JRA-VANコラム
【スプリンターズS×過去データ分析】前走着順別の狙い筋を探る!
今週は日曜日に「秋の電撃の6ハロン戦」、スプリンターズSが行われる。今年は香港から2頭の外国馬も加わり、非常に楽しみなメンバーが揃ったので、秋のG1シリーズ開幕にふさわしい一戦になりそうだ。果たして勝利するのはどの馬か? いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用。2014年は新潟芝1200mで行われたので、15年以降の過去9年のデータを分析した。
過去9年のスプリンターズSの前走着順別成績を調べたところ、前走1着の成績が4勝、2着2回、3着4回で最も好走馬が多かった。また、前走2着の成績は2勝、2着3回で連対馬が5頭と、シンプルに前走着順が良かった馬が好成績だった。
前走3着の成績は少し下がり、前走4着は連対率25.0%、複勝率37.5%、複勝回収値137と優秀。前走5着は3着2回ながら複勝回収値310だった。
前走6~9着、前走10着以下の間には大きな差がないのが特徴で、むしろ後者の方が成績は良かった。ただ、前走5着以内に比べた場合は割引が必要となる。
表2は前走1~2着馬の前走レース別成績。具体的に前走どのレースで連対した馬が有力なのかを調べた。セントウルS【3.3.0.12】が最も出走数が多く、2018年ファインニードルや19年タワーオブロンドンが勝利を飾っている。2番目に出走数が多い北九州記念【1.0.0.11】は23年ママコチャだけが好走している。キーンランドC【0.1.3.7】は複勝率36.4%、複回収値114が優秀だが、勝ち馬が出ていない。19年はダノンスマッシュ、23年はナムラクレアが1番人気で3着に敗れている。
同じように前走6着以下の前走レース別成績を調べてみると、安田記念【0.1.1.4】、ヴィクトリアマイル【0.1.0.1】とマイルG1組の巻き返しが目に付く。具体的な例を挙げると15年はサクラゴスペルがオーシャンS1着→高松宮記念8着→京王杯SC1着→安田記念17着→スプリンターズS2着、17年はレッツゴードンキが高松宮記念2着→ヴィクトリアマイル11着→スプリンターズS2着という成績を残した。このように元々芝1200mの重賞で実績があり、マイルの距離は少し長いというタイプは前走大きく負けていても狙いやすい。
一方、セントウルS【0.0.0.20】やキーンランドC【0.0.0.21】は厳しく、6着以下に敗れたら巻き返すのは相当厳しいとみた方がいい。
最後に前走3~5着の枠番別成績を調べてみたところ、1枠【1.0.2.1】など内枠に入った馬の好走が目立つ。18年ラインスピリット(前走セントウルS5着)は1枠1番から13番人気3着、21年シヴァージ(前走パラダイスS5着)は1枠1番から10番人気で3着と激走した。前走3~5着馬は人気の盲点になりやすく、好走できた場合は高配当になる可能性が高い。有利に立ち回れそうな枠を引けた場合は、思い切って狙ってみるのもいいだろう。
【結論】
セントウルS連対馬とキーンランドC勝ち馬
今年のスプリンターズS出走予定馬のうち前走1~2着馬は、ウイングレイテスト、ウインマーベル、エイシンスポッター、サトノレーヴ、トウシンマカオ、ママコチャ、ムゲン。中でもセントウルS1着トウシンマカオ、同2着ママコチャ、キーンランドC1着サトノレーヴが最有力だろう。ただし、キーンランドC勝ち馬は3着のケースが多いので注意したい。
前走3~5着馬はオオバンブルマイ、ナムラクレア、モズメイメイ。この中では内枠を引き当てた馬が穴候補として面白そう。
前走6着以下の馬は複数いるが、マイルG1組は見当たらない。それでも強いて注目馬を挙げるとすればマッドクールとルガル。前者は23年スプリンターズS2着、24年高松宮記念1着など明らかに実績上位。後者は休み明けだが、今年の高松宮記念で1番人気に支持された馬だ。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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