JRA-VANコラム
まさかのキャリア1戦馬が優勢!? 京成杯分析
今週は土曜に小倉で愛知杯、日曜に中山で京成杯、京都で日経新春杯と3鞍の重賞が組まれている。今回は日曜中山メインの京成杯をピックアップ。昨年はソールオリエンスが勝利し、続く皐月賞も制している。クラシックへ向けて注目の一戦を過去10年のデータから分析し、今年馬券で狙えるタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
表1は京成杯過去10年のキャリア別成績。1戦の馬が昨年のソールオリエンスら4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。この組の3着以内馬8頭中6頭は近5年に集中しており、1戦で臨んで好走しているケースが増えている。1戦の馬における前走上がり3ハロンの順位別成績では、前走上がり1位だった馬が複勝率54.5%と非常に高い。前走上がり2位の馬も2勝をあげており、これら前走上がり2位以内に注目だ。
キャリア2戦の馬は1勝のみ。3戦の馬は4勝をあげ、複勝率でも1戦の馬に次ぐ28.2%と高い。4戦の馬は複勝率25.0%も、5戦以上になると3着1回のみと苦戦傾向にある。
表2は前走クラス別成績。表1で示したキャリア1戦の馬はすべて前走新馬戦組で、クラス別でもトップだ。前走重賞組は前走G1組の複勝率30.0%が優秀で、G2組・G3組は低調。前走オープン特別組も16年プロフェットの1勝のみで、連対率・複勝率20.0%。
出走数が最も多いのが前走1勝クラス組だが、好走馬の前走レースは葉牡丹賞とエリカ賞に限られている。なかでも葉牡丹賞組は18年ジェネラーレウーノら2勝をあげており、連対率44.4%・複勝率55.6%と非常に高い。この組の好走馬5頭はいずれも前走葉牡丹賞で連対を果たしていた。京成杯と同コースを経験しているアドバンテージが大きいのだろう。
表3は騎手が前走から継続騎乗か乗り替わりかの比較で、継続騎乗の場合は前走の着順別成績も示している。継続騎乗の馬が大半の8勝をあげており、特に勝率は乗り替わりの馬を大きく上回っている。継続騎乗の馬の前走着順別成績では、前走1着馬が21年グラティアスら5勝をあげ、複勝率36.7%と優秀、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。なお、乗り替わりの馬は昨年のソールオリエンスら2勝で、2・3着が各7回と多い。
最後に表4は前走人気別成績。前走1番人気馬が19年ラストドラフトら3勝をあげ、複勝率は45.0%と高い。前走1番人気馬のキャリア別成績では、前走新馬勝ちしたキャリア1戦の馬が全3勝をあげており、複勝率55.6%と優秀だ。2戦の馬も2着3回で、連対率・複勝率50.0%となっている。
前走2番人気以下からも好走馬が出ているが、連対率・複勝率で前走1番人気馬に差をつけられている。
【結論】
新馬戦を1番人気かつ上がり最速で勝利したバードウォッチャーが筆頭
表5は1/11時点
今年の京成杯の出走予定馬で前走重賞組はエコロマーズ(前走サウジアラビアRC5着)とダノンデサイル(ラジオNIKKEI賞京都2歳S4着)の2頭のみ。ともに前走G3組で表2のデータからすると重視できない。
前走新馬戦で1番人気かつ上がり最速で勝利したバードウォッチャーを一番手で推奨したい。前走は東京芝1800mの新馬戦で、ルメール騎手が騎乗して勝利。今回も継続してルメール騎手が騎乗予定で、2戦目での重賞制覇に期待したい。
もう一頭推奨したいのはマイネルフランツ。表2で示した好相性の前走葉牡丹賞組で、その葉牡丹賞では2着に入っている。勝利したトロヴァトーレは強かったが、中団から上がり2位タイの脚で混戦の2着争いから抜け出している。馬券的な妙味では最も面白い一頭だ。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。
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