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JRA-VANコラム

オークス馬を出すなど注目の「母の父ロージズインメイ」を分析

2021年8月2日 16:00配信
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今回のテーマは「母の父ロージズインメイ」。オークスを制したユーバーレーベンを筆頭に、マイネルウィルトス、マイネルファンロン、マイネルフラップがオープンで好走し、中央のブルードメアサイアー(BMS)ランキングで昨年の56位から今年は18位へと大幅に順位を伸ばしている(7月25日現在)。また、1走あたりの獲得賞金を表す「アーニングインデックス」では1.91という数値を残しているが、これはBMSランキング20位までの母の父ではずば抜けたものだ。そんな旬の母の父について調べてみたい。集計対象は2018年1月6日~2021年7月25日の平地戦。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 母の父ロージズインメイ・各種成績

表1は、芝・ダート別、牡馬(セン馬を含む)・牝馬別、東西の所属別成績をそれぞれ示したもの。芝とダートの比較では好走率、回収率ともに芝が優勢で、特に回収率は明らかに芝のほうが高い。なお、同期間の「父ロージズインメイ」は芝で12勝、勝率3.7%、ダートで46勝、勝率6.0%とダート優勢だが、「母の父ロージズインメイ」は傾向がまったく異なるようだ。また、牡牝では牡馬、東西では関西馬がそれぞれ優位に立っている。

■表2 母の父ロージズインメイの主な馬(本賞金順・上位10頭)

表2は、母の父ロージズインメイの馬を本賞金順で上位10頭までまとめたもの。もちろんトップはオークス馬のユーバーレーベンで、同馬を含む10頭中7頭は「馬主サラブレッドクラブ・ラフィアン」「生産者ビッグレッドファーム」という際立った特徴がある。種牡馬ロージズインメイはビッグレッドファームの繋養で、その血を引き継ぐ繁殖牝馬も同牧場に多いことを考えれば妥当な結果と言える。また、スクリーンヒーローが3頭、ステイゴールドとその後継ゴールドシップが計3頭、ダイワメジャーとその後継カレンブラックヒルが計2頭と、特定の父(系)から活躍馬が多く出ていることも押さえておきたい。

■表3 種牡馬別成績(着別度数順)

表3は、種牡馬別成績(着別度数順)を芝・ダート別で示したもの。芝は、前項でも名前が出てきた種牡馬が1~3位に入っている。特にスクリーンヒーローゴールドシップは好走率が高く、単勝回収率も100%以上と馬券的な価値も高い。ダートはカレンブラックヒルやアスカクリチャンの成績が優秀ではあるが、いずれも1頭の馬が記録したもの。そのほかの種牡馬も出走回数、出走頭数が十分に多いとは言えず、参考記録とみなしたほうがいいかもしれない。

■表4 競馬場別成績

表4は、競馬場別成績を芝・ダート別で示したもの。全体に関西圏の競馬場で数値が記録されているのは、表1の項で確認した関西馬優位の傾向を思えば当然と言える。とはいえ、芝の小倉や阪神の成績は優秀で、出走があれば期待できそうだ。

■表5 距離別成績

表5は、距離別成績を芝・ダート別で示したもの。勝率ベースで見ると、芝・ダートともに1000~1300mの数値がもっとも高く、次いで1400~1600mとなっている。もちろん、ユーバーレーベンがオークスを制したように、最終的な距離適性は個別の馬次第にはなってくるが、全体的な傾向としてはマイル以下の距離が合うようだ。

■表6 クラス別成績

表6はクラス別成績。G1の好走2回はいずれもユーバーレーベンのもの。G1~G3を合算した成績は【2.3.4.21】、勝率6.7%、複勝率30.0%、単勝回収率50%、複勝回収率95%というもので、重賞ではやや2、3着が多い傾向も見え隠れしてはいる。とはいえ、重賞に出走した6頭中4頭が3着以内を記録しており、決して通用していないわけではない。また、新馬戦、未勝利戦、1勝クラスの単勝回収率がいずれも100%以上であることも指摘しておきたい。

■表7 年齢別成績

表7は年齢別成績。なお、集計期間内に7歳以上の出走はなかった。なんといっても注目は2歳馬の成績が非常に優秀なこと。直近では7月4日に福島でウインピクシスが1番人気1着、函館でマイネルシーマーが7番人気3着と、2歳新馬に出走した2頭がいずれも好走を果たしたことが目を引いた。なお、この両馬はユーバーレーベンと同様に父ゴールドシップという血統である。

■表8 人気別成績

表8は人気別成績。勝率42.4%、単勝回収率109%の1番人気をはじめ、上位人気の好走率は軒並み高く、単複の回収率は5番人気まですべて90%以上をマーク。さらには6~8番人気の成績も優秀だ。大きな穴をあけるケースはそれほど多くないようだが、上位人気の信頼性は高く、中穴級も面白い存在になってくれそうだ。

■表9 騎手別成績

表9は騎手別成績。丹内祐次騎手と柴田大知騎手の騎乗機会が抜けて多く、特に最多の12勝を挙げて単勝回収率126%の丹内騎手は好相性のジョッキーとみていいだろう。また、2位の5勝を挙げた和田竜二騎手は、丹内騎手を上回る勝率23.8%、単勝回収率213%をマーク。そのほか、吉田隼人騎手、大野拓弥騎手、菅原明良騎手も非常に高い回収率を記録している。

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