JRA-VANコラム
今年も3歳牡馬が有力か!? 有馬記念を分析する
今年もいよいよ有馬記念の日が迫ってきた。絶対王者のイクイノックスが引退し、牝馬三冠馬リバティアイランドが不在というメンバー構成だが、その分たくさんの馬に勝つチャンスがある一戦になりそうだ。今年のクラシックを制したタスティエーラやソールオリエンス、天皇賞(春)を勝ったジャスティンパレス、凱旋門賞で4着と善戦したスルーセブンシーズ、前走ジャパンC3着のスターズオンアースあたりが人気を集めるだろうか。有馬記念の過去傾向をJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して分析してみたい。
過去10年の年齢別成績を調べたところ、3歳が勝率16.0%、連対率28.0%、複勝率36.0%と最も優秀だった。一方、6歳以上は3着がわずか1回と不振傾向。4~5歳の成績は悪くないものの、3歳に比べると好走率は低かった。
3歳馬の人気別成績を調べたところ、1番人気が3戦3勝だった。1~3番人気の複勝率は62.5%。1~5番人気でも複勝率は58.3%と優秀であり、基本的に上位人気に支持された馬の成績が良い。対照的に6番人気以下は厳しく、10番人気以下は好走例がなかった。
4歳以上の前走レース別成績を調べたところ、ジャパンCと凱旋門賞と天皇賞(秋)組から多数の好走馬が出ていた。その他ではエリザベス女王杯組が3頭、コックスプレート(豪G1)組が1頭と、基本的に前走G1組から好走馬が出ている。
4歳以上の前走JC・凱旋門賞・天皇賞(秋)組を調べたところ、1番人気が【3.1.1.2】で複勝率71.4%だった。2、3番人気の勝率・連対率は良くないが、複勝率は良い。1~3番人気と、1~5人気の成績を比較するとあまり差は感じられないので、5番人気以内に支持されていれば有力とみたい。一方、6番人気以下の成績は不振。結局、4歳以上も前走JC・凱旋門賞・天皇賞(秋)といった主流路線を歩んでいる場合は、基本的に人気馬だけが好走している。穴馬の激走はほとんど見込めない、と考えるべきだろう。
【結論】
今年も3歳牡馬に注目!
過去10年、3歳で有馬記念を勝利したのは16年サトノダイヤモンドなど4頭。前走で天皇賞(秋)を勝利していた21年エフフォーリアや22年イクイノックスに比べると、タスティエーラやソールオリエンスの成績は見劣るかもしれないが、古馬で図抜けた実績馬は見当たらないので、今年も3歳牡馬にチャンスがあるとみる。
タスティエーラとソールオリエンスのクラシック成績はほぼ互角。優劣をつけるのは本当に難しいが、菊花賞で2着と先着し、上がり3ハロンも上回っていたタスティエーラを一応上位に取る。また、有馬記念で3歳馬が複数頭出走した場合は、たいてい人気上位の馬が先着している(23年は1番人気イクイノックスが1着、6番人気ボルドグフーシュが2着)という傾向もあるので、実際の人気を見てからまた考えてみたい。
4歳以上の馬は前走JC3着のスターズオンアース、凱旋門賞4着のスルーセブンシーズ、天皇賞(秋)2着のジャスティンパレスと、主要の3路線から有力馬が出てきた。レース当日の人気はどうなるかわからないが、いずれの馬もある程度支持を集める可能性が高そう。よって、この3頭が有力な相手候補だ。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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