JRA-VANコラム
東京ダート2100mで行われるブリリアントSを分析!
今週日曜日に東京競馬場で行われるダート2100mのブリリアントSに注目した。NHKマイルCの前(10レース)に組まれている古馬のオープン特別(L)だ。例年、施行時期や、ハンデ戦といったレース条件は変わりがないので、過去10年のデータを分析してレースの傾向を探っていくことにする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は過去10年のブリリアントSで3着以内に入った馬の一覧。勝ち馬の顔ぶれを見ると、名の知れた馬もいる。2012年ソリタリーキングはこのレースをきっかけに東海S→日本テレビ盃(船橋)と重賞を連勝。16年アポロケンタッキーは同年末に東京大賞典(大井)を優勝した。17年ミツバは次走マーキュリーカップ(盛岡)で重賞初制覇を飾り、19年には川崎記念を制した。オープン特別だが重賞に匹敵するレベルの年もあり、Jpn1にもつながる可能性がある一戦と言えるだろう。
人気をみると勝ち馬10頭中8頭は1~3番人気だった。しかし、2着、3着は1番人気と2番人気がそれぞれ1頭ずつ、二けた人気馬の食い込みも目立つ。勝ち馬のみ人気サイドで、2~3着には伏兵がよく台頭している印象だ。性別は牡馬・セン馬が圧倒。牝馬は出走自体が少ないこともあるが、好走したのは19年2着のプリンシアコメータしかいない。
年齢は5歳馬が5勝と勝ち数は最も多い。3着以内数は6歳が9頭と最も多い。7歳馬も8頭が好走しているが、8歳馬は1頭しか好走馬がいない。
斤量(ハンデ)は55キロと54キロで7勝2着5回3着6回と好走馬の半数以上を占める。57~56キロは3勝2着3回3着2回だが、好走率は55~54キロとほとんど変わらない。一方で53キロ以下の軽ハンデ馬や、57.5キロ以上を背負う実績馬は勝ちづらいという傾向が出ている。
前走レースは仁川S組か、アンタレスS・マーチS組が有力。仁川S組はシンプルに5着以内に入っている馬にチャンスがあるようにみえる。一方、アンタレスS・マーチS組の取捨は難しい。6着以下に敗れていた馬が巻き返してくるケースばかりだ。アンタレスSとマーチSはG3だし、そこで好走したような馬はわざわざハンデ戦のオープン特別に出走してこないので当然の傾向かもしれない。それでも前走アンタレスSやマーチS組は上位人気になりづらいタイプのようだ。人気薄でも注意したい。
表2は過去10年のブリリアントSのレースラップタイムと上位馬の決まり手(脚質)を記したもの。基本的には平均ペースになることが多く、1ハロン12秒台を刻むことが多い。12~13年、15年、18~20年はこのレースの平均的な流れだった。一方、11年や14年、17年は道中で13秒台のラップがあり、ペースが少し緩んだことがわかる。また16年はラスト2ハロン目と最後の1ハロンが13秒台だった。こちらはスローペースではなく、道中のペースが厳しい消耗戦だった。
このようにブリリアントSは年によってペースは異なるものの、好走馬の決まり手は毎年ほとんど変わらないのが興味深い。1着馬は10頭中9頭が先行で、2着馬は10頭中8頭が差しだった。3着馬は差しが4頭、先行が2頭で、逃げや追い込みも食い込んでいる。基本的に1着→2着馬は「先行→差し」の組み合わせになりやすいと考えたい。例外はペースが遅かった14年で、追い込み馬が勝利している。スローペースになりそうな場合は逃げ馬の残り目よりも、「ヨーイ・ドン」の勝負になって瞬発力のある馬が台頭することを想定した方がいいかもしれない。
最後に過去10年のブリリアントS出走馬の4角(4コーナー)別位置成績を記した。逃げ馬が苦戦しているのは表2の通りで、先行馬が圧倒的に勝ちやすいことは先ほど述べた。具体的には4コーナーでは4番手以内【9.1.4.27】にいないと、勝ち切るのが難しくなるようだ。
また4コーナー10番手以内が【9.9.8.84】。2着に多い「差し」だが、10番手以内にいた馬がほとんどだった。さらに細かく言うと4コーナー位置は出走頭数の1/2頭以内が【9.9.7.63】という成績だった。つまり16頭立てだった場合は、前から8頭以内にいた馬が好走しているということだ。中団よりも後ろに位置する馬では、2着以内に入るのはかなり難しいレースとなっている。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
関連記事
注意事項
結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
本サイトのページ上に掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社NTTドコモおよび情報提供者は一切の責任を負いかねます。