が有力だ。
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