JRA-VANコラム
1番人気5連勝中! セントウルSを分析する
昨年に続き今年も中京競馬場で代替されるセントウルS。サマースプリントシリーズの最終戦に指定されているが、同時に秋のG1開幕戦・スプリンターズSへ向けた最終かつ最重要ステップレースにもなっている。今回はこのセントウルSの過去10年の傾向を、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して分析してみたい。
過去10年、1番人気は【5.4.1.0】で複勝率100%。2012年から9年連続連対中、そして2016年からは5連勝中だ。2番人気も複勝率60.0%と上々で、3~7番人気は複勝率20.0%で横並びとなっている。6番人気以下の馬が2頭馬券に絡んだのは2012年の1回のみのため、3連複や3連単なら1~5番人気馬が2頭以上含まれる組み合わせを選びたい。
年齢別で好走確率が高いのは4歳で、【4.2.1.17】勝率16.7%、複勝率29.2%。中でも5番人気以内の支持を受けた馬は【4.2.1.3】複勝率70.0%と信頼性が非常に高い。また、好走馬数では5歳、単複の回収率では3歳がそれぞれトップで、6歳以上になるとやや厳しい戦いを強いられている。
前走クラス別では、中央競馬のG3に出走していた馬が【6.7.7.71】で出走数、好走数ともトップ。これに中央G1組【2.2.2.11】と海外組(すべてG1)【1.1.0.2】を加えると、3着以内馬30頭中28頭になる。
※外国調教馬は除く
表4は前走G1から3着以内に好走した7頭(前走海外含む、外国調教馬は除く)で、この7頭はすべてセントウルSで3番人気以内に推されていた。この前走G1組は本競走3番人気以内なら【3.2.2.4】複勝率63.6%、4番人気以下は【0.0.0.8】となるため、まずは今回の人気がカギになる。また、3歳のイベリス以外はG1~G2で優勝した実績を持っていた。
前走G3組は、特に北九州記念に出走していた馬が【4.2.4.46】と非常に多い。この北九州記念組は、同レース1~2着馬が【1.0.0.5】複勝率16.7%、3~5着馬は【3.1.2.8】同42.9%、そして6着以下だった馬は【0.1.2.33】同8.3%。掲示板こそ確保したものの、連対までは届かなかったような馬が狙いだ。
一方、前走で北九州記念「以外」のG3に出走していた好走馬10頭をみると、こちらは前走連対馬が8頭を数える。この組は前走連対馬なら【2.4.2.4】複勝率66.7%の好成績で、前走3着以下だった馬は【0.1.1.21】同8.7%と大きな差がついている。
【結論】
1番人気馬の安定感が光るセントウルS。今年は恐らく、レシステンシアがその1番人気の支持を受けることになりそうだ。4歳馬、そして前走G1組ともに好走確率は高く(表2、3)、前走G1組の好走条件(表4)となるG2以上の優勝実績も問題なし。期待に応える走りをみせてくれそうだ。
人気でこれに続くのはカレンモエ、ピクシーナイトあたりだろうか。ともに北九州記念以外のG3組(表6)。カレンモエは函館スプリントS2着、ピクシーナイトはCBC賞2着と前走で連対を確保しており、こちらも有力候補になる。
.
一角崩しの期待をかけるなら、穴っぽい馬の好走が多い北九州記念組(表5)。この組は同レース3~5着馬の好走確率が高く、今年これに該当するのは4着のシゲルピンクルビー(3歳)と、5着のレッドアンシェル(7歳)。年齢(表2)も加味すると、特にシゲルピンクルビーはおもしろそうな存在だ。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
関連記事
注意事項
結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
本サイトのページ上に掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社NTTドコモおよび情報提供者は一切の責任を負いかねます。