JRA-VANコラム
波乱傾向が強いハンデ戦、中山牝馬Sを分析する!
2回中京開催が開幕する今週は土曜に中山でハンデ重賞の中山牝馬S、日曜に阪神でフィリーズR、中京で金鯱賞と平地では3鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出~たでは、土曜中山のメインとして行われる中山牝馬Sをピックアップ。近3年は3連単で10万円以上が続き、波乱傾向の強い同レースを2017年以降近5年のデータから分析していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
まず表1は中山牝馬S近5年の人気別成績。1~2番人気馬の勝利がなく、5番人気馬が最多の2勝、3・6・7番人気馬が1勝ずつをあげている。
黄色で強調した5~7番人気馬はいずれも複勝率40%以上で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。不良馬場で行われた昨年は7番人気ランブリングアレーが勝利。2着に5番人気ロザムール、3着に6番人気フェアリーポルカが入った。
上位4番人気以内の勝利が1勝と少なく、伏兵の5~7番人気が4勝しており、複勝率も高いのが中山牝馬Sの大きな特徴だ。また9番人気以下も、一昨年にリュヌルージュが14番人気2着、18年レイホーロマンスが9番人気3着、19年アッフィラートが11番人気3着と、3頭が馬券圏内に入っている。
表2は所属別成績。栗東所属の関西馬が昨年のランブリングアレーら4勝をあげており、勝率・複勝率で美浦所属の関東馬を上回っている。昨年は1・3着馬が該当。3着以内馬9頭中7頭が5番人気以下の馬で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。
対して、関東馬は19年フロンテアクイーンの1勝のみ。2着が4回と多く、連対率では関西馬を上回っている。3着以内馬6頭中5頭は5番人気以内の馬だった。
表3は年齢別成績。黄色で強調した5歳馬が17年トーセンビクトリーら2勝をあげ、連対率・複勝率トップ。昨年は上位3着までを独占している。3着以内馬8頭中7頭は5番人気以下の伏兵で、複勝回収率は100%を大きく超えている。
4歳馬は18年カワキタエンカら2勝で、勝率トップ。連対率・複勝率は5歳馬に次いで高い。6歳馬は19年フロンテアクイーンが勝利するも、複勝率では4・5歳馬に離されている。なお、7歳以上の馬はすべて4着以下に敗れている。
表4は前走からの斤量増減別成績。前走から斤量増減なし、今回斤量増の馬はともに1勝ずつあげており、複勝率20%以上。斤量増の馬で3着以内に好走した3頭はいずれも前走で連対を果たしていた。
出走数が最も多い今回斤量減の馬は一昨年のフェアリーポルカら3勝。連対率・複勝率は最も低いものの、3着以内馬6頭中5頭は5番人気以下で複勝回収率は唯一100%を超えている。この組は前走4着以内だった馬が【2.1.2.6】で複勝率45.5%と非常に高く、複勝回収率も296%と一際高い。今年も斤量減で前走4着以内の馬は狙ってみたい。
表5は前走脚質別成績。前走で逃げた馬が17年トーセンビクトリーら2勝をあげ、連対率・複勝率は33.3%と高い。連対馬3頭はいずれも前走4着以下に敗れており、馬券圏外からの巻き返しに注意したい。
前走先行馬は19年フロンテアクイーンが勝利し、複勝率は前走逃げ馬に次いで高い。前走差し馬は一昨年のフェアリーポルカ、昨年のランブリングアレーの2勝。なお、前走追い込み馬は17年2着マジックタイムしか3着以内に入っていない。
最後に表6は前走馬体重別成績。勝ち馬5頭はすべて460kg~499㎏の範囲におさまっている。黄色で示した460kg~519㎏の馬で3着以内馬15頭中13頭を占めており、前走460㎏以上と馬体重がある程度重い馬を積極的に狙っていきたい。
なお、459㎏以下の馬からは連対馬が出ておらず、3着止まりとなっている。3着馬2頭はともに9番人気以下の人気薄だったが、前走で2着と好走していた。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
関連記事
注意事項
結果・成績・オッズなどのデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
本サイトのページ上に掲載されている情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、株式会社NTTドコモおよび情報提供者は一切の責任を負いかねます。