JRA-VANコラム
混戦必至のハンデ戦! 小倉大賞典を分析する
今週は日曜日にG1・フェブラリーSが行われるが、その直前に行われる小倉大賞典にスポットを当てる。4歳以上・小倉芝1800mのハンデ戦で、予想は難しいが馬券的には楽しみなイメージがある一戦だ。いつものように過去のデータを分析し、同レース攻略のヒントを探っていく。なお、データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は過去10年の小倉大賞典の好走馬をまとめたもの。昨年は1番人気のボッケリーニが2着と好走したものの、11番人気のテリトーリアルが勝利し、3着には12番人気のディアンドルが残り、3連単は23万1750円という高配当となった。ここ4年は毎年、10番人気以下の馬が馬券に絡んでおり、特に3連複・3連単で大きな配当が生まれている。
そして、好走馬に目を向けると、ディープインパクト産駒のダコールが、2013年、15年、16年と3回も好走。勝利はできなかったが、15年は11番人気で3着に入り、高配当をもたらした。ディープインパクト産駒は過去10年で3勝2着4回3着2回と、合計9回3着以内に入っており、本競走との相性の良さがうかがえる。
年齢面では5歳馬が11頭と最も多く馬券に絡んでいる。7歳以上が10頭好走しており、ベテランの活躍も目立つ。性別は牡馬・セン馬が好走馬の大半を占める。牝馬の好走は18年2着クインズミラーグロと、前述のディアンドルの2頭だけ。ただし、ともに超人気薄での激走だっただけに、牝馬だからといって軽視はしづらい。
騎手では川田将雅騎手が4回好走している。そのうち3回は1番人気の馬に騎乗したときであり、人気馬での信頼度が高い。また、美浦の丸田恭介騎手も3回好走しており、もし騎乗する機会があるようなら要注目だ。また、中竹和也調教師の管理馬はダコールが3回、20年カデナが1回、計4回馬券に絡んでいる。
表2は小倉大賞典の前走距離別成績で、非常に顕著な傾向が出ていることがわかった。今回距離延長・短縮の比較では、短縮の方が圧倒的に好走馬数は多く、好走率も高い。距離を個別で見ていくと、前走2000m組の成績が【7.3.5.54】で、単勝・複勝の回収率はともに100%を超えている。また、2400m組は【1.3.2.8】で連対率(28.6%)や複勝率(42.9%)が高い。2500m組は【1.1.0.2】と対象馬は少ないが、好走率・回収率ともに優秀だ。
一方、1600m組は【1.1.2.29】と平凡な成績。前走京都金杯組が【0.0.2.14】と不調なこともあり、本競走においては成績が芳しくない。
表3は前走2000m組の前走クラス別成績。前走2000m組の中ではG3やG2のレースを使っていた馬の成績が良かった。G1組は1頭しかいなかったので、基本的には前走重賞組が強いと言ってもいいだろう。特に前走中山金杯組が【4.1.2.21】と好成績。12年エーシンジーライン、13年ヒットザターゲット、20年カデナ、そして昨年のテリトーリアルと4頭の勝ち馬が出ている。
表4は前走2000m・重賞組の斤量増減別成績。前走2000mの重賞組の中から、さらに有力馬を絞り込むために斤量別の成績をチェックした。すると、今回斤量増の馬が【2.2.0.2】で、単・複の回収率も100%以上という好成績だった。なお、好走した4頭はすべて前走芝2000mの重賞で5着以内、なおかつ小倉大賞典当日は3番人気以内に支持されていた。もし、この手のタイプが出走してくれば非常に有力とみたい。
一方、今回斤量減の馬は【0.1.2.14】と斤量増に比べると明らかに成績は悪い。しかし、好走した3頭は18年2着(15番人気)クインズミラーグロ、19年3着(14番人気)サイモンラムセス、21年3着ディアンドル(12番人気)とすべて超人気薄だったこともあり、複勝回収率は270%だった。ちなみに、この3頭は前走3、4コーナーを1、2番手で通過していた。前がかりの競馬をしていた馬は、惨敗していても巻き返す可能性を考えてみたい。
最後に表2へ戻り、前走2000m組以外にも少し触れておく。前走2400m組は【1.3.2.8】で好走馬は6頭いる。その内5頭がディープインパクト産駒だった。また、前走1800m組で好走した2頭も、ともにディープインパクト産駒だった。先ほども述べたが、同産駒は本競走と相性がいい。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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