JRA-VANコラム
前走の距離と上がり順位に注目! 府中牝馬Sを分析する
今週は土曜に東京で府中牝馬S、日曜に阪神で秋華賞と牝馬の重賞が2鞍組まれている。今回のデータde出~たでは、土曜の府中牝馬Sをピックアップ。昨年は重馬場の中、サラキアが初重賞制覇を決め、続くエリザベス女王杯・有馬記念で連続2着と好走したのは記憶に新しい。2016年以降・近5年のレース傾向から今年馬券で狙えそうなタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1は府中牝馬S近5年の人気別成績。1番人気馬は18年ディアドラの1勝のみで、複勝率60%。近2年は一昨年プリモシーン15着、昨年ラヴズオンリーユー5着と馬券圏外に敗れている。2番人気馬は勝ち星こそないものの、複勝率80%でトップだ。
以下、3~5番人気馬が1勝ずつ。昨年は7番人気サラキアが勝利している。6~9番人気馬はのべ【1.2.2.14】で複勝率26.3%と高く、近3年で毎年1頭は3着以内に入っている。一方、10番人気以下の馬はすべて4着以下に敗れている。
配当面では、16~18年は3連単2万円以下と堅い決着でおさまっていたが、一昨年は4→9→2番人気で3連単7万7860円、昨年は7→6→8番人気で同18万9020円と近2年は波乱となっている。
表2は枠番別成績。黄色で強調した大外の8枠に入った馬は16年クイーズリングが勝利し、複勝率44.4%でトップだ。昨年は3着サムシングジャストが該当しており、17年を除いて1頭は3着以内に入っている。2011年以降の近10年でも【2.3.4.12】で複勝率42.9%と高く、8枠に入った馬はチェックしておきたい。
勝ち星では4枠の馬が近3年続けて優勝している。近10年でも4枠・7枠が各4勝、8枠が2勝で、すべて4枠から外の馬が勝利していた。
表3は前走距離別成績。今回と同距離の前走1800m組が昨年のサラキアら近年続けて勝利している。昨年は上位3着までを独占しており、連対率30.0%・複勝率45.0%と優秀だ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。昨年優勝のサラキアは前走小倉日経オープンで勝利をおさめていた。
前走1600m組は16年クイーズリングが勝利し、複勝率21.7%。3着以内馬5頭はいずれも府中牝馬Sで上位3番人気以内に支持されていた。なお、前走2000m組で好走したのは17年1着クロコスミアの1頭のみと不振傾向にある。
表4は前走における上がり順位別成績。前走上がり1位だった馬が近4年続けて勝利し、連対率・複勝率50%と非常に高い。一昨年の優勝馬スカーレットカラーは前走クイーンSで上がり最速で2着に入っていた。
前走上がり2位の馬は勝ち星こそないものの、複勝率40%と優秀だ。これら前走上がり2位以内の馬は要チェック。なお、勝ち馬5頭はいずれも前走上がり3位以内だった。
表5は前走人気別成績。前走1番人気馬が18年ディアドラら3勝をあげ、複勝率50%と高い。3着以内馬6頭はいずれも府中牝馬Sで上位5番人気以内に支持されていた。
前走3番人気馬は昨年のサラキア、前走5番人気馬は一昨年のスカーレットカラーがそれぞれ勝利しており、勝ち馬はいずれも前走で5番人気以内に支持されていた。なお、前走10番人気以下の馬はすべて馬券圏外に敗れている。
最後に表6は前走と同騎手(継続騎乗)の馬と今回乗り替わりの馬との比較。継続騎乗の馬が18年ディアドラ(ルメール騎手)ら大半の4勝をあげており、勝率・連対率・複勝率ともに乗り替わりの馬を上回っている。継続騎乗の馬は昨年1・2着馬が該当しており、17年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。
騎手別では岩田康誠騎手【2.0.0.1】、ルメール騎手【1.2.0.0】、M.デムーロ騎手【1.1.0.2】で複数回馬券圏内に入っている。
<今年の注目馬>
今年の登録馬では、前走1800mの3勝クラス・垂水Sを上がり1位で勝利したアカイイト、前走中山牝馬Sが上がり最速で4着だったホウオウピースフルの2頭が出走してくれば、注目したい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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