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JRA-VANコラム

有馬記念の配当妙味はG1未勝利馬

2022年12月22日 20:35配信
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2022/6/26 阪神11R 宝塚記念(G1) 1着 6番 タイトルホルダー (Photo by JRA)

今週は日曜日に中山競馬場で有馬記念が行われる。2022年の中央競馬の総決算となる大一番で、今年も素晴らしいメンバーが出走を予定している。果たして勝つのはどの馬か。そして馬券はどのように組み立てるべきか。いつものように過去のデータをもとに考えていくことにする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年の有馬記念好走馬

まず表1は過去10年の有馬記念で好走した馬。勝ち馬の顔ぶれは豪華そのもので、レース当時における現役最強クラスの馬が名前を連ねている。その年にG1を制覇した馬が、年内最後の有馬記念でも勝利し、締めくくるというのが一つの大きなパターンだ。

しかし、一方でG1をまだ勝っていない馬もよく馬券になっている。2012年オーシャンブルー、13年ウインバリアシオン、14年トゥザワールド、15年はゴールドアクターとサウンズオブアース、18年ブラストワンピース、20年サラキア、そして21年はディープボンドと、過去10年中7年で合計8頭が好走している。G1馬が多数揃うレースではあるが、G1未勝利馬も軽視してはいけない

■表2 G1未勝利ながら有馬記念で好走した馬(過去10年)

表2ではG1未勝利ながら有馬記念で好走した馬(過去10年)をまとめた。この8頭の共通項を探してみたい。まず人気面はすべて3番人気以下。実績的に1~2番人気になることは考えづらいので当然といったところだろう。逆の見方をすれば、G1未勝利馬が馬券になる時はいい配当になりやすい。有馬記念で配当妙味を追求するのであれば、G1未勝利馬を狙うのが最も手っ取り早いと言える。

性別は牡馬がほとんどだが、牝馬もサラキアが好走している。年齢は3~5歳までだった。G1実績は意外と重要。勝ってはいないが、8頭中6頭は2~3着に好走したことがあり、1頭は4着ならあった。残る1頭のオーシャンブルーはG1そのものが未経験だった。

また、同年下半期(7月以降)の重賞実績も重要。8頭すべてが芝1800m以上の重賞(海外も含む)で一度は3着以内に入っていた。近走不振の馬や久々の馬にとっては厳しいデータと言えるだろう。

■表3 有馬記念で好走したG1ウイナー(過去10年)

表3は有馬記念で好走したG1ウイナー(過去10年)。表2に該当しなかった22頭ということになる。全好走馬の7割強を占めるので、G1勝ち馬が有利なレースであることは間違いない。ただし、同じ年にG1を勝っていることが望ましい。同年にG1を勝っていなかったのは、13年オルフェーヴル(同年、日本での出走はG2の大阪杯のみ。その後フランスに遠征してフォワ賞1着、凱旋門賞2着)を除けば、16年ゴールドアクターと、17年クイーンズリング、18年シュヴァルグランの3頭だけだった。この手のタイプは今回、勝ち切るのは難しい。しかし、その分人気は落ちやすい。表2のG1未勝利馬同様、配当妙味を考えるのであれば狙い目のタイプとなる。

同年のG1実績を詳しく見るために、芝2400m未満と芝2400m以上とに分けて実績を記載した。例えば、21年に優勝したエフフォーリアは天皇賞(秋)と皐月賞で1着、また日本ダービーでは2着と好走。このように芝2400m未満と芝2400m以上、両方のG1で好走していた馬は12年ゴールドシップ、14年ジェンティルドンナ、17年キタサンブラック、20年フィエールマン、21年クロノジェネシスが該当した。総合力が高い証であり、有馬記念で最も勝ちやすいタイプと言える。

基本的にはG1で好走していれば、芝2400m未満か芝2400m以上のどちらか片方の実績でも大丈夫だ。ただ、複数回好走しているのは大きな強み。19年のリスグラシューは宝塚記念とコックスプレートを勝利しており、20年のクロノジェネシスは大阪杯2着、宝塚記念1着の実績があった。

【結論】

それでは今年の有馬記念を占っていくことにする。出走予定馬は表4と表5の通り。

■表4 今年の有馬記念出走予定馬(1)

表4にはG1ウイナーをまとめた。今年は7頭が出走を予定しているが、今年のG1を勝っているのは5頭。そして芝2400m未満と芝2400m以上両方で連対しているのは、イクイノックスとタイトルホルダーだ。おそらくこの2頭はレース当日も人気を集めることになるだろう。今年の実績ではこの2頭が抜けていて、データ的に最有力と言える。3歳代表のイクイノックスか、古馬代表のタイトルホルダーか。どちらに軍配が上がるかが問題で、馬券的にも大きなポイントになる。

ただし、両馬が強いのは間違いないものの、この2頭ですんなりと決まるだろうか。過去の有馬記念の結果を見れば、この2頭の間に何かが割って入るケースも十分想定したい。今年G1未勝利で人気を落としたエフフォーリアなどが食い込むというのもパターンとしてはありうる。

■表5 今年の有馬記念出走予定馬(2)

表5は出走予定馬(2)としてG1未勝利馬をまとめた。過去にG1で3着以内に好走したことがあり、なおかつ今年下半期(7月以降)の重賞で3着以内に好走している馬は9頭中3頭だった。ウインマイティーとジャスティンパレスボルドグフーシュだ。

ただ、ウインマイティーのG1好走実績は20年のオークスであり、前走エリザベス女王杯では16着と大敗している。ということで、3歳のジャスティンパレスとボルドグフーシュが有力とみたい。この2頭は先日の菊花賞で勝ったアスクビクターモアと差がない競馬をしているし、同馬は春のクラシックでも善戦していた。ここで同じ3歳のイクイノックスに迫る走りを見せても不思議はないだろう。配当的にも十分妙味がありそうだ。

ブレークアップはG1未経験。12年オーシャンブルーもG1未経験で2着と好走している。ただし前走アルゼンチン共和国杯に比べてメンバーはかなり強化される。それならば昨年の有馬記念2着馬ディープボンドを警戒したい。秋は凱旋門賞(18着)の一戦のみだが、同レースからのステップという点は昨年と同じだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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