JRA-VANコラム
期待値が高い牝馬の特徴は? キーンランドC分析
今週は新潟競馬場で新潟2歳S、札幌競馬場でキーンランドCと2鞍の重賞が組まれている。これら重賞が行われる27日の日曜はJRAスーパープレミアムとして、すべての券種の払戻率が80%に設定される。今回はサマースプリントシリーズ第5戦のキーンランドCをピックアップ、札幌開催の2014年以降・過去9年のデータから今年馬券的に期待値が高い馬を探っていく。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab. とTARGET frontier JV を利用した。
表1はキーンランドC過去9年の所属別成績。美浦と栗東の比較では栗東所属の関西馬が連対率・複勝率で上回っており、関西馬の中でも牝馬が好成績を示している。2020年エイティーンガールら3勝をあげており、複勝率37.0%と優秀だ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えており、まず注目しておきたい。
表2は枠番別成績。勝ち馬9頭はすべて4枠より外の枠から出ており、連対率・複勝率も外枠が高い傾向にある。逆に1・2枠はそれぞれ3着1回のみで不振傾向にある。小回りといわれる札幌芝だが、キーンランドCに関しては外から追走できる外寄りの枠のメリットが大きい。
外の7・8枠の成績が良いが、なかでも牝馬は複勝率が非常に高い。牝馬は7枠・8枠ともに複勝回収率が100%を大きく超えている。まだ執筆時点で枠順は決定していないものの、7・8枠に牝馬が入っていたら積極的に狙っていきたい。
表3は牝馬の年齢別成績。4~6歳については好走率が高い人気のゾーンも示している。複勝率40.0%で最も高い4歳馬は好走した6頭すべてが上位5番人気以内。1~5番人気の4歳牝馬は複勝率100%と安定感抜群だ。
複勝率で4歳馬に次ぐ5歳馬は好走馬5頭中3頭が7~9番人気、6歳の好走馬2頭はともに9番人気だった。5・6歳の牝馬は人気薄の激走が多いことがわかる。
なお、3歳牝馬の勝ち馬2頭はともに上位3番人気以内、7歳以上の牝馬はいずれも着外に敗れていた。
表4は前走からの斤量増減別成績。全体では前走から斤量増減なしの馬が昨年のヴェントヴォーチェら6勝をあげており、勝率・連対率・複勝率いずれも最も高い。なかでも牝馬は18年ナックビーナスら3勝をあげており、複勝率33.3%と一段と高い。
複勝率で上回るのが今回斤量減となる牝馬で一昨年のレイハリアら2勝をあげ、連対率・複勝率ともに優秀だ。なお、今回斤量増となる馬は全体、牝馬ともに低調な傾向にある。前走から斤量増減なし、もしくは斤量減となる牝馬はチェックしておきたい。
今年の主な注目馬は表5のとおり。
人気になりそうなナムラクレアは春の高松宮記念で2着。前走のヴィクトリアMは8着に敗れたが、久々のマイル戦で距離が長かった。今回は距離短縮に加えて、関西馬、4歳の上位人気馬、前走から斤量減とレース傾向に合っており、軸として信頼したい。
ナムラクレア以外にもう一頭牝馬が3着以内に入ることを想定し、穴でサトノアイを推奨したい。関西馬、5歳馬で人気薄想定、前走から斤量増減なしと買い材料が揃っている。前走UHB賞で3着と芝1200mの流れに対応してきており、続けて好走してもおかしくない。
牝馬で前走勝利しているキミワクイーン、シナモンスティックはともに関東馬というのが引っかかる。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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