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JRA-VANコラム

ドゥラメンテ産駒3頭に注目! 桜花賞を分析する

2023年4月6日 16:00配信
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2022/12/11 阪神 11R 阪神ジュベナイルF(G1) 1着 9番 リバティアイランド (Photo by Toru Arita)

今週日曜は阪神競馬場芝1600mを舞台に牝馬三冠の一冠目となる桜花賞が行われる。昨年は混戦を制してスターズオンアースが優勝。続くオークスも勝利し、牝馬二冠に輝いている。今年は阪神JFを快勝したリバティアイランドの一強ムードが漂っているが、結果はどうなるか。2013年以降・過去10年のデータを中心に今年の桜花賞で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

■表1 桜花賞の人気別成績(過去10年)

表1は桜花賞過去10年の人気別成績。1番人気馬は2014年ハープスターの1勝のみで、連対率40.0%・複勝率50.0%。この中で単勝1倍台の成績は【1.1.1.2】となっており、勝ち切れていない。対して、2番人気馬は【4.3.0.3】で一昨年のソダシら最多の4勝をあげており、連対率・複勝率はともに70.0%でトップだ。以下、7番人気馬が昨年のスターズオンアースら2勝、3・5・8番人気馬が1勝ずつ。

2着馬は7番人気以内にすべておさまっているが、3着馬は14番人気(13年プリンセスジャック)まで幅広く分布している。2番人気以外では黄色で強調した7・8番人気馬の激走が目立っている。

■表2 桜花賞のキャリア別成績(過去10年)

表2はキャリア別成績。3戦の馬が19年グランアレグリアら3勝をあげ、連対率26.7%・複勝率33.3%はトップ。3着以内馬10頭はすべて前走で重賞を使われていた。4戦の馬は一昨年のソダシら3勝をあげ、3着以内数は11頭と最多だ。5戦の馬は昨年のスターズオンアースら2勝も、複勝率で3・4戦の馬に差をつけられている。

他では6戦の馬は17年レーヌミノル、2戦の馬は20年デアリングタクトがそれぞれ勝利している。なお、7戦以上の馬からは3着以内馬が出ていない。

■表3 桜花賞の前走レース別成績(過去10年)

表3は前走レース別成績。チューリップ賞組はG3時とG2時に分けて表示しているが、4勝はすべてG3時のもので、18年以降現在のG2に昇格してからは勝ち星がなく、2・3着止まりだ。

連対率50.0%と高い阪神JF組は一昨年のソダシが勝利。この組の前走着順別成績は、前走1着馬【1.1.0.0】、前走2着馬【0.1.0.1】となっている。

出走数最多のフィリーズR組は17年レーヌミノルの1勝のみ。その他ではクイーンC組、エルフィンS組、朝日杯FS組、シンザン記念組が各1勝。なお、アネモネS組からは好走馬が出ていない。フィリーズR組以外の好走馬はすべて前走芝の1600m戦を使われていた。

■表4 桜花賞の前走人気別成績(過去10年)

表4は前走人気別成績。前走で1番人気だった馬が18年アーモンドアイら過半数の7勝をあげており、複勝率は37.5%と高い。3着以内馬15頭はすべて前走重賞を使われており、これら前走重賞で1番人気だった馬は【7.4.4.16】複勝率48.4%と優秀だ。昨年の1着スターズオンアース(前走クイーンC2着)、3着ナムラクレア(前走フィリーズR2着)も該当している。前走重賞で1番人気に支持されていた馬は前走での着順にかかわらず、桜花賞では狙っていきたいタイプといえる

なお、勝ち馬はすべて前走で5番人気以内に支持されており、前走6番人気以下は13年3着プリンセスジャック(前走チューリップ賞8番人気)の1回のみと不振傾向にある。

■表5 桜花賞の前走馬体重別成績(過去10年)

表5は前走馬体重別成績。優勝馬はすべて前走460kg以上の馬で、なかでも黄色で強調した前走460~499kgの範囲に3着以内馬が集中している。500kg以上の大型馬は好走できていないが、前走460kg以上と牝馬としては馬体重があるタイプをアタマで狙いたい。

■表6 阪神芝1600m戦での中内田厩舎間隔別成績(2013年以降)

表6はリバティアイランドを管理する中内田充正厩舎の阪神芝1600m戦における前走からの間隔別成績。全27勝で、そのうち中9週以上間隔があいた馬が過半数の14勝をあげている。勝率30%以上と優秀で、さらに川田騎手が騎乗した場合は【10.0.0.6】、うち1番人気に限定すると【9.0.0.1】と勝ち切る傾向が強い

中内田厩舎はレース数をそれほど使わず、休み明けでもきっちり仕上げる傾向がある。リバティアイランドもデビューから手綱を取る川田騎手騎乗で、よほどの不利がない限りは勝利にもっとも近い存在といえるだろう。

<結論>

■表7 桜花賞の主な注目馬(4/5時点)

※フルゲート18頭。

今年の桜花賞の注目馬は表7のとおり。

断然人気が予想されるリバティアイランドはキャリア3戦、阪神JF組で前走1着、前走1番人気、前走馬体重462kgと過去10年の好走条件がそろっている。桜花賞における1番人気馬の信頼度の低さはあるけれども、実力的には抜けた存在といえる。

2戦2勝で前走シンザン記念を勝利したライトクオンタムだが、近2走ともに緩い流れしか経験していない点が引っ掛かる。前走馬体重428kgも気になる条件で、今回は試金石の一戦といえそうだ。

リバティアイランド以外で狙ってみたいのが、同じドゥラメンテ産駒のドゥーラシングザットソングの2頭だ。ドゥーラは近2走が阪神JF6着、チューリップ賞15着と着外に敗れている。ただ、阪神JFは出遅れて勝ち馬リバティアイランドを上回る上がり最速の脚を使って6着、前走のチューリップ賞は直線で進路が塞がれる不利があっての大敗だった。前走チューリップ賞で1番人気に推されており、スムーズに運べれば巻き返しておかしくない。

シングザットソングは前走フィリーズRでレースぶりがそれまでから一変。出遅れて後方から脚を余して敗れていた馬が、速い流れを好位から進めて早め先頭から押し切っている。フィリーズR組で前走436kgとデータ的に1着は厳しいかもしれないが、好走する可能性は十分にある。今回の桜花賞は以上のドゥラメンテ産駒3頭を中心に狙っていきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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