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JRA-VANコラム

外有利も大外は危険!? アイビスサマーダッシュを分析

2022年7月28日 16:00配信
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2022/5/8 新潟10R 駿風ステークス 1着 3番 トキメキ

今週から夏の新潟競馬が始まる。開幕週の日曜メインは直線1000m重賞のアイビスサマーダッシュ(SD)。外枠有利で知られる直線競馬だが、アイビスSDにおいてはどうなのか。2012年以降・過去10年のデータを分析して、今年馬券で狙えそうな注目馬を挙げていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 アイビスSDの人気別成績(過去10年)

まず表1は過去10年におけるアイビスSDの人気別成績。1番人気馬が昨年のオールアットワンスら断然の7勝をあげており、連対率・複勝率とも90%と非常に高い。近9年連続で連対を果たしており、信頼度が高い。2番人気馬は一昨年にジョーカナチャンが勝利し、複勝率は40%。7・8番人気馬が1勝ずつをあげ、9番人気馬は複勝率30%と健闘しているが、10番人気以下は昨年のバカラクイーン(14番人気)の3着1回のみと好走例は少ない。

配当面では3連単が10万円以上となったのは昨年の22万円馬券の1回のみ。近4年は3着に8番人気以下の伏兵馬が激走。1番人気馬の連対が多いために大波乱こそないが、ヒモ荒れとなるケースは目立っている。

■表2 アイビスSDの馬番別成績(過去10年)

表2は馬番別成績。外めの12~16番で過半数の6勝をあげており、いずれも複勝率は28.6%以上と高い。特に12・13番は複勝率40%以上と一際高い。外枠有利で知られる直線競馬だが、アイビスSDにおいて17・18番で馬券圏内に入ったのは12年エーシンダックマンの2着1回のみ。スタートから各馬が外ラチ沿い目掛けて加速していく展開になると、大外は内から被されるケースが多くなる。フルゲート18頭が想定される今年は12~16番の馬をチェックしておきたい。内めでは4番の複勝率が30%と高いものの、3着以内馬3頭はいずれも上位4番人気以内の馬だった。

■表3 アイビスSDの年齢別成績(過去10年)

表3は年齢別成績。黄色で強調した5歳馬が18年ダイメイプリンセスら最多の4勝をあげ、連対率・複勝率はトップだ。昨年は3着バカラクイーンが該当し、毎年1頭は3着以内に入っている。3着以内馬15頭中6頭は5番人気以下で、複勝回収率は100%を超えている。

他では4歳馬が19年ライオンボスら3勝、7歳馬が17年ラインミーティアら2勝、3歳馬は昨年のオールアットワンスが優勝。複勝率では3~5歳馬と6歳以上ではかなり差があることがわかる。

■表4 アイビスSDの前走着順別成績(過去10年)

表4は前走着順別成績。前走1着馬は19年ライオンボスの1勝のみで、3着が5回と多い。前走2着馬は一昨年のジョーカナチャンら2勝で、連対率・複勝率ともに非常に高い。前走4着以内だった馬が計8勝をあげ、いずれも複勝率が高い。

なお、前走10着以下だった馬からは連対馬が出ておらず、複勝率も低い。

■表5 韋駄天S組の前走着順別成績(過去10年)

表5は、近5年のアイビスSDで一昨年のジョーカナチャンら3勝している韋駄天S組の前走着順別成績。黄色で強調した前走連対馬の連対率・複勝率が非常に高い。前走1着馬は19年ライオンボス、前走2着馬は一昨年ジョーカナチャンがそれぞれ勝利しており、ともに複勝回収率は100%を超えている。前走4着馬からは17年ラインミーティアが8番人気で優勝している。

■表6 アイビスSDにおける前走からの斤量増減別成績(過去10年)

最後に表6は前走からの斤量増減別成績。勝利数はいずれもほぼ変わらないものの、連対率・複勝率では斤量減の馬が一歩抜け出している。昨年は上位3着までを独占。3着以内馬13頭中5頭は5番人気以下で、複勝回収率は100%を超えている。スタートから一気の加速、そして持続的なスピードが求められる直線競馬では斤量減は効果的なファクターといえるのだろう。

斤量増減なしの馬は4勝で勝率トップ、斤量増の馬は勝率・連対率・複勝率いずれも最も低かった。

<結論>

■表7 今年のアイビスSDの注目馬(7/27現在)

※フルゲート18頭

※ジャスパージャック、テイエムトッキュウは除外対象

表7ではこれまでのデータから注目した馬を挙げてみた。

マリアズハートは前走韋駄天Sで勝利、ライオンボスはアイビスSD近3年連続で連対、と上位人気が予想されるが、ともに前走から斤量増がどう出るか。

今回推奨したいトキメキマウンテンムスメの2頭は今回斤量減。トキメキは前走3勝クラスの直線競馬、駿風Sを勝利。昨年のアイビスSDでも11番人気ながら4着に入っている。近走はレースぶりが安定しており、昨年以上の結果が期待できる。

マウンテンムスメは前走函館芝1200mの3勝クラス・UHB杯を逃げ切り勝ち。昨秋には1勝クラスを勝ったばかりでオープンのルミエールオータムダッシュに挑んで僅差の4着と健闘。当時よりも力を付けており、好スタートさえ決めれば、押し切ってもおかしくない。

他では2走前に韋駄天Sで2着と好走したロードベイリーフが穴候補。現在除外対象ながらジャスパージャック、テイエムトッキュウの2頭も前走から斤量減で、出走がかなえば上位争いしておかしくない。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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