JRA-VANコラム
波乱含みのハンデ戦! 中日新聞杯を分析する
今週の中央競馬は土曜に中京でハンデ戦の中日新聞杯、日曜にダートのカペラS、2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズと3鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出~たでは、中京芝2000mで行われる中日新聞杯をピックアップ。現在の12月開催となった2017年以降近4年のデータならびに今年の中京芝2000m戦の種牡馬成績からレース傾向と馬券的に狙えるタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は2017年以降近4年の3着以内馬一覧。近4年すべて良馬場で行われ、勝ちタイムは昨年を除いて1分59秒台前半で決まっている。昨年はかなりのスローペースとなり、2分を超えるタイムとなった。速い流れとなった18年以外、好走馬には33秒台の速い上がりを使っている馬が目立つ。逃げた馬で馬券圏内に入ったのは17年3着ロードヴァンドールのみ。4コーナー6番手以下が12頭中9頭と多く、決め手比べになりやすいということだろう。
人気順では17年こそ1・2番人気馬が揃って連対したものの、近3年は8番人気以下の人気薄が1頭ずつ連対。3連単の配当は18年26万4000円、一昨年10万5620円と10万円超の波乱となった年もある。ハンデ戦で一筋縄ではいかないレースではあるが、馬券的な妙味がある面白い一戦といえる。
表2は年齢別成績。黄色で強調した3歳馬、4歳馬が好成績をあげている。出走数最多の4歳馬は昨年のボッケリーニら3勝をあげ、複勝率34.8%と優秀だ。17年ならびに昨年は上位3着までを独占している。少数ながら3歳馬は18年ギベオンが勝利し、連対率・複勝率40%と高い。連対した2頭はともに上位3番人気以内に支持されていた。勝ち馬はすべて3・4歳馬から出ている。
対して、5・6歳馬からは連対馬が出ていない。7歳以上は18年に7歳馬ショウナンバッハが2着と好走している。
表3はハンデ別成績。勝ち馬は53kg~56kgの馬から出ている。53kgは19年に牝馬のサトノガーネットが8番人気で勝利しており、単勝回収率が非常に高い。55kgは17年メートルダールら2勝、56kgは18年ギベオンが勝利している。
また、57kg以上の馬は勝ち星こそないものの、複勝率が高い。なお、52kg以下の馬はいずれも馬券圏外に敗れていた。
表4は前走人気別成績。前走1番人気だった馬が昨年のボッケリーニら2勝をあげ、連対率42.9%・複勝率57.1%と非常に高い。昨年は1・3着に入っており、該当馬がいなかった18年以外は毎年好走馬を出している。
前走2番人気馬は3頭いずれも着外に敗れているが、前走3番人気馬は18年ギベオンが勝利しており、複勝率33.3%と高い。これら前走3番人気以内の馬が全3着以内馬12頭中7頭と過半数を占めており、今回もぜひチェックしておきたい。
表5は前走が重賞レースだった馬【3.2.3.30】の前走着順別成績。意外にも前走5着以内だった馬は9頭すべて馬券圏外に敗退。逆に前走重賞組の好走馬8頭はすべて前走6着以下から巻き返していた。特に前走6~9着だった馬は一昨年のサトノガーネット(前走エリザベス女王杯9着)が勝利しており、複勝率42.9%と非常に高い。前走10着以下だった馬も18年ギベオン(前走セントライト記念13着)ら2勝をあげている。
これら前走6着以下から巻き返した8頭中5頭は前走で上位5番人気以内に支持されていた。前走で上位人気に推されながら着外に敗れた馬には注目しておきたい。
最後に表6は今年の中京芝2000m戦の種牡馬別成績。ディープインパクト産駒が最多の6勝をあげ、連対率・複勝率ともに優秀だ。単勝回収率836%と非常に高いのは、ギベオン(単勝22730円)が逃げ切った金鯱賞の分が大きいが、他にも8・9番人気も1勝ずつ。複勝回収率でも100%を大きく超えており、ディープインパクト産駒は要注目だ。
他にもキズナ産駒、ヴァンセンヌ産駒などディープインパクト後継種牡馬も好相性を示している。今回の中日新聞杯だけでなく、「中京芝2000m戦はディープインパクト系が買い」は覚えておきたいデータだ。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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