JRA-VANコラム
今年は6日に開幕! 中山金杯を分析する
例年より1日遅れとなる1月6日に開幕する今年の中央競馬。その6日には中山で中山金杯、京都では京都金杯の2重賞が行われる。京都金杯は4年ぶりの京都開催となるため、今回は過去10年すべて中山で行われている中山金杯にスポットを当てたい。ここで好発進を切るのはどの馬か、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JVを利用して過去の傾向から分析してみよう。
<POINT>優勝馬は5番人気以内
過去10年の人気別では、1番人気が【4.1.3.2】複勝率80.0%の好成績。ほかに3、4番人気馬が各2勝を挙げるなど優勝馬はすべて5番人気以内から出ており、6番人気以下の優勝は2006年(ヴィータローザ・7番人気)までさかのぼる。また2着馬は8番人気以内、3着馬は11番人気以内で、人気が下がれば下がるほど上位には食い込みづらくなっている。
<POINT>4・5歳馬、前走2000m出走馬が好成績
年齢別では4、5歳が勝率11%前後、連対率22%前後、複勝率29%前後で拮抗している。また、前走距離別では本競走と同じ2000m戦に出走していた馬の好走確率が高い。この双方を満たす「4、5歳の前走2000m戦出走馬」は【4.5.3.16】複勝率42.9%。さらに「前走5着以内」の条件も加えると【4.5.3.6】同66.7%となるため該当馬がいれば見逃せない。
<POINT>前走3勝クラス組が好成績も、今年はG3組に注目
過去10年の本競走では前走金鯱賞(11~12月)出走馬が【2.1.0.4】連対率42.9%を記録していたが、同レースは2017年より春へと移動。またこの年からチャレンジCが芝1800mのハンデ戦から芝2000mの別定戦へと変わるという大きな変更があった。そのため表3~表5はその翌年にあたる2018年以降のデータを見ていきたい。
表3は前走クラス別成績。3勝クラス組が【2.1.2.7】複勝率41.7%の好成績を残しているが、この組は前走芝2000m組【2.1.2.2】に対し、他の距離だった組は【0.0.0.5】。今年の登録馬には前走で3勝クラスの芝2000m戦に出走していた馬がいないため、芝2000mのG3に出走していた馬を中心視したい。
<POINT>G3組はチャレンジC組が有力
表4は前走G3からの好走馬で、6頭中5頭はチャレンジC組から出ている。このチャレンジC組は2018年以降【1.2.2.8】複勝率38.5%、中でも同レース5着以内馬なら【1.2.1.2】同66.7%と優秀だ。その他では福島記念組が【0.1.0.7】、中日新聞杯組は【0.0.0.13】と苦しい。前走チャレンジC以外から唯一好走したウインブライトは、前走の福島記念で2000mの重賞勝ち、そして5走前のスプリングSでは中山の重賞勝ちも収めていた。
<POINT>G1組は前走着順不問
最後に表5は前走G3と3勝クラス以外(G1・G2・オープン特別)からの好走馬である。過去10年の中山金杯では4、5歳馬が好成績を残しているが(表2)、2018年以降に前走オープン特別から好走した3頭はいずれも6、7歳馬。そして前走3番人気以内かつ5着以内で共通している。この「6、7歳」で「前走オープン特別3番人気以内かつ5着以内」を満たす馬は【1.1.1.2】になるが、今年は該当馬不在だ。
よって今年はG3組以外ならG1~G2組。G1組は前走着順不問。G2組は好走馬が1頭しかいないが、過去10年の好走馬4頭中3頭は前走4着以内だった。またG1~G2組の好走馬4頭のうち、4歳の2頭は福島のラジオNIKKEI賞優勝馬で、5歳以上の2頭は中山の重賞勝ち馬。直線が短いコースでの重賞実績がチェックポイントになりそうだ。
【結論】
<POINT>チャレンジC4、5着のエピファニーとマテンロウレオが有力
表2本文で触れたように、中山金杯は前走2000m戦で5着以内だった4、5歳馬が好成績を残している。今年はG3・チャレンジCで4、5着だった5歳馬、エピファニーとマテンロウレオが有力だ(表4)。どちらも表1で優勝馬が出ている5番人気以内に支持されそうな点もプラス材料になる。少し穴っぽいところから1頭挙げれば、前走・秋華賞で7着だったエミュー。中山での重賞優勝実績(フラワーC)を持つ前走G1組で、そのG1組なら前走着順は不問だ(表5)。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。
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