JRA-VANコラム
小倉競馬開幕! CBC賞が行われる小倉芝1200mを分析する
上半期を締めくくる宝塚記念が終わり、今週から福島と小倉に舞台が替わる。3回小倉開催の開幕週メインは日曜に行われるCBC賞。昨年は逃げたファストフォースが超のつく高速馬場で逃げ切り勝ちを決めている。今回は昨年の3回小倉開催で行われた芝1200m戦を分析し、好走馬の傾向を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は今年同様に3回小倉の開幕週に行われた昨年のCBC賞における3着以内馬。良馬場の13頭立てで行われ、内から先手を奪ったファストフォースが1分6秒0のレコードタイムで逃げ切り勝ちを決めた。前半3ハロンは32秒3とハイペースで飛ばし、ゴール前は詰め寄られたものの、押し切った。開幕日の土曜は2勝クラスで1分6秒4のレコードタイムが出ていたが、それを翌日に塗り替える形となった。
2着は3歳馬ピクシーナイトで、芝1200m戦は初めてだったが好走。この後、セントウルS2着を経て、スプリンターズSを快勝する。牝馬のアウィルアウェイが3着。高速決着は未知数だったが、前年のスプリンターズS3着の力を示した。1番人気に推された3歳牝馬のヨカヨカは5着に敗退。しかし、同馬は続く北九州記念で勝利している。ハンデ戦で、1・2着馬はともに前走からの大幅斤量減も有利に働いた。
CBC賞はハナに行けそうな軽量馬、また距離短縮で変わり身がありそうな3歳馬に注目しておきたい。
表2は3回小倉開催の芝1200m戦18レース(すべて良馬場)の脚質別成績。ハナに立った逃げ馬が6勝をあげ、勝率33.3%でトップ。先行馬は最多の9勝をあげ、複勝率では逃げ馬に迫っている。やはり平坦小回りらしく、逃げ先行馬が好走しやすい傾向が出ている。
差し馬は3勝、後方からの追い込み馬は勝ち星なしと、やはり前に行ける脚があるということが重要になってくる。
表3は枠番別成績。外の7枠に入った馬が最多の6勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップ。複勝回収率では唯一100%を超えている。また、大外の8枠も3勝をあげ、7・8枠で半数の9勝をあげている。高速決着の小回りということで内枠有利が想像されるが、小倉芝1200mはスタートから3コーナーまでの距離が約480mと長く、外枠でも不利にならない。表1で挙げた昨年のCBC賞でも2・3着馬はともに7枠の馬だった。
表4は出走時の馬体重別成績。黄色で強調した480kg以上の複勝率がいずれも30%を超えている。昨年のCBC賞を勝ったファストフォースも当日馬体重518kgの大型馬で、これら480kg以上の大型馬があげた6勝中3勝は6番人気以下の伏兵だった。
直線は293mと短いので、大型馬がスピードに乗って先行するとそのまま残ってしまうケースが多いのだろう。小倉芝1200mは480kg以上の大型馬に注目しておきたい。
※1勝2連対以上を掲載。
最後に表5は騎手成績。最多の5勝をあげているのが福永祐一騎手で、勝率35.7%と断然トップだ。連対率・複勝率も高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。
その福永騎手を連対率・複勝率で上回るのが岩田望来騎手。3回小倉を通して騎乗数6回と少ないものの、そのうち5回を馬券圏内へと導いている。5日目の2勝クラス・雲仙特別では9番人気ダノンシティに騎乗して差し切り勝ち。このときの2着が福永騎手でともにペース判断、追い出すタイミングに優れた騎手といえる。単勝回収率・複勝回収率ともに非常に高く、今夏の小倉でも注目しておきたい。
また浜中俊騎手も複勝率60.0%と高く、複勝回収率で100%を大きく超えている。ご当地の騎手で、やはり要チェックだ。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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