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JRA-VANコラム

距離短縮で中京芝1200mに出走する馬の成績は?

2022年3月21日 16:00配信
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2020/10/11 東京11R 毎日王冠(G2) 1着 9番 サリオス

今週末は、春のG1シリーズの開幕を告げる高松宮記念が開催される。言わずと知れた春のスプリント王決定戦だが、芝1200m初出走となる馬の出走や好走も意外と多い。今年の登録馬20頭を見渡しても、サリオス、グレナディアガーズ、ロータスランドの3頭が芝1200m初出走となる。そこで今回は「距離短縮で中京芝1200mに出走する馬」について調べてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 1200m以下未出走の高松宮記念1~3着馬(過去10年)

表1は「過去10年の高松宮記念で好走した1200m以下未出走馬」を一覧にしたもの。なお、20年に1位入線→4着降着となったクリノガウディーも該当するが、今回は確定着順を優先した。

表1に名前のある6頭の戦績をチェックすると、1200m以下は未出走でも、1400mでは高い実績を持つ馬が大半を占めることがわかった。6頭とも芝1400mで勝ったことがあり、うち5頭は重賞1着の実績を持っていた。今年の3頭でいえば、グレナディアガーズは阪神C、ロータスランドは京都牝馬Sでそれぞれ芝1400m重賞1着。一方、サリオスには芝1400mでも出走歴がない。過去10年の高松宮記念で1400m以下未出走だったのは20年のノームコア1頭だけで、同馬は15着という結果だった。

また、もうひとつ触れておきたいことがある。それは、1200m以下未出走馬が高松宮記念で好走した年の馬場状態で、14年は不良、15年は稍重、20年と21年は重だったことだ。つまり、スピードが出づらい馬場になったことで、スプリント戦未経験馬でも追走しやすくなった面があるのではないか。今年も当日の馬場状態や時計の出方がどうなっているのか、しっかり注意を払っておきたい。

■表2 中京芝1200m・距離短縮時の成績

ここからは「距離短縮で中京芝1200mに出走する馬」のデータを見ていきたい。なお、表2~5の集計期間は過去5年(2017年1月14日~21年12月18日)で、前走は芝のレースだけに限定した。

表2は前走距離別成績。表の下半分には高松宮記念における同様のデータを掲載しているが、こちらの集計期間は過去10年とした。

コース全体から見ていくと、中京芝1200mに距離短縮で出走する場合、前走1400mが約72%、前走芝1600mが約21%と、このどちらかが大半を占める。そこでこの2パターンに絞って比較すると、好走率、回収率ともに高いのは前走芝1600mである。しかし、高松宮記念に限ると、距離短縮の好走は前走芝1400mに限られ、前走芝1600m(以上)から3着以内に入った馬は見当たらない。コース全体の距離短縮、高松宮記念に限った距離短縮の傾向の違いには気をつけたいところだ。

■表3 中京芝1200m・距離短縮時・人気別成績

※「今人>前人」は前走より人気下降、「今人<前人」は前走より人気上昇を表す

前項で、距離短縮で中京芝1200mに出走する馬のほとんどは前走芝1400mか前走芝1600mのどちらかであることがわかった。そこで、表3~5ではその両パターンに分けたデータを見ていきたい。

表3は(今走の)人気別成績。なお、表の項目にある「今人>前人」は前走より人気下降(例:前走1番人気→今走3番人気)、「今人<前人」は前走より人気上昇(例:前走3番人気→今走1番人気)、「今人=前人」は前走と同じ人気(例:前走3番人気→今走3番人気)をそれぞれ表している。

まずは前走芝1400m。この場合、1番人気の数字が全体に振るわず、2番人気の好走率もひと息。しかし、3番人気の成績は抜群で、4~5番人気もしっかり走っている。そして、6番人気以下は苦戦傾向だ。まとめると、ある程度は人気になっていないと苦しいが、本命・対抗級の評価をされたケースでは過信しないほうがいいだろう。

一方の前走芝1600m。数は少ないものの、1~3番人気は合わせて【7.4.2.3】、勝率43.8%、複勝率81.3%、単勝回収率128%、複勝回収率126%と圧巻の好成績。続く4~5番人気の数字も非常に優秀で、これらは狙ってみる価値がある。また、好走の多くが「今人<前人(前走より人気上昇)」から生まれていることも見逃せない。ちなみに「前走より人気が上昇し、今走1~5番人気」では【9.4.3.7】、勝率39.1%、複勝率69.6%、単勝回収率182%、複勝回収率126%という成績になっている。

■表4 中京芝1200m・距離短縮時・枠番別成績

表4は枠番別成績。前走芝1400mと前走芝1600mに共通して言えるのは、4枠と5枠が好成績ということ。中京芝1200mに距離短縮で出走する場合、真ん中あたりの枠を引いたときにもっとも安心して狙えそうだ。

対して、数値が振るわない箇所は異なる。前走芝1400mでは外の6枠や8枠で、前走芝1600mでは内の1、2枠でそれぞれ好走率を下げる傾向が見られる。この違いも押さえておきたい。

■表5 中京芝1200m・距離短縮時・前走4角通過順別成績

表5は前走4角通過順別成績。前走芝1400mの場合、前走の4角通過が10番手以降だと好走率を落とす傾向が見られる。逆に言えば、9番手までであればそこまで気にしなくてもいいのではないか。

しかし、前走芝1600mの場合はシビアな傾向が出ている。前走4角通過が1番手か2番手だった馬はどちらも複勝率50%台と抜群。しかし、3番手以降だと合算して【2.5.3.47】、勝率3.5%、複勝率17.5%、単勝回収率23%、複勝回収率51%と苦しい。そのなかでも今走1~5番人気なら【2.4.2.9】と悪くないのだが、6番人気以下は【0.1.1.38】と厳しい結果が待ち受けている。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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