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JRA-VANコラム

今年も中京芝2200mで行われる神戸新聞杯を分析する!

2022年9月22日 16:00配信
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2022/4/30 東京11R 青葉賞(G2) 1着 3番 プラダリア (Photo by JRA)

今週は中山でオールカマー、中京で神戸新聞杯と芝2200m重賞が2鞍組まれている。今回のデータde出~たでは菊花賞トライアルの神戸新聞杯をピックアップ。一昨年、昨年と同じく中京芝2200mで行われる神戸新聞杯について、近2年のレース傾向ならびに2020年以降のコース傾向を中心に分析する。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 神戸新聞杯近2年の3着以内馬一覧

表1は神戸新聞杯近2年の3着以内馬一覧。一昨年は良馬場、昨年は不良馬場で、勝ち時計は大きく異なるが、勝ち馬の上がり3ハロンは一致している。中京芝2200mは直線の上り坂を2度越えるため、タフなコース形態で上がりが掛かりやすい。瞬発力勝負というより消耗戦で、中団・後方から長く脚を使える馬が好走している。

今年の馬場は現時点ではわからないが、時計の速い遅いはあるにせよ、近2年のレース傾向は踏襲されるのではないだろうか。

■表2 神戸新聞杯近2年3着以内馬の前走レース成績

表2は近2年3着以内馬の前走レース成績。両年ともに連対馬は日本ダービー出走組から出ている。日本ダービー組のレベルが高いのはもちろんだが、前走ダービーの斤量57キロから今回1キロ軽くなるのも有利に働いているのではないか。昨年は日本ダービー優勝のシャフリヤールが出走して4着に敗れているが、不良馬場の影響が大きかったと推測される。

そして3着には前走1勝クラスの穴馬が激走している点が共通している。3着までに菊花賞への優先出走権が与えられるレースだけに状態の良い格上挑戦馬には注意したい。

■表3 中京芝2200m戦の所属別成績(2020年以降/2勝クラス以上)

ここからは中京芝2200m戦のレース傾向について分析する。表3は所属別成績。出走数が多い栗東所属の関西馬が全29レース中28勝と大半を占めている。2・3着数でも美浦所属の関東馬を圧倒しており、連対率・複勝率でも大きく差を広げている。関東馬は今開催のムーンライトHにおけるレインカルナティオの1勝のみと苦しい。

■表4 中京芝2200m戦の前走脚質別成績と前走上がり順位別成績(2020年以降/2勝クラス以上)

表4は前走脚質別成績と前走上がり順位別成績。前走脚質では前走差しの馬が最多の13勝をあげ、複勝率も最も高い。対して、前走逃げた馬が1勝のみと少ないのも特徴だ。

また前走上がり順位別では、勝率では前走上がり1位の馬が最も高いが、連対率・複勝率に関しては前走上がり2位・3位の馬が前走上がり最速を上回っており、複勝回収率でも100%を超えている。特に前走上がり3位の馬は複勝率51.5%と極めて高い。

■表5 中京芝2200m戦の前走距離別成績(2020年以降/2勝クラス以上)

表5は前走距離別成績。勝ち馬は前走1900m~2600mから出ており、その大半が前走2000m~2400mを走っていた。これら前走2000m組、前走2200m組、前走2400m組の比較では、連対率・複勝率は前走2400m組が最も高く、複勝回収率でも前走2400m組は100%を超えている。同距離の前走2200m組も複勝率32.9%と優秀で、前走2600m組も同30.0%と高い。

■表6 今春の京都新聞杯の5着以内馬

最後に表6は今春中京芝2200mで行われた京都新聞杯の5着以内馬。このレースは勝ち時計2分9秒5とレコードタイムが計時されたのだが、速い時計が出やすい馬場だったことに加えて、前半1000m通過58秒2とハイペースで進み、レース中盤も緩まなかったことが最大の要因だ。4コーナー手前で2着のヴェローナシチーが仕掛けて、中団・後方で脚を溜めていた組が上位を占めた。

道中3番手を進んだブラックブロッサムは直線苦しくなって5着に敗退。ほぼ同位置で先行していたリカンカブールはブラックブロッサムにクビ差先着している。

<結論>

■表7 神戸新聞杯の主な有力馬(9/21現在)

※フルゲート18頭。除外対象馬なし

今年の神戸新聞杯の主な有力馬は表7のとおり。

近2年のレース傾向からしても日本ダービー最先着のプラダリアの軸は堅いと見る。日本ダービーの上位8着までの中で1コーナー1ケタ番手だったのは3着アスクビクターモア(道中2番手)とプラダリア(道中5番手)だけ。芝2400mの近3走は1走ごとに走破時計が速くなっており、前走日本ダービーの走破タイム2分22秒8は非常に優秀だ。持久力に優れたタイプで、前走からまだ伸びしろもありそうだ。

今回穴で狙ってみたいのが表6でも取り上げたリカンカブール。未勝利勝ち後にハイペースに巻き込まれた京都新聞杯における4着は非常に評価できる内容だった。休み明けの前走1勝クラス・足立山特別は好時計勝ち。1勝クラスからの穴馬激走のパターンもあり、平均ペースで流れれば面白い一頭だ。

崩れないヴェローナシチーが連下候補で、前走2勝クラス勝ちのボルドグフーシュは今回斤量3キロ増がどう出るか。2連勝中のパラレルヴィジョンは瞬発力タイプで美浦所属の関東馬と買い材料に乏しい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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