JRA-VANコラム
クラシックに直結! 札幌2歳Sを分析!
今週土曜日に札幌競馬場で札幌2歳Sが行われる。最近の同レースを勝った馬の顔ぶれを見ると、翌年のクラシックに直結するレースになりつつある。果たして今年はどの馬が勝ち上がるかとても興味深い。いつものように過去10年のデータを分析し、レースの傾向を探る。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は過去10年の札幌2歳Sの好走馬。ただし、函館で行われた2013年のデータは除外した(以下、同様)。2014年に3着に入ったレッツゴードンキは翌年の桜花賞を制したが、その後はクラシックの好走馬は出ていなかった。しかし、最近2年でソダシ(桜花賞)、ユーバーレーベン(オークス)、ジオグリフ(皐月賞)と好走馬のなかから3頭もクラシック優勝馬が出ている。近年のクラシックはトライアルを使わずに本番に挑み、なおかつ結果を出すケースが増えている。早い時期に芝中距離の重賞を経験できて賞金を稼ぎ、クラシックに向けて長い準備期間が取れるという意味でも、札幌2歳Sを勝つメリットは大きくなっているのかもしれない。
近年の傾向としては、血統面でも特徴的な結果が出ている。19年~21年にかけてゴールドシップ産駒が3頭、キズナ産駒が2頭好走している。たくさんいるサンデーサイレンス系種牡馬のなかでは、この2頭に注目したい。また、母父キングカメハメハの産駒が3連勝中でもある。キングカメハメハはミスタープロスペクター系にカテゴライズされるが、本競走の好走馬においては短距離向きのミスタープロスペクター系は全然見かけない。キングカメハメハ、ウォーエンブレム、ワークフォース、Fusaichi Pegasusと中長距離向きの馬が並んでいるのが特徴だ。また、サドラーズウェルズ系のDawn ApproachやNew Approachという血も気になる。17年2着ファストアプローチら3頭の好走馬が出ている。札幌競馬場は洋芝なので、少しタフな力を要求され、時計もかかる。こうした状況に適性がありそうな馬を狙いたい。
表2はキャリア別成績。基本的にはキャリア1戦馬の出走が最も多く、勝ち馬6頭、2着馬4頭、3着馬6頭が出ている。勝率は9.4%と最も高く、1着馬はキャリア1戦の馬から探すのがおすすめだ。
キャリア2戦は意外と平凡な成績で、単勝回収率205%が目立つ程度。キャリア3戦は連対率が28.6%と高く、キャリア4戦は複勝率が50.0%と優秀。キャリア4~5戦は複勝回収率が100%を超えており、豊富なキャリアの馬も軽視はできない。
表3は前走レース別成績。新馬や未勝利以外だと、やはり札幌で行われるクローバー賞組とコスモス賞組に注目したい。前走クローバー賞組は前走1、2着馬が有力。16年は1着トラスト・2着ブラックオニキスはともに前走クローバー賞で連対していた。前走コスモス賞組は好走馬4頭中3頭が前走1着だった。前走札幌のオープン特別組は、シンプルに前走着順がいい馬にチャンスがある。
※表4は前走新馬組の人気別成績。基本的には人気を集めている馬に注目したい。具体的には5番人気以内であれば有望。キャリアがわずか1戦であっても、新馬で強い勝ち方をした前評判の高い馬が有力だ。昨年優勝したジオグリフは単勝2.1倍とかなり人気を集め、その期待に見事に応えた。
表5は前走未勝利(牝馬限定戦は除く)組の前走コース別成績。こちらは前走札幌芝1800m組の成績が【0.0.0.9】と不振なのが特徴。一方、函館芝1800m組の成績が【2.1.0.2】と優秀だ。18年ニシノデイジーが6番人気で1着、19年ブラックホークが5番人気で1着、21年アスクワイルドモアが4番人気で2着と好走しており、配当的にも妙味がある。
【連載間隔変更のお知らせ】
月・木曜日の週2回連載している当コラムは9月より木曜日の週1回連載に変更となりますのでご了承ください。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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