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JRA-VANコラム

波乱傾向が強い牝馬限定のハンデ重賞! 愛知杯を分析する

2023年1月12日 16:00配信
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2021/3/20 中山11R フラワーカップ(G3) 1着 3番 ホウオウイクセル (Photo by JRA)

今週は土曜に中京で愛知杯、日曜に中山で京成杯、中京で日経新春杯と3鞍の重賞が組まれている。今回は土曜に中京芝2000mで行われる牝馬限定のハンデ重賞、愛知杯をピックアップ。1月・中京競馬場での実施となった2016年以降(20年は小倉開催)過去6回ならびに本年1回中京開催における中京芝2000mのレース傾向から愛知杯で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 2016年以降に中京芝2000mで行われた愛知杯の人気別成績

表1は2016年以降に中京芝2000mで行われた愛知杯の人気別成績。1番人気馬は17年マキシマムドパリの1勝で、連対率33.3%・複勝率50.0%と低め。2~5番人気馬は2番人気の1勝のみで、いずれも複勝率33.3%以下と低い。黄色で強調した6~8番人気が計4勝をあげており、6番人気馬は複勝率トップの66.7%、8番人気馬は1番人気馬と同じ複勝率50.0%。以下、10・11番人気馬が2着1回ずつ。

昨年は7番人気ルビーカサブランカが優勝。近6回いずれも7番人気以下の伏兵が1頭ずつ3着以内に入っている。配当面で見ると、3連単の最低配当が一昨年の7万9590円で、10万円以上が4回と多い。人気薄の激走もあり、的中時の配当妙味がある一戦といえそうだ。

■表2 2016年以降に中京芝2000mで行われた愛知杯の年齢別成績

表2は年齢別成績。黄色で強調した5歳馬が昨年のルビーカサブランカら過半数の4勝をあげており、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。3着以内馬9頭中8頭は5番人気以下の伏兵で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている

4歳馬は一昨年にマジックキャッスルが勝利しており、連対率・複勝率ともに5歳馬に次ぐ高さだ。3着以内馬5頭はいずれも上位4番人気以内だった。6歳馬は19年に8番人気ワンブレスアウェイが優勝。3着以内馬4頭中3頭は8番人気以下だった。4歳馬は人気サイド、5・6歳馬は人気薄が多く激走していることがわかる。

■表3 2016年以降に中京芝2000mで行われた愛知杯の前走距離別成績

表3は前走距離別成績。今回距離短縮となる前走2200m組が昨年のルビーカサブランカら2勝をあげ、勝率・複勝率ともにトップだ。3着以内馬7頭中5頭は6番人気以下の伏兵で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

同距離の前走2000m組は16年バウンスシャッセら3勝をあげるも、連対率・複勝率は高くない。距離延長の前走1600m組は18年エテルナミノルが優勝し、連対率トップ。連対馬4頭はいずれも5番人気以下だった。前走1800m組からは連対馬が出ておらず、3着1回のみと不振傾向にある。

■表4 2016年以降に中京芝2000mで行われた愛知杯の前走からの斤量増減別成績

表4は前走からの斤量増減別成績。出走数が抜けて多い斤量減の馬については年齢別成績も掲載している。斤量減の馬が昨年のルビーカサブランカら大半の5勝をあげており、複勝率17.5%。昨年は1・3着が該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。この組の年齢別成績では、5歳馬が3勝をあげており、複勝率32.0%と一際優秀だ。3着以内馬8頭中7頭は5番人気以下で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

今回斤量増の馬は複勝率が23.1%と高いものの、3着以内馬3頭はいずれも上位3番人気以内の馬だった。斤量増減なしの馬は18年エテルナミノルが勝利するも、連対率・複勝率は最も低い。

■表5 中京芝2000m戦の枠番別成績(2023年/新馬・未勝利戦除く)

表5・表6では1回中京開催4日目までの中京芝2000m戦3レースから傾向を分析する。表5は枠番別成績。3着以内馬は3~8枠から出ており、内の1・2枠からは好走馬が出ていない。なかでも3枠が2勝をあげており、唯一単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。また、8枠も2着3回で、連対率50.0%と3枠と並んでトップタイとなっている。その間の4~7枠は複勝率20.0%で並んでいる。

■表6 中京芝2000m戦の馬体重別成績(2023年/新馬・未勝利戦除く)

表6は馬体重別成績。3レースの勝ち馬はいずれも500kg以上の大型馬だった。さらに520kg以上の超大型馬は2頭出走して、勝ち星こそないものの2着1回、3着1回と複勝率100%をマークしている。パワーがある大型馬が好走しやすい状況にあるのだろう。

<結論>

■表7 今年の愛知杯の主な有力馬(1/11時点)

※フルゲート18頭。除外対象馬なし。

今年の愛知杯の主な有力馬は表7のとおり。これまで示したデータから激走候補の穴馬を2頭挙げておきたい。

1頭目はホウオウイクセル。前走新潟牝馬Sで2着と3歳時のフラワーC1着以来となる馬券圏内への好走を決めた。桜花賞以来スランプ気味だったのが、近2戦で復調を見せている。5歳馬で前走2200m組も強調材料。左回りや寒い時期も合っている馬で、今回も激走を期待したい。

2頭目はサンテローズ。2走前の3勝クラス・関ヶ原Sは今回と同じ中京芝2000m戦で、牡馬に交じって勝利。オープン入り初戦の前走アンドロメダSは4着に敗れたが、この馬の戦績を見ると1走おきに1着と4着以下を繰り返している。6歳馬ながらキャリアは8戦と浅く、まだ伸びしろはある。また、前走時馬体重532キロと超大型馬なのも表6から推せる。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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