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JRA-VANコラム

ドバイ国際競走勝ち馬や3歳馬が挑む天皇賞(秋)を分析!

2022年10月27日 16:00配信
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2021/5/30 東京11R 東京優駿(日本ダービー) 1着 10番 シャフリヤール (Photo by JRA)

今週は日曜日に天皇賞(秋)が行われる。いつものように過去のデータを分析し、今年のレースを展望してみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 今年の天皇賞(秋)出走予定馬

表1は今年の天皇賞(秋)出走予定馬。出走馬の顔ぶれを見ると、フルゲート(18頭)のレースにはならないことが確定しており、その点はやや寂しい。ただ、3頭の3歳牡馬が菊花賞ではなく、本競走を選んだのは興味深い。また、今年のドバイ国際競走勝ち馬が2頭いるというのはめずらしい。その点に注目しながら、有力馬について考えてみたい。

■表2 過去にドバイシーマクラシックを勝利した日本馬

※01年はG2。01年、06年はナドアルシバ芝2400m

表2は過去にドバイシーマクラシック(現在はメイダン芝2410m)を勝利した日本馬の一覧。2001年ステイゴールド、06年ハーツクライ、14年ジェンティルドンナ、22年シャフリヤールと4頭が勝利を飾った。近年は勝ってもあまり驚かれない雰囲気になっているが、実際には勝つのがかなり難しいレースという印象がある。ブエナビスタ、レイデオロ、ドゥラメンテ、クロノジェネシスといった強い馬たちが負けているし、欧州勢がかなり手ごわいからだ。それだけに勝利したこの4頭は相当地力があり、評価されるべきと考えている。

ただ、ドバイシーマクラシックを勝てるような馬は、距離2400~2500mがベストという印象もある。実際にシャフリヤールのJRA・G1勝利実績は21年の日本ダービーだ。この秋のG1で言えば、天皇賞(秋)よりもジャパンCや有馬記念との相性がいい可能性もある。シャフリヤールにとって芝2000mが短いということはないだろうが、勝ち切るのは決して楽ではないはずだ。

■表3 過去にドバイターフを勝利した日本馬

※07年、14年のレース名称はドバイデューティーフリー。07年はナドアルシバ芝1770m。

表3は過去にドバイターフ(現在はメイダン芝1800m)を勝利した日本馬の一覧。07年アドマイヤムーン、14年ジャスタウェイ、16年リアルスティール、17年ヴィブロス、19年アーモンドアイ、22年パンサラッサが勝利を飾った。この6頭の他のG1実績を調べると、芝2000m前後のレースで強い馬が多い印象。ジャスタウェイやリアルスティール、アーモンドアイは実際に天皇賞(秋)で好走を果たしている。

パンサラッサは過去にJRAのG1で好走した経験はないが、それは不自然という見方もできる。いずれ好走してもおかしくはない。距離的には2000mは大歓迎なので、今回は大きなチャンスだろう。ただ、東京芝2000mでは不利と見られている「逃げ」という脚質はネック。一応、過去10年で2頭(18年キセキ3着、19年3着アエロリット)好走しているが、果たしてどうなるか。そのパンサラッサに芝2000mの札幌記念で勝利したジャックドールも当然注目。

■表4 天皇賞(秋)で好走した3歳馬(2000年以降)

表4は天皇賞(秋)で好走した3歳馬(2000年以降)。この間の天皇賞(秋)における3歳馬の成績は【2.3.3.20】で勝率7.1%、連対率17.9%、複勝率28.6%だった。最も成績が良かった4歳【10.10.8.68】は勝率10.4%、連対率20.8%、複勝率29.2%だったので、3歳馬も十分に戦えている。

実際に好走した3歳馬たちのクラシック成績を調べたところ、アドマイヤムーンとペルーサ以外の6頭には連対実績があった。中でも日本ダービー連対馬が5頭と最も多かった。距離は2400mだが東京芝のG1で好走したという点を高く評価すべきなのだろう。そして、アドマイヤムーンは共同通信杯1着、ペルーサは青葉賞1着と東京の重賞を勝っていた点も見逃せない。東京芝1800~2400mの実績・適性が最も重要なポイントになりそうだ。

そうなると今年出走予定の3歳馬の評価は、イクイノックス(日本ダービー2着)>ジオグリフ(皐月賞1着)・ダノンベルーガ(共同通信杯1着)になるだろうか。ジオグリフとダノンベルーガはどちらが上かは難しいが、イクイノックスが3歳勢で1番手評価になるのは間違いない。

■表5 天皇賞(秋)を6番人気以下で好走した馬(過去10年)

最後に表5のデータを記しておく。天皇賞(秋)を6番人気以下で好走した馬(過去10年)の一覧。どんなタイプの馬が穴をあけているのかを確認しておきたい。まず該当馬7頭の年齢は4~5歳だった。前走毎日王冠組が5頭いて、そのうち4頭が前走5着以内だった。また、全馬が過去に3歳以上の芝G1で連対実績があった。そして、芝3000mの菊花賞連対馬が3頭もいる点はかなり興味深い。

今年のメンバーでマークすべきなのはポタジェだろうか。前走毎日王冠は惜しくも6着だったが、今年大阪杯を制した5歳の牡馬。人気もあまりなさそうなので、配当面の妙味もありそうだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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