JRA-VANコラム
レイパパレに続け! 小柄な牝馬に関するデータを分析
すこし前のことになるが、今年の大阪杯を制したレイパパレは当日の馬体重が422キロという小柄な牝馬であることも注目を集めた。牡牝混合のG1を牝馬が勝つことが当たり前になった近年でも、このサイズの牝馬が勝利する例は珍しい。そこで今回は「小柄な牝馬」をテーマに、さまざまなデータを調べてみた。集計の対象とするのは「牝馬限定を除いた古馬混合(3歳以上または4歳以上)の平地戦」で、集計期間は18年1月6日~21年5月2日。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は馬体重別成績。馬体重が440キロ以上あれば好走率、回収率の大きな差はないが、440キロを切ると数値が下がっており、牡馬・古馬混合のレースにおいては不利に働いていることが読み取れる。これを参考に、今回は「当日馬体重が440キロ未満の牝馬」を表2以降のデータの集計対象としたい。
表2は斤量別成績。斤量49~51キロが揃って単勝回収率110%以上を記録していることは注目に値する。好走率が高いというわけではないものの、軽い斤量を活かして小柄な牝馬が激走1着というパターンには気をつけたい。また、出走例はレアながら、斤量55.5キロや56キロが優秀な数値を残している点も目を引く。牡馬換算で斤量57.5~58キロに相当し、馬体重を問わず牝馬としては厳しい斤量と言えるが、それだけで軽視はしないほうがよさそうだ。
表3は年齢別成績。この通り、3歳の好走率が高いことがひと目でわかる。古馬・牡馬混合戦における3歳牝馬は課される斤量が軽く、小柄な馬でも比較的成績を残しやすいのだろう。
表4は人気別成績。1番人気の好走率は水準を下回っており、本命視された場合の信頼性はやや低め。また、8番人気以下の数値もいいとは言えない。これらを除いた2~7番人気は概ね標準的なレベルと言える。
表5は距離別成績を芝・ダート別で示したもの。芝から見ていくと、より好走率が高いのは1700m以上で、1600m以下はやや苦手にしている様子が見受けられる。そういえば、330~340キロ台の馬体重ながら菊花賞や天皇賞・春にも出走したメロディーレーンも長距離戦を得意としており、小柄な牝馬にとっては距離があるほうが走りやすいのかもしれない。一方のダートはどの距離も苦戦。パワーが求められるだけに、小柄な牝馬にとってやはり厳しい条件なのだろう
表6は馬場状態別成績を芝・ダート別で示したもの。芝で目を引くのは不良の回収率で、単勝で187%、複勝も156%という高い数値を記録している。また、重の回収率も芝や稍重より高く、重の大阪杯でレイパパレが4馬身差の圧勝を飾ったのも記憶に新しい。小柄な牝馬にとって芝馬場の悪化は堪えそうなイメージもあるが、このデータを見る限り好走率の際立ったダウンはなく、かえって妙味につながっているようだ。対するダートは全体に低調で、馬場による好走率の明確な違いも見られない。
表7は枠番別成績を芝・ダート別で示したもの。データを確認する前は、小柄な牝馬にとって揉まれやすい内枠は厳しそうというイメージを持っていたのだが、表7を見る限りではそうとも言えないようだ。特にダートにおいて1枠の好走率、回収率が抜けて高いことには驚いた。また、揉まれない外枠が走りやすいということもなさそうで、小柄な牝馬の枠に関しては先入観を持たずに臨みたいところだ。
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